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米国の分断をあらわにした大統領選から1カ月。トランプ大統領こそ分断の元凶とする声はなお多いが、背後の深刻な経済格差も無視できない。では格差はどのように米世論と政治を引き裂いたのか。メカニズムを探ると融和をめざすバイデン次期大統領の試練が浮かび上がる。
南部ノースカロライナ州ブランズウィック郡に住む40歳代の主婦、ロングさん。4年前のトランプ氏当選直後はこう話していた。「ここの住人は皆トランプ氏を支持した。主要メディアは仕事や家を失った小さな街の苦境を理解していない」トランプ氏支持は今も変わらない。「彼は傲慢だけど地域の経済はましになった。バイデン氏は米国を社会主義に染めかねない。働かない人に稼ぎを渡す理由はないわ」
ロングさんのような根強いトランプ支持者は多い。大統領選の一般投票でバイデン氏は初の8000万票を集めたが、トランプ票も約7400万票と歴史的な水準だ。米ギャラップによると選挙直前の大統領支持率は共和党員の95%に対し民主党員が3%。92%もの開きは前例がない。歴代政権のデータは、両党間の大統領支持率が広がり続けたことを示すが、分断はトランプ政権で最高潮に達した。政敵を露骨に罵るトランプ大統領。これに乗る左右のメディア、そしてSNS(交流サイト)。分断の原因はさまざまだが、構造的な要因は経済の格差だ。
「上位1%」が稼ぐ所得の割合などでみた格差は1970年代以降、広がり続けた。これと同時に政治が党派性を帯びたことを示す数字は多く、両者の関係は長く研究者の関心事だった。最近ではダラス連銀の研究者らが富の偏りを多面的に測る指標を使い、「経済格差と政治の分断には明確な因果関係がある」と結論。格差と分断が互いを増幅している構図も明らかにした。そこでは以下のような力学が働いたという。
▼格差で米国の共同体としての意識が低下し、政治の分断が加速
▼政治の分断で政策が停滞し、格差に拍車
▼力をもつ富裕層が自らに有利な制度変更を働きかけ、格差を増幅
一方、格差そのものより格差が心理に及ぼす影響に注目するのがノースカロライナ大のキース・ペイン教授だ。人は常に自分と他者を比べ、下位に置かれると憤り、極端な考えを宿し、ばくち的な行動をとることを多くの実験で示した。
以下略 原文をお読みください。
(*日経 記事より)
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