愛知県の中学校の校長先生が,建国記念日を前にして仁徳天皇の「民のかまど」の逸話を紹介し,学校のホームページにその原稿をアップしたことに関してネットで取り上げられています。
そもそもの発端は,2月18日付の中日新聞が「古代から日本は、天皇陛下と民が心を一つにして暮してきたなどとする原稿を掲載し,市教委から口頭で注意を受けていた事が分かった。そしてそれを受けて校長先生は原稿を削除した」というものです。
その新聞記事を確認すると,確かに「天皇に関する記述 市教委 断定的 一宮・校長のブログ注意」と題した記事がありました。校長先生の原稿の全文が産経新聞に掲載されていたのでその内容も確認をしました。
私も多くの方々が指摘しているように,市教育委員会の言うような「断定的な書き方」だとは思いませんし,教育委員会が新聞記事の何を問題にしているのかよく分かりませんでした。
少し調べてみると,杉田健一と言う人がわざわざ市の教育委員会を訪ねてその事実確認をされています。 杉田氏のブログによると教育委員会の見解はつぎのようです。
「教育委員会に「偏向教育だ」とする匿名電話があり,その情報をもとに教育委員会はブログを確認すると共にクレーム電話が有った事を校長に知らせた。校長は静謐な教育環境を保持すべく,また、生徒への事前指導の教育目的は達せられていると判断され,自らブログを12日夜に削除された。」
そうであれば,神話教育をしたから口頭注意を受けて校長先生は削除したという新聞記事の論調と違い過ぎます。 また,「偏向教育だとの匿名の電話」が新聞記事では,「匿名の手紙が届いた」となっているのはどうしてでしょうか。
杉田氏は,「全く誤まったイメージを作り上げたマスコミの罪は実に大きい」と指摘。
この問題に関してだけではありませんが,以前から新聞を含めた報道の在り方やその読み方に疑問を感じています。
限られた紙面や時間の中で表現するために,事実をピックアップしたりインパクトのある言葉を使うためにそうした報道になってしまうのでしょうか。 記者の主観や意向だけで記事にしてしまうのでしょうか。 それとも,状況や取材方の話を理解しきれなくて記事にしてしまているのでしょうか。 まさかとは思いますが,どうなのでしょうか。
読者として,ニュースの核心を知るためにはどうすればいいのでしょうか。
学生の頃,恩師から「正確に物事を捉えるために複数誌の新聞を読むように」と言われました。 でも・・・。
真実を見ることは難しいですね。