雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「がんばれ!クムスン」(141)





韓国ドラマ「がんばれ!クムスン」(141)



「どうした? 何があった?」
 ピルトはクムスンに訊ねてからジェヒを睨む。
「いくら目下の弟嫁でもその言葉遣いは何だ」
「出て行けだなんて」ジョンシムもテワンを見た。「何を言ってるの?」
「テワン答えろ。どういう意味なんだ?」
「・・・」
「おい、答えろ」
「最近・・・帰りが遅くて・・・フィソンまで連れてどこに行ってたのかと」
「そうなの。今、フィソンと戻ったの? それで――こんな遅くまでどこに行ってたの?」
「どこって・・・そんなの決まってるだろ。仕事の帰りおばあさんの家に寄ったんだろ」
「・・・」
「もういい。中に入れ。それから・・・」
「違うんです、お義父さま」
「・・・」
「美容室のせいではなくて――」
「・・・」
「美容室は辞めました」
「辞めたって? いつ?」
「数日経ちました。今日、給与をもらってからお話しようと思って・・・」
「だけど、あなた・・・毎日、朝早くに出かけてたでしょ? 夜も遅かったし――じゃあ1日中、何をしてたの?」
「あちこち履歴書を出しに」
「でも、なぜ辞めたの? 気に入って通ってたんでしょ」
「それが・・・クビになって」
「クビって、なぜ?」
「院長に嫌われてて、それで・・・」
「分かったが、早く言うべきだろ。それはそれで・・・テワン、お前は――言葉遣いに気をつけろ。ぞんざいな話し方は目をつぶってたが、さっきのようなのは許さないぞ」
「はい」
「もういい。入れ」
 テワンはクムスンを睨みながら二人について入った。

 家ではシワンとソンランがみなの帰りを待っていた。
「食事は? 準備はできています」
「いや、俺たちは食べた」
「そうですか」
 ソンランらを無視してジョンシムは部屋に向かった。
 ピルトもジョンシムに続いた。
 ソンランはクムスンに声をかけた。
「クムスンさんはまだでしょう?」
「いいえ、食べました」
「おじさんと食べたの」とフィソン。
 シワンがフィソンの言葉に反応した。しゃがんで訊ねる。
「”おじさん”て誰?」
「おじさんだよ」
「そうか、おじさんか」
 ソンランがすかさず言う。
「クムスンさん、服を着替えてフィソンをお風呂に」
「はい・・・」


 クムスンはフィソンを連れて部屋に入る。複雑な思いでフィソンの頭を撫でる。

「着替えないのか?」
 ピルトがジョンシムの前に腰をおろす。
「あなた・・・クムスンだけど」
「おお・・・クムスンがどうした」
「・・・何でもないわ」
「何だよ。言い出したら最後まで話せよ」
「いいのよ」
 そこにシワンが入ってきた。
 二人の前で正座した。 
「まだ私に話が残ってるの?」
「違います」
「来たついでに話してみなさい――なぜあんなことをしたの?」
「・・・」
「とにかく結婚すれば――父さんと私が許可すると思ったの?」
「・・・」
「答えなさい。そうなんでしょ?」
「・・・はい。申し訳ありません。許してください」
「なら、子供は? 子供のことも見逃すとでも?」
「それは違うんです。子供のことは――俺も困惑しました」
「・・・」
「ソンランは父親が北京で育てるからと言っていたし、会うこともないと思ってた。こんなことになると想像もしてなくて・・・」
「もう・・・なんて、バカで愚かな子なの。子供のいる女と結婚したら当然だわ」
「・・・」
「あなたって人は・・・あなた――本当に一流大学を出たの? バカで愚図の愚か者」
「俺は――離婚も考えました。結婚届もまだだし、両親が反対してて俺も受け入れられなくて――別れればそれまでと、一瞬、そう思いました」
「・・・」
「だけど・・・そうしたら自分自身を許せないと思う。結婚しないと言うあいつに嘘をついたのも俺だ。強引に説得したのに、今さら――子供のことで別れたら・・・母さん、他人なら理解しますか? こんな無責任な男を許せますか? 母さん、父さん――申し訳ありません。期待に背き、深く苦しめてしまいました。だけど、ソンランと別れられないんです。自分も許せないが、何よりも愛してるんです」
「・・・死になさい。こんなバカは死になさい」
 ジョンシムは泣きながら言った。
「母さん・・・」
「悪い子・・・本当に悪い子・・・」



