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トランプ米大統領によるデンマーク自治領の「グリーンランド購入案」は、現実離れしたファンタジーかもしれない。しかし米国がこの島の資源、特にレアアース(希土類)鉱物に大きな関心を寄せているのは確かだ。レアアース生産において中国は世界を牛耳る立場にある。レアメタル(希少金属)の一種で17の元素の総称であるレアアースは、商業化は難しいものの、電気自動車(EV)や風力発電機、軍事技術などのハイテク機器利用には欠かせないものだ。70%超が中国で採掘されているが、加工に関しては同国がそれ以上の高いシェアを握っているからだ。(中略)グリーンランドでの採掘プロジェクトには賛否両論ある。副産物としてウラニウムやフッ素が出るためだ。同地の気候が地球温暖化の悪化具合を測るバロメーターとなっているなか、このプロジェクトが環境に影響を与える可能性があることも論点である。しかしプロジェクトから得られる恩恵を指摘する人もいる。(中略)グリーンランドの首都、ヌークの政治家の中には、資源開発が雇用を創出して人口の流出を食い止め、長期的には、年間予算の半分以上を援助してもらっているデンマークからの独立性を高められると考える向きもある。鉱物の採掘は、環境技術の盛り上がりにつながり、地球の炭素排出量を減らす助けにもなり得る。しかし、グリーンランドの官僚主義がレアアースの資源開発事業に青信号を出したとしても、採掘された鉱物資源は結局のところ、バリューチェーンの末端で中国に行き着くこととなる可能性がある。世界的なレアアースの供給網の構造をみると、多様性を求める欧米諸国政府や自動車産業は、川下の精製工場の建設にも焦点を当てる必要性があることを指し示している。(日経 FT記事より)
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