(テレビドラマとしてのスケールは類をみないものだ。テレビドラマが映画を超えようとしているのを目の当たりにしている感じである)
☆☆☆☆☆☆☆☆
最高瞬間視聴率50.2%のブロックバスター作品
超話題作『IRIS』が5分でわかる!世界最高のクオリティを持ち、“映画を超えたドラマ”との評価も高い『IRIS』。
一体何がそんなに凄いの? そして「これだけ知っていれば大丈夫!」という鑑賞ポイントを、5分で説明しちゃいます。総製作費15億円! 史上最高のキャスト&スタッフ陣!! 過去に例を見ない超絶ロケ!!!
本作『IRIS』は、総製作費が15億円という巨大なスケールで制作され、その出来栄えからも「韓国でも10年に一度の大作」として呼び声が高い作品です。
この大作の主人公を演じるのは、イ・ビョンホン。
昨年日本でも公開された映画『グッド バッド ウィアード』『I come...』『G.I.ジョー』で主演をつとめた彼が、6年ぶりに参加したドラマが、この『IRIS』です。
また共演陣も、韓国人気No.1女優のキム・テヒや、コミカルな演技からシリアスな役まで幅広い役をこなす実力派俳優のチョン・ジュノをはじめ、超一流の俳優陣が勢ぞろいしています。
監督は『このろくでなしの愛』で2006年の百想芸術大賞 新人演出賞、2006アジアTV最優秀作品賞を受賞した、キム・ギュテ監督。そして脚本は、韓国最高の脚本家、キム・ヒョンジュン。自分の名前を『IRIS』の主人公の名前にしている事からも、この作品に対する意気込みが伺えます。
そしてロケも豪華。日本、ハンガリーの海外ロケだけでなく、市や警察庁の協力のもと、ソウル市街地ど真ん中での異例なロケを敢行するなど、全てに置いて、超弩級の作品になっています。
一瞬たりとも目が離せないスピーディな展開。そして最後の5分に驚きの…
『IRIS』は非常にスピーディーに展開していく作品。
ちょっと席を外して飲み物でも…と思っているうちに「あれ? なんでこうなってるの?」ということもしばしば。放送が始まる前に用事は全てを済ませ、さらに、是非手元にはメモ帳を用意し、人物の動きに注意しながらご覧下さい。
そして『IRIS』は毎回必ず、最後の5分で「えっ!?」と思わせる、大きな展開があります。このラストは本当に見逃せません。
まずは「ヒョンジュン」「スンヒ」「サウ」の3人を憶えろ!
『IRIS』は登場する主要人物が非常に多いため、まずはその人物を憶えるのが大変。まずはとにかく、この3人を憶えてください。イ・ビョンホン演じるNSSの最精鋭要員、キム・ヒョンジュン。キム・テヒ演じる最高のプロファイラー、チェ・スンヒ。チョン・ジュノ演じるNSSのエリート要員、チン・サウ。
この3人の関係が、実は最後まで物語の主軸となっていきます。
危険なまでに描き込む「南北朝鮮の政治分断」
この作品は、南北に分断した朝鮮半島について、スリリングに描いています。朝鮮半島は現在、北緯38度線を挟み、北側に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、南側に大韓民国(韓国)が存在します。元々同じ国だった民族が歴史的理由から分断国家となり、かたや社会主義、かたや民主主義の国家を営んでいる現状があります。
この政治的な側面について『IRIS』は、危険なまでに鋭く描いています。
ヒョンジュンが在籍する韓国の国家安全局・NSS、そして韓国の政府組織である青瓦台(せいがだい)、北朝鮮の組織の動きには目が離せません。
韓国ドラマの“お約束”(?)
多くの韓国ドラマの特徴として「因果関係」が大きなキーワードとして挙げられます。例えば主人公の出生の秘密が衝撃的だったりと、ほぼ全てのドラマでこの因果関係というテーマが扱われるのが韓国ドラマの特徴のようです。『IRIS』でも、キム・ヒョンジュンの両親の因果関係が大きく関与してきます。また、「男女の三角関係」というのも、韓国ドラマの大きな特徴になっています。
しかし『IRIS』の新しいところは、これらの“お約束”を踏襲しつつも、新しい機軸を打ち出しているところです。恋愛ドラマ?と思いつつ、途中から大きく社会派ドラマへ舵を切っていく様子は、圧巻です。
そしてタイトルの“IRIS”とは?
