雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「がんばれ!クムスン」(136)






韓国ドラマ「がんばれ!クムスン」(136)


「お前・・・!」とピルト。
「母さん、それはひどいな」とテワン。
 クムスンも同調した。
「そうですよ。お義姉さんは離婚を隠してたわけでも・・・」
 ジョンシムはクムスンを睨みつける。
「嘘をついたのはお義兄さまなんだし・・・」
「あなた、何を言ってるの。息子を連れてくるのよ」
「・・・」
「それに、もし結婚前から――事実を知ってたらシワンを結婚させなかった」
「でも、もう結婚したんだし・・・互いに愛し合ってるんですよ。お義兄さんも、お義姉さんも」
「じゃあ、結婚詐欺だとしても結婚したら、他人の子の面倒をみろと? なぜシワンがやらなきゃいけないの?」
「・・・」
「だからってそんな風に言うなんて・・・離婚が簡単な問題か?」
 クムスンも頷く
「私も散々悩んだ上で出した結論よ」
「それでソンランは何と?」
「"シワンと相談し、考えてみる”って」
「それはよかった。義姉の性格だから、承諾したかと思ったよ。でも、母さん、離婚はよくないよ」
「そうですよ、お義母さん」
「心配ないわ。書類上は問題ないわ。あなたも知ってるわね。婚姻届だって出てないんだし」
「それはそうだけど」
「いまだに婚姻届を?」
「そうなのよ。天の助けかしら、これも運命なのかもね」
「なぜですか? 結婚してずいぶん経つのに」
 ジョンシムはジロリとクムスンを見る。

 部屋でピルトは言った。
「子供を引き取らないなら、ソンランはどうするあ? 離婚だなんてそれは出来ないだろ。「自分たちで別れると言うならまだしも・・・」
「子供を連れてくるのよ」
「だから、それをやめるなら?」
「それでも嫌よ」
「お前・・・」
「いいから黙ってて。離婚すると言うはずよ。今は息子と暮らすことしか頭にないのよ」
「・・・」


 ヨンオクはミジャの自宅を訪問した。
 家政婦は言った。
「まだ戻られてません」
「では・・・これを渡してください。上等な”きのこ”です」

 
 ジェヒは病室で母親の説得に努めている。
「母さん・・・」
「笑うの? この状況で笑える」 
「それなら泣く? ごめんなさい。本当にごめん。あまりに辛くて――俺が意地っ張りだって知ってるだろ。もうしないから。俺が悪かった」
「わかったわ。どいて」
「母さん・・・許してください」
「・・・」
「母さんには申し訳ないけど、本当だよ」
「・・・」
「本当にもうしわけないけど、どうしようもない。忘れようと頑張ってみても、できないんだよ」
「誰なの? 誰が怪我の気とを話したの? ヨンオクさん?」
「俺が電話した」
「そんなはずがないわ」
「お願いだよ。一生に一度だけ母さんを失望させるんだ」
「・・・」
「母さん・・・お願いします。許可してください」
「どいて。どかないの?」
「どうしてもダメなら、何をするかわからない」
「何?」
 ミジャはジェヒの腕を叩く。ジェヒは右腕を痛がる。
「母さん、何するんだ! 俺は患者だろ」
 ミジャは病室を飛び出していった。
 ジェヒも追いかけて廊下に飛び出す。先に走ってエレベーターを呼ぶ。 
「家に帰るの? 夕食は?」
 ミジャはソッポを向いている。
「まだでしょ? だったら食堂で一緒に食べよう」
「けっこうよ。あなたと食べたい気分じゃないわ」
「愛する息子と一緒に食べれないの?」
「へっ、何いうの」
 エレベーターが鳴った。ドアが開く。ミジャは黙って乗り込む。
「母さん――俺は母さんを恥じたことはない」
「・・・」
「だけど母さんが苦労してるのは嫌だった。幸せであってほしいのに、母さんは幸せそうじゃなかった」
 ミジャはじっと口をつぐんでいる。
「必ず食事をしてよ」
 ドアが閉まっていく。ジェヒは叫んだ。
「母さん、愛してるよ」
 ドアが閉まるとミジャは涙ぐんだ。


