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写真:除痘館が発行した種痘を勧める広告用の引き札に描かれた錦絵(中村教材資料文庫所蔵) 幕末の大坂。医師で蘭学者の緒方洪庵もまた感染症と闘っていた。当時まん延したのは天然痘。発症すると高熱が出て化膿(かのう)性発疹が起こり、致死率も高い。洪庵は英国のジェンナーが開発した牛痘苗をワクチンに使う予防法をいち早く取り入れ、正確な情報を発信しつつスピード感をもって普及に努めた。新型コロナウイルスに苦しむ日本が、洪庵の闘いから学ぶことは多い。 大阪市中央区今橋のオフィス街にある7階建て「緒方ビル」。薄緑色のタイルの外壁が温かい雰囲気を醸す。テナントの大半は「クリニック」「医院」といった医療機関だ。「妊婦の方々は新型コロナに不安を募らせている。正しい情報を伝え『大丈夫ですよ』とお声がけしています」と話すのは、3階で産婦人科を営む6代目の子孫、緒方高志院長だ。「洪庵は予防医学の礎を築いた人。現場を知る開業医でもあり、一人でも多くの患者さんを助けたい一心だったはず」という。(以下 小見出し と文末) 「接種で牛になる」 商人が資金援助 きょう14日は「種痘記念日」。ジェンナーが牛痘種痘の接種に成功した日にちなむ。ワクチンという言葉もラテン語の雌牛(vacca)が由来だ。新型コロナのワクチンについては海外勢だけでなく、適塾の流れをくむ大阪大学や阪大発創薬ベンチャーなどが開発に動き出した。洪庵に思いを馳(は)せつつ、早期の開発に期待したい。(浜部貴司)(童子追記:なお、公武合体論者だった孝明天皇は幕末、この天然痘にかかり死亡した(岩倉具視(の妹)による暗殺説もきえないが)とされる。感染症は日本でも大きく時代を変えた。)
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