1. ドラギECB総裁は27日、ポルトガルで開いた年次総会で、ユーロ圏の力強い景気回復を指摘したうえで「デフレ圧力はリフレに変わった」と述べ物価に強気の見方を示した。ECBが金融緩和策を縮小し始める時期は想定よりも近いとの見方から、欧州市場では主要国の国債利回りが上昇(価格は下落)し、株式相場の重荷となった。
量的緩和には元々ドイツの頭の固い方々は懐疑的で、日米がリフレ政策を続ける中、不景気に苦しむ欧州がリフレ政策をとらなかったため、まるで 民主党政権下の日本(さらに円高のおいうち)のようにユーロ高を招くおそれがあった(ギリシアやイタリアのお蔭で実際にはユーロ安だったが)。そこで通貨危機もおちつき、欧州中銀総裁の指導力で始めた量的緩和であったが、これをドラギ氏自身が方向転換する というNEWSに ユーロ買い の動きがおおきくでたもよう。
2. 欧州中銀が量的緩和策を日本より早く手じまいするというのは、予想外の動きで、相場が大きく動いたのは納得がいく。
3.しかしながら、ドイツの頭のかたい方々へのブラフの可能性もあるので、(量的緩和を縮小したら、市場はこんな反応となるのだぞという脅し)唐突にも思えるこの段階での「量的緩和縮小発言」の真意はよくわからない。
4.ケイ線的には ユーロ/円相場の125円という抵抗線を大きく上に超えた事象ではあるが、こんな背景があることを念頭に置く必要がある。
5. ドラギ氏は機知に富んだイタリア人。マクロン仏首相が、今後EU内で戦うことになる「頭の固いドイツの方」は、「共通の敵」となる可能性が高い。