 ミジャは自宅に帰りついた。
 家政婦が訊ねる。
「お食事はどうなさいます」
「自分でするわ。今日はお疲れさまでした」
「はい。そういえばチャン先生の奥様がこれをお持ちになりました」
「ヨンオクさんが?」
「はい・・・」

 
 ミジャはすぐヨンオクに会いに行った。
 ヨンオクはすぐ部屋に招きいれた。
「どうぞ、お座りに」
「いいえ、それはけっこうです。不在中にこれを置いて行かれたとか」
「・・・」
「今後、このようなことはおやめください。おわかりですよね?」
 ミジャは贈られた物をテーブルに返した。
「では失礼します」
 ヨンオクはいそいでミジャの前にたちはだかる。
「院長、少しだけ座ってください。お話があるんです」
「私にはないんですが――」
「10分だけでいいですから」
 ミジャは黙ってソファーに腰をおろした。飲み物を断って言った。
「早くお話しください」
 ヨンオクも腰をおろす。
「知ってらっしゃいますよね? クムスンは私の娘です」
「はい。聞きました。本当に気絶するほど驚きました――ほんとに何度も驚かせますわね」
「すみません。何度も驚かせてしまい・・・」
「ほんとにそうですよ。あなたですね?」
「・・・」
「ジェヒが怪我したのをウンジュに聞いて知り、クムスンに話して再び交際させるようにした」
「・・・」
「ついでだからお話しします。私はクムスンとジェヒは決して許可できません。理由はお分かりですね?」
「・・・」
「だから今後は――2人を頼もうなんて思わないで。そうでなくても最近苦しんでいます。それでは」  
 ミジャは立ち上がろうとする。
「院長」
「・・・!」
「全部、私のせいなんです。私のせいです。本当にもうしわけありませんが、あの子を哀れに思って、許してもらえませんか? 一生、院長を恩人だと思って生きます」
「いいえ、けっこうです」 
「あの子があんな状況になったのは――すべて私の責任です。私が育ててやらなかったためで、あの子は悪くありません」
「ヨンオクさん・・・」
「私があの子を育てたなら、状況は違ったはずです」
「・・・」
「しっかり教育を受けさせ、早く結婚して夫をなくすことも――なかったはずです。そしたら今頃、本当にすてきな娘として大学にも通っていたはずです」
「もう行きます。失礼します」
 ミジャは立ち上がった。出て行こうとするその先に、ウンジンが立っている。
 二人の話を聞いていたようだ。ヨンオクはそれに戸惑った。
「ウンジン・・・いつ来たの?」
「それ・・・どういうことなの?」
「・・・」
 ミジャはウンジンの横を通り抜けて出て行った。ウンジンは挨拶もせず、彼女を見送った。


 シワンはソンランの会社に顔を出している。
 ソンランは飲み物を淹れてきた。
「離婚するようにと言われたわ」
「いつ?」
「今日の昼・・・」
「それで何と言った? まさか、承諾しなかったよな?」
「そんなことは言わないわ。あなたと相談すると――悔しかったわ。考えてみたら・・・私がバツイチの子持ちなのが誤りよ。幸せになろうと初婚の男性と結婚して・・・」
「同意はしないがそうだとしても・・・どうする?」
「なぜ私に聞くの? あなた次第なのよ」
「どうするの? お義母さまは折れないわ」
「わかった。俺から話してみる。子供を諦めれば――何とかなるよ」
「シワンさん・・・ウジュのことは――どうしてもダメ?」
「・・・」
「本当にダメなの? 1年でも? あなたは何もしなくていい。同じ家で1年間だけ、一緒に暮らすだけでいいの。ダメ? 分かってる。無理を承知でお願いするわ――アフリカに行く時、暑さは覚悟する。アラスカに行く時も寒いのを知ってるでしょう?」
「どういうこと?」
「私と結婚する時、ある程度は子供のことを――覚悟していると思ったわ」
「・・・だから、母さんに理解しろとは言えないよ」
「・・・」
「現実的に厳しすぎるんだ」
「そうね・・・そうよね。無理なのは分かる――それなら私たち・・・離婚しましょう」
「・・・」
「私はウジュが優先よ。私の幸せより大切なの」
「・・・」
「お義母さんの言うように、私は1人でクールに生きるべきね。だから、離婚しよう」
「・・・」
 シワンの運転する帰宅の車の中で二人とも無言だった。

