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大成建設は二酸化炭素(CO2)からコンクリートを製造する技術を開発した。CO2を原料にした炭酸カルシウムを使い、1立方メートルあたり最大170キログラムのCO2をコンクリートに封じ込めることができる。コンクリートは原料のセメントを製造する工程で大量のCO2を排出するが、炭酸カルシウム製に置き換われば一転して大幅な削減が可能になる。企業の脱炭素の動きが素材の革新を促している。
大成建設によると、コンクリートの閉じ込めることができるCO2の量は地中などに埋め込むCCUS(回収・利用・貯留)とほぼ同等だという。
建設工事で使用するコンクリートは製造工程で1立方メートルあたり260~300キログラムのCO2を排出し、このうち約9割がセメントの製造過程で発生。大成建設はセメントを使わず、大気中のCO2とカルシウムを合成した炭酸カルシウムでコンクリートを作る技術をこのほど確立した。炭酸カルシウムの製造工程でもCO2は発生するが、コンクリート内に閉じ込める量が上回り、1立方メートルあたり5~55㌔のカーボンマイナスとなる。解体後も再びコンクリート素材への再利用を目指す。これまで鹿島などがCO2を吸収する素材をコンクリートに練り込み、製造工程でCO2を吹き付けてコンクリート内にとじ込める技術を開発している。この方法だとCO2によってコンクリートの強アルカリ性が中和され、鉄筋コンクリートにすると鉄筋がさびてしまう課題があった。
炭酸カルシウムは中性なので、大成建設の技術ではコンクリートの強アルカリ性を保てる。強度や粘度の面でも通常のコンクリートと同じく使えるという。大気中のCO2から炭酸カルシウムの製造を担う出光興産は宇部興産や日揮などと共同で製造技術の確立を進めている。量産コスト削減がCO2を閉じ込めるコンクリート普及の課題となる。 以下略
(*日経記事より)写真:大成建設は製造時にCO2を排出するセメントを使わずにコンクリートを製造する
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