「ただいま。帰ってたんですか?」
 ミジャはジェヒを睨みつけ、無言で背を返す。
 ジェヒは部屋に入った。
 後ろポケットから写真を取り出す。クムスン、フィソン、自分――3人の記念写真が嫌な気分を和ませる。
 写真を机上において奥に消える。
 ジェヒの消えた部屋にミジャがやってきた。ジェヒがいなくて当てがはずれたミジャは、ジェヒがクムスンらと写った記念写真を見つけ、顔色を変えた。
 ジェヒの声がした。
「これは何なの? 何よ、これは!」
「何で?」
 ジェヒは駆け寄って写真を取り返す。
「”何で”? ”何で”と? 外で何をしてるの? クムスンの子にも会ってるの?」
「冗談で結婚するとでも? 彼女と結婚するなら息子にも会うだろ 今後は俺の息子になる」
「・・・」
「最初は心配したけど、実際に会ったら心配が消えたんだ。俺の息子として育てられる。かわいい子だ。母さん、俺はフィソンに会ったら、なぜ子供を天使というか、分かる気がした」
 ジェヒの話を聞きながら、ミジャの目は潤みだす。
「母さんもフィソンを見れば、きっと気が変わる。母さん・・・認めてください。母さんも会えば、俺の気持ちが分かる。ねえ、母さん――」
 ミジャは泣きながらジェヒの部屋を出ていった。

 部屋に戻ってきたミジャは気が動転している。
「どうしたら・・・どうしたらいいの・・・」

 
 スンジャに子供が出来たことをジョムスンはサンドとクマの前で口にした。
 サンドは、借金を返していくだけの人生かと思ったが、希望まで湧いてきたと言って喜んだ。
 クマはスンジャの年齢に驚いたようだが、拒絶反応というのではない。ジョムスンが子供を産む尊さを説くとすぐに受け入れた。


 ノ家の朝餉。家族七人そろっている。
 クムスンが言った。
「お義母さん、お義姉さんがお義母さんはおこげ湯が好物だと早めに作ったんです。どうぞ」
「たくさん、どうぞ」とソンラン。
「ご苦労さん」とピルト。「さあ、食べよう――それから、ソンラン」
「はい」
「子供を――連れて来なさい」
「・・・」
「名前はウジュだろ?」
「はい、お義父さま。ウジュです」
「ウジュの状況もそうだし、お前も望んでいる。シワンも同じ気持ちだ。だから――連れて来なさい。それがいい」
「お義父さま。お義母さま」
「それから――分家しなさい。それがみんなのためだ。子供にもそれがいい」
 目を潤ませてソンランは何度も頭を下げた。
「お義父さま、お義母さま――本当にありがとうございます」  

 シワンとソンランは晴れ晴れとした顔で家の前に立った。シワンはソンランの手を握った。
「大変だったろ」
「ありがとう」
「今日は、一日中家に?」
「ええ。そのための休暇よ。行ってらっしゃい」
「お前が送ってくれるからすごく気分がいい」
「そうね。私もいい感じよ」
「じゃあ、しばしば頼む」
「ええ、そうするわ」
 二人は抱き合って愛情を確かめた。

 クムスンはテワンの部屋にやってきた。
「お義兄さん。お義姉さんの問題が解決したので、今晩――お義父さまたちにお話します」
「・・・」
「すみません」
「分かった。行って」
「お義兄さん」
「出ていって――俺に話はないよ」