 
 整髪の練習をしているところにシワンたちが帰ってきた。
 クムスンは手を止めて二人の労をねぎらった。
「お帰りなさい」
「クムスンさん、練習中ですか?」
「はい」
「寝てますか?」
 ピルトたちの部屋を見て訊ねる。
「はい、おそらく――お義姉さん、さっき電話したんですよ」
「そうなの? なぜ? 何かあった?」
 クムスンの気持ちを察し、シワンはソンランの肩を叩いた。
「先に入るよ――おやすみなさい」
 部屋に向かいだす。
 ソンランはクムスンを見た。
「お義姉さん・・・お義母さんと会ったと・・・」
「なぜ知ってるの?」
「お義母さんから――お義姉さん、絶対に従ったらダメですよ」
「・・・」
「今は怒ってるからで、すぐに理解してくれるはずです。私も最初は、いびられたり憎まれたけど、今はかわいがってくれるわ」
「私は粘り強くないの」
「お義姉さん・・・」
「それに私は耐える意志すらないのよ。私は悪い人間だわ。理由もないし、私の何が悪いの?」
「悪いんじゃなくて、お義兄さまを愛してるから。だから耐えないと」
「・・・」
「違いますか? お義姉さん・・・愛してないんですか?」
「どうかな・・・おやすみ、クムスンさん」
 ソンランも部屋に入っていった。


「収入もいいし、長期的には地方がいいよ」
 サンドが言う。
「一緒に暮らしだしてそんなに経ってないのにまた行くの?」
 とクマ。ジョムスンも言う。
「そうだよ。お金もいいけど、ろくに食事もできないし・・・あなたはどうなの?」
 スンジャを見る。
 話を聞いているのかいないのか、スンジャは浮かぬ顔して反応しない。
 ジョムスンがハエを追うようなしぐさを見せる。
「えっ?」
「寝てると思ったわ。どうしたのボーッとして」
「いいえ、少し考え事です」
「何かあったのか? 昨日の夜からおかしいぞ」
「何もないわよ。食べて」
「・・・」
 するとまたスンジャに吐き気が襲った。
「急性胃炎じゃない?」とクマ。
「出勤する時、一緒に病院へ行こう」とサンド。
「いいのよ。少し胃の調子が悪いだけよ」
 ジョムスンは怪訝そうにスンジャを見た。

 サンドとクマが出勤した後、誰にも言えずスンジャは1人で妊娠の現実を悩んだ。
 ジョムスンが出かける支度をし、「病院へ行こう」と部屋に入ってくる。
「知ってる病気だろ?」
「違いますよ。ちょっと胃の調子が・・・」
「子供だろ?」
「違いますよ」
「なら病院に行くわよ。産婦人科に行きましょう」
「・・・」
「私を騙せると思うの?」
「・・・」
「子供だろ? そうだろ?」
「違います。違いますよ」
「そうなの?」スンジャの膝を叩く。「正直に話しなさい」
「なぜ分かったんです・・・?」
 とうとうスンジャは白状した。
「どうしましょう、お義母さん・・・妊娠したんです・・・」


 ウンジンはヨンオクの話を整理する。
「つまり娘を捨てて、パパと再婚したの?」
「ウンジン、それは――」
 とキジョン。
「パパのせいなんだ。再婚する時、クムスンさん・・・お姉ちゃんを育てると約束したのに」
「どうであれ捨てたわ」
「・・・」
「シカも今まで、それを隠してたなんて――なのに、その娘から腎臓をもらったと?」
「・・・」
「どうして、どうしてそんな・・・」
 ウンジンはプイとして立ち上がった。そのまま食堂を出て行く。
 ヨンオクが後を追う。
「ウンジン、待ちなさい」
 しかし、ウンジンはそのまま外へ飛び出していった。
 ウンジュが二階から降りてきた。
「どうしたの?」
 ヨンオクは答える。
「話したの」
 そう言ってウンジンの後を追いかけた。