さて、本作のタイトルにもなっている“IRIS”とは、何でしょう? ちょっと調べると、ギリシア神話に登場する虹の女神であったり、アヤメ科の植物であったり…。
アイリスとは何か。これについては序盤の大きなテーマになってきます。
そして、中盤から後半にかけて、アイリスの“中”が、気になっていく構成になっています。これ以上はネタバレ。是非本編をお楽しみ下さい。
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次に「アイリス」ガイドから第4話のあらすじを貼りつけよう。
ヒョンジュンの目の前で、スンヒを乗せた車が爆発され…
国からも見捨てられたヒョンジュンが、ついに復讐を宣言!!
北朝鮮の諜報要員・チョリョン(キム・スンウ)とソンファ(キム・ソヨン)らは、北朝鮮の要人を暗殺し、必死に逃げるヒョンジュン(イ・ビョンホン)を執拗に追う。そして、親友だったサウ(チョン・ジュノ)までもが、ヒョンジュンを始末するため彼を追っている。ヒョンジュンは、NSSの、そして国の捨て駒として選ばれたのだった。そんな事実を全く知らないスンヒ(キム・テヒ)は、ヒョンジュンを助けるため、サウと合流する。
一方、一度は追っ手をまき列車修理工場に隠れることに成功したヒョンジュンだったが、ついにチョリョンに見つかってしまう。
激しい銃撃戦の末、再度逃げ切ることに成功したヒョンジュンは、NSSの副局長ぺク・サンに電話をかけ、復讐を宣言する。ヒョンジュンは、スンヒのホテルに潜り込み一緒に逃げようとする。だが、スンヒを乗せた車が目の前で爆発するのを目の当たりにしてしまう。ショックを受けるヒョンジュンに、更なる衝撃的な出来事が待ち受けていた!!
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三人を追ってブタペストまでやってきたNSS(国家安全局)の副局長ぺク・サンから直接指令の任を受け、北朝鮮のユン・ミンチョル人民委員長の狙撃に成功したキム・ヒョンジュンは、人民委員長の警護にあたった北朝鮮の諜報要員・チョリョン(キム・スンウ)とソンファ(キム・ソヨン)らの執拗な追撃を受ける。自国内での要人暗殺に事態を重く見たハンガリー警察もテロリストとして殺害止むなしの体勢で独自にヒョンジュンの身柄確保に乗り出した。
傷を負いながらもホテルの一室に逃げ込んだヒョンジュンはペク・サンに救助を要請するが、言えるのは任務をし終えることだ、とつめたく突き放される。ペク・サンはヒョンジュンの居場所を確認した後、チン・サウを呼んだ。
チン・サウはNSS(国家安全局)要員としての立場を取るか友情を取るかで悩んだ。しかしペク・サンの”ヒョンジュンを殺せ”との命令を拒むことは出来なかった。お前がヒョンジュンをやらないならほかの者を差し向ける、と言われてやむなく受けたのだ。サウがホテルの部屋でヒョンジュンに対して非情になれなかったのはそのせいだろう。ヒョンジュンをやろうと思えば背後から一発でしとめられたはずである。それを正面から彼を撃とうとした。
その間合いがヒョンジュンを救った。
ハンガリーの警察部隊が突入してきたからだ。
ヒョンジュンを取り逃がしたとの報告をしたサウはペク・サンの言葉を思い起こした。
「なぜ殺すのです。助ければいいじゃないですか。自分が行って助け出してきます」
「君は・・・ヒョンジュンとはいつ知り合った? お前はあの男の過去についてどれだけ知っている? キム・ヒョンジュンはあのように運命づけられた人間なのだ・・・」
ペク・サンは冷たく問い返してきた。ヒョンジュンのデーターを彼の前に投げ出した。
(サウはヒョンジュンのデーターを手にしたのだろうか?)
