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(写真はサウジアラビアのムハンマド皇太子=ロイター)サウジアラビア当局は6日、サルマン国王の弟のアハマド王子、おいのムハンマド・ビン・ナエフ前皇太子ら有力王子を拘束した。欧米メディアが報じた。潜在的な政敵の排除により、サルマン国王の息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子への権力集中が一段と進みそうだ。サウジ国内では皇太子の強硬な政治手法に一部で不満が高まっており、サウジ情勢の不透明感が増す可能性もある。アハマド王子は、国王と母親が同じ兄弟で唯一生存している王子。かつて「スデイリ・セブン」と呼ばれた有力な一族の出身だ。2018年10月に長期の海外滞在から帰国後、国王に対し皇太子を中心とする体制を支える立場を表明した。ただ、アブドラ前国王の死後、権力がサルマン家に集中していることに不満を持っているとの見方もあった。サルマン国王は17年、本来ならば国王の継承順で上位だったビン・ナエフ前皇太子を解任し、息子の副皇太子を昇格させた。前皇太子の動向はその後明らかにされず、西部ジッダの自宅で軟禁下に置かれたとみられていた。皇太子は、石油に頼らない国づくりに向けた大がかりな改革を進めている。映画館の開設を認めたり、女性の運転を解禁したりした決定は、女性や若者に大きな支持を広げた。国際社会にとっても「普通の国」に変わろうとするサウジの改革は重要で、日本や欧米はこれを後押ししてきた。しかし、皇太子の強引な政治手法が抱えるリスクへの懸念も膨らむ。18年には政府批判の記者ジャマル・カショギ氏が殺害される事件に皇太子が関与した疑いが向けられた。皇太子の強硬路線は、自身が進める改革の妨げになる可能性もある。サウジでは皇太子肝煎りの事業である国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)計画が進む。19年12月に国内市場に先行上場し、早ければ年内にも念願の海外上場を実現したい立場だ。カショギ事件をきっかけに、欧米有力企業の一部はサウジと距離を置いた。環境、社会、ガバナンス重視の「ESG投資」を意識せざるを得ない投資家も、サウジへの投資に慎重にならざるを得なくなる可能性がある。(*日経 記事より)
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