 クムスンは院長の部屋にやってきた。
「院長・・・」
 ミジャは驚いた。見ていた雑誌を置いた。
「まったく図々しいわね。なぜ、ここに来たの? クビになったのよ」
「分かってます」
 クムスンは床に膝をついた。
「院長・・・」
「何を? どういうつもり?」
「院長――私が許可をもらう方法はありませんか?」
「あるわけないわ。分からないというの?」
「分かってます。自分に取り得がないことはよく分かっています。だから申し訳なく・・・」
「なのに会うの? すまないのに交際を? あなたには両親もないの?」
「・・・」
「良心があるなら分かるはずよ。差が大きすぎるでしょ? それに、あなたには子供もいるの。本当に愛しているなら身を引くべきでしょ?」  
「院長・・・少しずつ差をつめていきます。毎日、少しずつ努力して、立派な人間になります」
「仮にそうだとしても子供はどうするの? 誇らしい母親になりたいんでしょ? それなのに可能性もない男と恋愛して、その母親に跪いて頼むのが誇らしいと思う?」
「・・・」
「あなた――昨日も話したわね? 男がいなくて1人だったと思うかと・・・私も聞いてるわ。あなたの母親はなぜ1人で再婚を?」
「・・・」
「しっかりしなさい。あなたには、それが現実なのよ」
 クムスンは院長の部屋を出てきた。手の甲で涙を拭った。
 ロッカーで持ち物を整理して出てくる。
 ユン室長の前で立ち止まる。
「着替えずに何をしてるの?」とヘミ。
「先輩。私、クビになったんです」 
 ユン室長は意外そうにする。
「すみません、先生。先生に習いたかったのに・・・」
「何があったの? なぜ急に?」
「そうですよね・・・先生。他の美容室に行っても、連絡していいですか?」
 クムスンは美容室を出た。
 しばし立ち止まる。バッグの中からノートを取り出す。
「2箇所はインターネットで申し込めばいいし・・・ここから行こうかな?」
 その時、携帯が鳴った。
「先生――」
「今、退院したよ。どこ?」

 クムスンは履歴書づくりに励む。
 そこへ風船を持った男が現れる。クムスンは振り返る。
「あっ、イケメンだ」
「分かってるさ――待った?」
「ええ。会いたくてつらかったわ」
 クムスンは惚気る。
「何かあったか?」
「いいえ。言ってみただけ」
「この風船は?」
「フィソンのだ。会わせてくれよ」
「いいわ」

 クムスンはジェヒを連れて保育所へやってきた。
「ここで待っててください。フィソンを連れてきます」
 そわそわしだしているジェヒの前に、フィソンがクムスンに手を引かれ姿を現す。
 フィソンはジェヒを見ながら階段を降りてくる。
 ジェヒの前に立った。
「フィソンです」
 ジェヒは笑顔で言う。
「やあー、赤ちゃん白菜だな」
 ジェヒはフィソンの前にしゃがんだ。
「はじめまして。俺はな・・・ク氏おじさんだ。ノ・フィソンだろ」
「・・・」
「フィソン。ほら、挨拶して」
 クムスンに促され、フィソンは深々とお辞儀する。
「こんにちは」
 ジェヒはびっくりする。
「おっ! 話すんだな」
 にっこりするクムスン。
「ああ、こんにちは。風船をあげようか?」
「はい」
 ジェヒはフィソンに風船を握らせる。
「ありがとうございます」
 クムスンに促され、またもや深々とお辞儀する。
「ありがとうございます」
 ジェヒはクムスンを見る。
「1度――抱きしめても?」
 クムスンは訊ねる。
「フィソン――おじさんが抱きしめたいって。いい?」
「はい」
 ジェヒはフィソンを抱きしめた。抱きしめて笑顔が満開になった。
 二人をみてクムスンは感無量の表情になった。

 保育所へやってきたジョンシムはクムスンとフィソンが見知らぬ男と一緒にいるのを見て足を止めた。

 ジェヒの携帯が鳴る。
「はい、先生。はい――いいえ。分かりました。すぐ行きます」
 ジェヒはクムスンを見る。
「悪いけど行かないといけない」
「大丈夫よ。早く行って」
「ごめんな」
「いいから早く行ってください」
「ああ。フィソン――またな。今日は会えて嬉しかったよ。じゃあな」
 フィソンはジェヒに手を振った。

 ジョンシムは次第に怪訝そうな表情になった。





script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script>  google-site-verification: google3493cdb

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「頑張れ!クムスン」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事