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国際原子力機関(IAEA)は23日、イランが製造した一部のウランの濃縮度が20%に到達したとする報告書をまとめた。20%まで高めれば、兵器級とされる90%への到達は容易になるとされる。イランは同日からIAEAの抜き打ち査察の受け入れも停止した。国際社会は一段と懸念を強めている。日本経済新聞が入手した報告書によると、2月16日時点で濃縮度20%のウランが17.6キログラムあった。大半は5%以下だが、濃縮度は着実に高まっている。20%に高めると、兵器級の高濃縮ウランを手にするまでにかかる時間が一気に短くなる恐れがある。核合意で定められた上限は3.67%で、イランの最高指導者ハメネイ師は22日、必要ならば60%まで引き上げると警告した。濃縮ウランの貯蔵量は2967.8キログラムで、こちらも上限(202.8キログラム)の15倍近くの水準に達した。核爆弾1個を製造するのに必要な低濃縮ウランは1トンあまりといわれている。IAEAはイランについての報告書を年4回の理事会に合わせ作成し、関係国に配布している。
イランは23日、IAEAの抜き打ち査察の受け入れを定めた「追加議定書」の履行を停止した。核合意の下でイランは追加議定書を暫定履行し、自発的に査察に協力してきた。IAEAは最大3カ月間、核関連施設の最低限の監視や検証ができる取り決めをイランと交わしたが、同国の核開発の全容把握は難しくなる可能性がある。核合意当事国の英仏独の外相は23日、イランの追加議定書の履行停止について「極めて遺憾」との声明を発表した。透明性を低下させるすべての措置を撤回し、イランにIAEAに協力するよう求めた。核合意を維持する立場も改めて強調した。
2015年に欧米などの主要6カ国とイランが結んだ核合意は、イランの核開発を制限する代わりに、経済制裁を緩める内容だ。ただ、米国のトランプ前政権は18年に一方的に離脱し、イランへの制裁を再発動した。これに反発したイランは核合意の義務からの逸脱を繰り返してきた。バイデン政権は核合意への復帰を模索しているが、手順を巡ってイランとの意見の違いが鮮明になっている。(*日経記事より)写真:イランの最高指導者ハメネイ師は、必要ならばウランの濃縮度を60%まで引き上げると警告した(写真は1月、テヘラン)=AP
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