 フィソンを保育園に送ってきたクムスンの携帯が鳴った。


 ウンジュがウンジンに問いただした。
「話してみて。何に腹が立つの?」 
「分かるでしょ」
「分かるわ。とても驚いたでしょ。両親にも失望して」
「ママの顔を見れない。パパもよ」
「だからって、両親の家で親の顔を見ずに暮らせる?」
「子供を捨てておいて笑いながら暮らせるなんて。どうしてそんなこと・・・お姉さん――そのお姉さん、お姉ちゃんと呼んでも?」
「もちろん――あなたの姉よ」
「そのお姉ちゃん、どんな生活を?」
「・・・」
「気になるの。そのお姉ちゃんに申し訳なくて・・・」
「・・・」


 食事の時、ヨンオクはウンジュに訊ねた。
「ウンジンと話してみた?」
「当分はほっといて。まだショックが強いけど、時間が解決するわ。深刻ではないわ。学校の方も問題なし」
「そう。それが一番心配だったの」
「お前が気を遣ってやってくれ」とキジョン。
「はい。だけど・・・」
 そこにウンジンがやってきた。自分の場所に着席する。
「食事だと言ってるのに、すぐ来ないで遅いぞ」
「お姉ちゃんは何を?」
「・・・」
「23歳なのよね。なら、大学生?」
「違うわ」
「それじゃ? 何なの?」
「食事の後に。あとで話すわ」
「聞かなくていい。連絡先を教えて。私が会ってみるわ」


 スンジャはジョンシムの家を訪ねた。
 ソンランが飲み物を運んでくる。
 コーヒーを見てジョンシムは下げようとする。
 するとスンジャは答える。
「いいえ、いいんです。大丈夫です」
「だけど、妊娠した人には」
「いいえ、本当に大丈夫です」
「・・・」
 ジョンシムはソンランを下がらせた。
 スンジャはバッグから何か取り出しながら用件に入った。
「あの・・・これです」
 ジョンシムの前に封筒を押し出す。
「これは何ですか?」
「あの・・・クムスンに貸していただいた夫の示談金です」
 ジョンシムは意外そうにした。
「もう持ってらしたの?」
「はい、お返しできることに――感謝いたします」
 ジョンシムは嬉しそうにする。
「この恩は忘れません」
「こんなに早く返していただけるとは私たちの方がありがたいわ」
「あの・・・ひとつお願いがあって・・・病院で私を見たことを、当分、内緒にしておいてほしいんです」
「ええ・・・クムスンにですか?」
「クムスンにも他にも・・・です」
「分かりました。それで――何ヶ月ですか?」
「8週だそうです」
「そう・・・ですか。できたばかりですね」
 ジョンシムの話にスンジャは汗を拭いた。

 クムスンたちはスンジャ宅へやってきた。
「あら、これは誰かしら」
 ジョムスンは二人を温かく迎えた。
「こんにちは」とジェヒ。「お二人ともお元気でしたか?」
「もちろん、元気だったわ。早くあがって、早く」
 二人は居間に上がる。
「叔母さん」とクムスン。
「いらっしゃい」
 スンジャはやっかみ混じりでそっけなく返事を返す。
「座って」
「座って座って」
 と笑顔のジョムスン。

 ミジャはメモした住所を頼りにクムスンの婚家を探し当てた。
 門の前で彼女はしばしためらう。あえて非常識を行おうとしているからだった。
 しかし彼女は決断した。ノ家のインターホーンを押した。

 部屋ではピルトとジョンシムが話を弾ませている。
「そうか。もう返済しに来たのか?」
「そうなのよ」ジョンシムは笑顔で頷く。「私も驚いたわ。返してもらえないのを覚悟していたお金だったから」
「そうだな。どうであれ、よかった。これで婚家も生活が安定しそうだ」
「そうよ。宝くじにでも当たった気分よ」
 そこにソンランの声がした。
「お義父さま、お義母さん、お客さまです」
 ピルトたちはリビングに出てきた。すでにミジャは中に通されている。
「こんにちは」
 挨拶を返し、ジョンシムは怪訝そうに訊ねる。
「どちら様で?」
「失礼ですが、こちらがナ・クムスンの婚家ですか?」 





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