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マレーシアの新首相に1日、ムヒディン元副首相が就任した。2月24日の辞任後も首相復帰に執念をみせていたマハティール前首相にとって、腹心だったムヒディン氏に敗れる皮肉な結果となった。これまで数々の修羅場をくぐり抜けてきたマハティール氏だが、誤算が重なった今回の政変の打撃は大きい。マハティール氏にとって最初の誤算は、2月23日にムヒディン氏ら与党連合のマハティール支持派が、アンワル元副首相を排除する連立政権の組み替えに公然と動いたことだった。側近たちの先走った行動によって、マハティール氏から首相職を禅譲されるはずだったアンワル氏の支持勢力との対立は決定的になり、与党連合の瓦解は時間の問題となった。マハティール氏は翌24日、自らの辞任によって事態の収拾をはかる賭けに出る。辞任を翻意させようとする動きが再び与党連合の結束と、自身の求心力を強める結果につながると考えたためだった。実際、閣外の地域政党からもマハティール氏の復帰を支持する声が上がり、辞任カードは成功したかにみえた。次の見当違いは首相復帰への流れが強まっていた26日に生じた。この日の夕方のテレビ演説で、マハティール氏は野党連合を批判した上で、与野党の政争を棚上げする「統一内閣」を提唱した。政治のこれ以上の混乱を避ける趣旨だったが、与党連合はマハティール氏の「独裁政権化」を警戒し、首相候補にアンワル氏を選んだ。演説で標的にされた野党連合内でも、マハティール氏への反発が強まり、マハティール氏は孤立した。一枚岩だったマハティール氏が率いてきたマレーシア統一プリブミ党(PPBM)も内部分裂を起こす。PPBMは野党連合との多数派形成を実現するため、マハティール氏ではなく、ムヒディン氏を首相候補とすることを28日に決める。この決定はテレビ演説で野党連合を批判したマハティール氏にとっては、のめる選択肢ではなかった。野党連合はムヒディン氏を首相候補として支持したが、マハティール氏は所属政党と決別せざるをえなくなった。マハティール氏は29日朝、アンワル氏らの与党連合に再び合流したが、すでに遅かった。アブドラ国王は29日夕、野党連合と手を組んだムヒディン氏が下院議員の過半数の支持を得たと判断し、新首相に任命した。(*日経 記事より)
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