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紙、印刷、火薬、羅針盤に共通するのは、いずれも中国の発明という点だ。これらの発明がなかったら15世紀以降の欧州の発展は、不可能ではなかったにしても、はるかに難しかっただろう。このことは、役立つ知識がなぜ世界に広まるべきかを示している。知識はモノとは異なり、私が誰かの知識やアイデアを使っても「あなた(もしくは他の誰か)」がそれを使えなくなるわけではなく、「自由に行き来する」ものでもある。多くの人が使っても知識の価値が減るわけではない。経済学で「非競合性」と呼ぶ概念で、「公共財」のような性質をもつ。だが、発明やアイデアを生み出すには費用がかかる場合もある。それなのに、もし私(もしくは他の全ての人)が何の代償を払うことなく、その発明を使えるとしたら発明意欲は低下する可能性がある。これが発明を巡る「ただ乗りという問題」だ。知的財産権は、この問題を解決するために発明した人に一定期間、その独占を担保する制度だ。だが、オーストラリアの経済学者ニコラス・グルーエン氏が指摘するように、ただ乗りを許さない方向で問題を解決すると、他の人がその発明やアイデアを自由に発展させる「ただ乗りの機会」を封じることになる。長い目でみると、ただ乗りを許す機会から生じるメリットの方が、それによりもたらされる問題より格段に大きい。人類は車輪の発明を含め、膨大なアイデアの蓄積から恩恵を受けてきた。これこそが人間が人間たる最大の特徴と言ってよい。(日経 FT 記事より)
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