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写真:デモが過激化し、煙に包まれるホワイトハウス(5月31日、米ワシントン)=ロイター
白人警察官による米ミネソタ州の黒人暴行死事件が引き金となった全米の抗議デモは、公民権運動の旗手、キング牧師の1968年の暗殺時以来の騒乱に発展した。香港デモへの統制強化を進める中国への制裁を表明したトランプ米政権だが、自国のデモ鎮圧には武力行使も辞さない姿勢もみせる。矛盾の背後にあるのは根深い人種対立と新型コロナウイルスが露呈させた社会の分断だ。米国の動揺は、世界の民主主義が抱える厳しい試練を映し出している。ホワイトハウス近くの歴代大統領ゆかりの教会が放火され、警察が暴徒化したデモ隊に催涙弾を発射する。不安定な政治に揺れる途上国ではなく、世界最強国の首都を照らす光景だ。米メディアはトランプ米大統領がホワイトハウス敷地内の地下室に一時的に退避したとも伝える。
黒人、白人を問わずマスク姿の市民が集まり、黒人「殺害」に抗議する平和なデモは、分断が進む米国社会の不満を巻き込み、6日続きの暴動に発展した。ホワイトハウス近くの銀行や飲食店は「金持ちはもう安全ではない」などとスプレーで落書きされた。人種対立に加え、コロナが浮かび上がらせた所得や医療水準の格差の広がりが、デモを一段と過激にする。暴動を起こすデモ隊を「悪党」と呼び挑発的なツイートで反撃の構えを見せるトランプ氏は混乱を収めるどころか、自分の大統領再選のために対立と分断をあおる。世界をけん引する米国の指導者の異様な行動は世界の民主主義が抱える苦難の深さを示す。(中略)
米欧の民主主義のほころびと見た中国は、世界での影響力を強めようとしている。中国外務省の趙立堅副報道局長(童子追記「米軍が武漢にウイルス」とツイートした人)は1日の記者会見で「どうして米国は香港警察を非難し、一方で自国の抗議活動への参加者を銃で脅かすのか。典型的な二重基準だ」と米国を皮肉った。中国は「一国二制度」を骨抜きにする香港国家安全法の制定を一気に進め、トランプ大統領が進める対中強硬の路線に真っ向から対抗する構えをみせる。米国で燃えさかるデモの光景は、一党支配と強権的に国民を抑え込む体制の優位を再認識させるかもしれない。(* 日経 記事より)
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