藤井聡太竜王 VS 藤本 渚四段
ABEMAトーナメント2023 予選Eリーグ第二試合より
藤本 渚四段は話題の高校生棋士。今期、11勝1敗の活躍でますます注目度を上げて来ている。
プロフィールを調べたら、2005年生まれで現有の最年少プロ棋士となっている。
鈴木肇元アマ名人とのプロ棋戦初対局の(時間を惜しみなく使う)様子から”リトル豊島”の異名を頂戴したという。
この話には鈴木はじめアマ名人も、中村太地八段との動画チャンネルの自戦記でも触れていた。
はじめ元アマの自戦記によると、藤本 渚四段は落ち着いた雰囲気で初対局にもまったく動じず堂々としていたという。
戦法もなかなか老獪で序盤から急戦なのか持久戦なのか、面食らう手の連発だったという。
自分の振り飛車に対し、7七角に8八銀型の布陣を取られた時は何を意図してるか分からなくなったともいう。
そこから中央を制圧しあう戦いになり、鈴木元アマも自信を持って戦えていたという。
しかし、藤本四段も自信を持って指してるように見えたという。
中村太地八段も中盤は後手も悪くない捌き合いだったと見ていたという。
だが、この辺りから藤本渚四段は実力者のひしめく三段リーグを勝ち上がってきた本領を発揮したらしい。この辺から数手の応酬が続いてみると、「ここでは手遅れだから、手を少しもどして…」云々のコメントが出てきたりした。
藤本渚四段の中終盤の力量はずば抜けたもののようである。
鈴木元アマも藤本渚四段の持ち時間に合わせて対局を進めたという。
「彼より先に持ち時間を減らしたらとても戦えないので…」
と。
藤本 渚四段も藤井竜王との対局を終えて、同様のコメントを出していた。
「藤井先生(竜王)とはこちらが時間を使い過ぎては対等の戦にならないので、序盤からそういう戦いにしました。ただ、途中まではうまく行きましたが、いつの間にか自分の方が追い込まれてしまって…完敗です。力の差を感じた対局でした。もっと力をつけて次の対局を目指したいと思います」
藤本渚四段の戦法は藤井竜王を惑わせたのは確かのようだ。しかし、千田七段は藤井竜王の対応力に感心していた。
「藤井竜王は藤本四段との戦い方を見切ったようです。相手の出方を見て、8八玉と入玉しての戦いにしたのはさすがですね」
藤本渚四段は出ると見せて動かず、藤井竜王の時間を削る
作戦に出たが、前半、時間を使った藤井竜王は後手の急襲はないと踏んでからは、自陣を整備しながらの戦いを進めた。
残り1分半から持ち時間が減らなかったのは、自玉を8八に入城させて、攻撃の準備に専念できたのが大きかった。
戦いは藤井竜王が一方的に攻める展開となり、後手陣は守備駒はまとまりを欠き、玉は一兵卒の守りをやるべきか単騎で逃げるかの判断もならないまま、先手の圧倒的な攻撃に敗れ去ってしまった。
冒頭、藤本渚四段は今期11勝1敗の活躍と記した。
その事実に間違いはないが、藤本四段の喫した敗北は、対局場所を間違えた欠席のためで、本人にとっては不運だった。
本人の起こしたミスには違いないが、連勝の記録も止まって
当人は悔しい思いをしたことだろう。
藤井竜王もたしか何がしかの勘違いで対局への参加が大幅に遅れたという出来事があったかに思った。
このあたり、藤本渚四段も伊藤匠六段とともに、不世出の棋士の声も出だしている藤井七冠の足元を脅かす存在になりそうな気配も漂う。
次は藤井七冠との持ち時間たっぷりの対局を見てみたい。そのためには藤本渚四段は今の好調を保ち続けて早く実現してもらいたい。
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