サウはヒョンジュンが北朝鮮の護衛部要員やハンガリー警察に追われていること、NSS(国家安全局)からはスパイ容疑をかけられていることをスンヒに教える。しかし自分が副局長から受けたヒョンジュン抹殺の命令には触れなかった(話せばスンヒに嫌われるとの思いがあっただろうし、黙って彼女と行動を共にしていればヒョンジュンの足取りを追いやすいとの読みもあっただろう)。
ヒョンジュンが危機にあることを知ったスンヒは自分一人(サウの助けも借りて?)ででも彼を助け出そうと決意する。
二人は北朝鮮の護衛部をマークすることからヒョンジュンの居場所を知ろうとする。
この頃、ヒョンジュンは列車の修理工場に逃げ込んで息を潜めていた。
北朝鮮護衛部の動きが慌しくなり、スンヒたちもその後を追って列車の修理工場に向かう。ヘリコプターを使ってまでの砲撃作戦をくぐり、ヒョンジュンは包囲網を突破した。トラックで市中に逃げ出したのだ。その逃走劇を救助に駆けつけたスンヒはただ見守るだけだった。
ヒョンジュンが北朝鮮護衛部の追撃を無事逃れたかどうか不安でならないスンヒは夢にうなされた。
――サウと自分の前に現れたヒョンジュンが突然銃口を向けてきて、サウを撃つ。二発三発と撃って、血が噴出す。撃たれたサウもまた苦しみながら銃を取り出し、ヒョンジュンに撃ち返す。ヒョンジュンも倒れる。
ハッとしてスンヒは目を覚ます。
夢だったのか、と胸をなでおろすスンヒ。しかし、夢は彼女の予感が生み出したものだった。ヒョンジュンは彼女のもとへひっそり逃れてきていたのだ。二人は生きて再会できた喜びでひしと抱き合う。
スンヒは人民委員長暗殺は北の内部抗争によるもので韓国はいっさい関係ない、との報告をヒョンジュンにする。
ヒョンジュンは首を振る。暗殺の命令を受けて狙撃したのは自分だ、と話す。
あなたはスパイにされている、サウもあなたを助けようとしてここにきている、とスンヒはいう。
一瞬、ヒョンジュンはためらいを見せる。サウが自分の命を狙ったと話そうかどうか迷ったようだ。しかし話さなかった。ここに自分にいると自分もスンヒも危ない、とだけ話す。
ヒョンジュンはスンヒの助けをうけ、二人連れカップルとして列車での逃亡を図る。しかし、北朝鮮護衛部の追跡は執拗だった。主要駅も重要地点としてマークされていたのだ。スンヒを残し車をおりて列車の時刻表を見に行ったヒョンジュンは、途中すれ違った際、チョリョンに変装を見破られる。再び追われる身となる。銃撃戦を展開しながら何とか車のそばまでたどり着いたヒョンジュンだったが、そこでスンヒの乗っていた車は爆発を起こす。
呆然とたちつくすヒョンジュン。銃撃がなされているにもかかわらず、自失の何秒かが過ぎる。突如、彼に激しい怒りと闘争心が蘇る。
彼は何が何でもこの地を生きて出ようと決意したようだ。
そして彼が脱出を図った場所は空港だった。しかしそこではサウが銃を構えて立ちはだかっている・・・
ともかく、凄い! のひとことで尽きるドラマだ。3話から4話にかけてですでにエンジン全開の趣きである。このあたりは少し緩んでドラマ全体の流れをまとめていくのがふつうのやり方だろうが、ともかくそんなこと関係ないみたいにぐいぐい前へ押していく。これで後が続くのかなと見ている方が心配になるほどだ。
これで最後まで押し切ってもらって味わう感動がどんなものか、今から楽しみだ。
すごいドラマを見せてもらえる時代に入っているのだな、とつくづく実感する。それはもちろんテレビでハイビジョン放送を楽しめる時代となったからだろう。
こんなドラマを3Dで見たらどうなるのだろう、と思ってみたりする。そりゃあ、もうゾクゾク物だよ、とほんのちょっと未来からそんな声が聞こえてくるような気がする
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