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世界に展開する米軍の原子力空母で新型コロナウイルスの感染が相次いでいる。空母セオドア・ルーズベルトでは感染者が200人超に広がり事実上の任務停止に追い込まれ、トーマス・モドリー海軍長官代行が7日辞任した。別の3隻の空母でも感染者が出た。米軍の要である空母の任務が制約されれば、即応体制に揺らぎが生じかねない。「船員の安全に配慮しつつもできる限り早期にルーズベルトが海に戻れるようにしろ」。エスパー米国防長官は7日、米軍高官を集めてこう指示した。ルーズベルトでは船員4800人のうち200人以上が新型コロナに感染し、さらに増える見通しだ。現在は米領グアムに停泊している。すべての船員を検査し船内を消毒する作業が必要になり、長期的に稼働できない恐れもある。国防総省によると、海軍所属の感染者は7日時点で460人と米軍全体の3割を占める。陸軍など5つの米軍の構成部隊の中で最も感染者が多い。空母などでは船員が長期間閉ざされた空間で共同生活を送ることが多い。ルーズベルトではクラスター(感染者集団)が発生したとみられる。ルーズベルトの感染拡大を巡っては、海軍内の指揮系統の危うさも露呈した。艦長は上司に、大半の船員の下船を求めたが拒否された。すると部外者に船内の惨状をつづった機密文書を送付し、米メディアが惨状を報じる事態となった。モドリー氏が不適切と判断し艦長を解任すると、空母の船員は部下を守ろうとした艦長の行動を称賛。モドリー氏に反旗を翻す様子がSNS(交流サイト)に投稿された。海軍に30年間勤務したブラッドリー・マーティン氏はルーズベルトを巡る海軍の対応について「有事に海軍の指揮・命令系統が機能するのかという疑念が生じる」との懸念を示す。現場の状況が海軍長官代行に円滑に伝わらず、艦長解任の経緯も船員に周知されていないと指摘し、「コミュニケーション不足を今後の教訓にしなければならない」と強調する。(中略)米軍高官は夏ごろまで感染拡大の影響が収まらないとの見方を示している。各国との共同軍事演習の延期・縮小も相次いでいる。米軍が国内のコロナ対策に追われることも目立ち、米軍内には中国やロシアがその隙をついて威嚇行動を活発化させないか警戒する声も出ている。写真:米空母セオドア・ルーズベルトは3月にベトナムに寄港して中国をけん制していた(ベトナム中部ダナン)=ロイター(*日経 記事より)
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