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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「アイリス」第16話 感想(ネタバレ注意!)

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 この回で印象に残った場面は、ペク・サンとヒョンジュンが面会で話し合うくだりだった。
「知っているとおり、私がお前の両親を殺した」
 と切り出した後、自分について悪びれることなく率直に(たぶん)語ったことだ。
「なぜ殺すのかもわからず、ただ組織の命令にしたがっただけだ」
「その組織はアイリスですか」
「結果的にはそうだが、その時、私もアイリスを知らなかった。お前が私の命令を受けてユン・ソンチョルを殺したように国家やNSSの命令だと思った。だが・・・私の受けた命令はお前も殺すことだった。私はその命令に背き、お前を生かした」
「どうしてです。どうして私を生かしたのです」
「さあ・・・生かすのに特別な理由などなかった。ただ、そうしたかったからか・・・お前の人生は・・・私が設計したといえる。とっくに終わっている存在を、この瞬間まで生かしたのは私だということだ」
「そうまで生かした私を、どうして捨てたのですか」
「その話は・・・同時に私の組織をすべて話すことを意味している。私が墓場まで持っていくべき秘密だ」
 そこまで聞いてヒョンジュンはペク・サンにつかみかかる。
 ペク・サンの胸ぐらをつかんでヒョンジュンは叫ぶ。
「言え! 助けておいて、どうして捨てた! 言ってみろ」
 係官に引き離され、部屋を出て行く時にペク・サンは最後に言う。
「一つだけ言っておこう。お前は禁断の果実を食べて、罰を受けたのだ。私が設計したお前の人生は、決してそれではダメだから」

 ペク・サンの最後の言葉のところでふと僕は思った。
 アイリスとは・・・ひょっとして特定のリーダーを有していないのではないか。人の姿を借りたリーダーはいるかもしれないが、それは血の呪縛のようなものから掘り起こされた一種の観念や妄想が肥大化したものなのではないか。したがってそこには論理や思想はなく、序列をつくり目的に向かう手段だけがある。

 そして彼らの標的となるのは血の呪縛から逃れて自由に個人的に生きようとする者たちかも。
 すると、ラストのヒョンジュンの死は、ペク・サンの言葉と絡み、何となくわかるような気がしてくる。
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