雨の記号(rain symbol)

全米選手権2013から(フィギュアスケート女子)

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 成績上位に入った選手の演技を鑑賞した。
 今年は若手選手の台頭が著しいと感じた。上位にバンクーバーで活躍した選手の名はない。台頭の旗頭となったのはグレイシー・ゴールド(17歳)である。
 SPで出遅れた(54.08点)もののFSでは持ち前の若さ溢れる演技を披露し、優勝したアシュリー・ワグナーをおびやかすほどの高得点をマークして2位に入った。
 全米選手権はいつも活気に溢れた大会となる。今年もホイットマンの詩に代表されるアメリカのフロンティア(開拓)精神が選手の根底で脈打ってる感があった。
 登場してくる選手は(自分にしか生み出しえない世界)を信じきって演技を行っているようだった。
 試合に臨むアシュリー・ワグナーやグレイシー・ゴールドなど、選手たちのパワフルかつくじけない演技からそれらがひしひし伝わってきた。
 背中を押す観客の心意気を選手たちが感じ取って演技を行うからかもしれない。まさに伝統のエネルギーというものだろう。

 アシュリー・ワグナーはSPで安定した演技を見せたもののFSで崩れ、グレイシー・ゴールドにあやうく優勝をさらわれるところだった。
 ジャンプの二度の転倒は致命傷になりかねなかったが、120点代をキープできたのは幸いだった。そう考えたくはないが、オリンピックの場ならもう少しスコアは下がったかもしれない。ここから逆にたどってみると、グレイシー・ゴールドSPのスコアはやや抑えられ気味の感がある。一度の転倒とシングルに終わったジャンプの演技で(54.08点)となったが、一度転倒したクリスティーナ・ガオは(58.74)点を出している。シングルジャンプひとつで生じたこの5点近いスコアの差をどう見るべきか? グレイシー・ゴールドがSPで57点近くのスコアをマークしていれば、FSで逆転の芽も出ていた。
 とはいえアシュリー・ワグナーの躍動的演技世界は健在である。FS演技のミスで足元を脅かされたが、もしも最初から無難な演技を行うようであるならここまで成長してこなかった選手だ。
 
 グレイシー・ゴールドの活躍も光った。演技の細部はまだまだ加味しなければならない部分もありそうだが、弾けるような若さと笑顔とパワフル演技で大会を盛り上げた。
 キムヨナや浅田真央がフィギュアスケート奥行きの襖を一枚開いてしまっているので、威勢のいいジャンプとパワフル演技だけで一気に金メダルまでたどり着くことは難しかろうが、世界選手権とソチ五輪のメダル候補にグレイシー・ゴールドが一枚噛んできたようには感じる。

 クリスティーナ・ガオの演技は打倒キムヨナの格好の比較材料になる。彼女の演技がキムヨナによく似ているからだ。似ていてキムヨナの演技にはとても追いつかない。
 アグネス・ザワツキー、コートニー・ヒックスなどこの選手と似たスコアに留まっている選手らには強い印象は覚えなかった。

 長洲未来はFSの演技が不安定だった。SPがよかっただけにFSに注目したが、ジャンプミスがたたってリズムを乱した。リズムを見失った演技は最後まで流れを取り戻せなかった。パワフルであろうとするのがアメリカスタイルかもしれない。しかし、それが彼女のスタイルに合っているかどうかは微妙である。躍動感より静かで端正なスタイルを追求してみるのも彼女の場合悪くないと思う。

 



★グレイシー・ゴールド
7歳でスケートを始めた。カーリーという名前の双子の姉妹がおり、彼女もフィギュアスケート選手である[1]。
2011-2012シーズン、初参戦となったジュニアグランプリシリーズのJGPタリン杯で優勝。2012年に行われた全米選手権ジュニアクラスでも優勝する。世界ジュニア選手権では初出場で2位に入った。その成績から国別対抗戦のメンバーに選出され、初めてシニアクラスで試合に出場することとなった[2]。
2012-2013シーズン、グランプリシリーズに参戦。スケートカナダでは7位に留まったが、ロステレコム杯では銀メダルを獲得した。全米選手権ではSP9位と出遅れるが、FSでは会心の演技を披露し1位、総合では2位に順位を上げ四大陸選手権と世界選手権の代表に選出された。
(ウィキペディアより)



◆◆◆◆女子シングル結果◆◆◆◆
*SP=ショート、 FP=フリー、 EX=エキシビション

順位 名前 セクション SP FS Total リンク先
1 アシュリー・ワグナー
(Ashley Wagner) SC of Wilmington 67.57 121.27 188.84 SP/FS
2 グレイシー・ゴールド
(Gracie Gold) Wagon Wheel FSC 54.08 132.49 186.57 SP/FS
3 アグネス・ザワツキー
(Agnes Zawadzki) Broadmoor SC 65.31 114.32 179.63 SP/FS
4 コートニー・ヒックス
(Courtney Hicks) All Year FSC 59.72 118.2 177.92 SP/FS
5 クリスティーナ・ガオ
(Christina Gao) SC Of Boston5 58.74 117.54 176.28 SP/FS
6 ヤスミン・スィーラジュ
(Yasmin Siraj) SC Of Boston 57.88 117.19 175.07 SP/FS
7 長洲未来[ミライ・ナガス]
(Mirai Nagasu) Pasadena FSC 64.39 109.36 173.75 SP/FS
8 サマンサ・シーザリオ
(Samantha Cesario) SC of New York 55.74 114.41 170.15 SP/FS
9 アンジェラ・ワン
(Angela Wang) Salt Lake Figure Skating 52.06 112.7 164.76 SP/FS
10 ハンナ・ミラー
(Hannah Miller) Lansing SC 54.47 110.21 164.68 SP/FS
11 キャロライン・ジャン
(Caroline Zhang) All Year FSC 49.99 111.9 161.89 SP/FS
12 アシュリー・ケイン
(Ashley Cain) Stars FSC of Texas 50.83 99.96 150.79 SP/FS
13 キリ・バガ
(Kiri Baga) FSC of Bloomington 46.66 91.48 138.14 SP/FS
14 ヘイリー・ダン
(Haley Dunne) University of Delaware FSC 44.96 82.77 127.73 SP/FS
15 ジョエル・フォルテ
(Joelle Forte) SC of New York 45.82 79.13 124.95 SP/FS
16 ベッキー・ベレスウィル
(Becky Bereswill) Detroit SC 38.46 85.11 123.57 SP/FS
17 アマンダ・ホフマン
(Amanda Hofmann) Portland ISC 42.25 76.89 119.14 SP/FS
18 モーガン・ベル
(Morgan Bell) Rocky Mountain FSC 37.78 69.87 107.65 SP/FS
19 ソフィア・アダムス
(Sophia Adams) All Year FSC 37.54 69.96 107.5 SP/FS
20 レイニー・ディグス
(Laney Diggs) St. Moritz ISC 28.57 74.23 102.8 SP/FS
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