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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「アイリス」最終話 前半

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TBSガイドより

ペク・サン(キム・ヨンチョル)とサウ(チョン・ジュノ)の脱走の知らせを受け、ヒョンジュン(イ・ビョンホン)はNSSに復帰する。早速、ヒョンジュンはチョン大統領秘書室室長(チョン・ハニョン)の暗殺現場に遭遇し、その場から立ち去るビック(T.O.P)の後を追う。自宅まで追い詰め、ペク・サンとサウの居場所を問い詰めるのだが、情報を聞きだせずに終わってしまう…。

だが、ヒョンジュンはアイリスのアジトを突き止め、NSSに応援を要請する。スンヒ(キム・テヒ)も現場に向かおうとすると、パク対テロ室室長(ユン・ジェムン)に止められる。アイリスのファイルからスンヒの名前が出てきたことから、スンヒがアイリスのターゲットになっていると考えていると聞かされ、内部の仕事を任される。困惑するスンヒは、動揺を隠せない。そして、ヒョンジュンとNSSチームが、アイリスのアジトに突入し、ペク・サンを逮捕する。だが、サウと部下らは別の場所で大規模な人質事件を起こす準備をしていた。

任務を終えNSSに戻ってきたヒョンジュンに、オ科学捜査室室長(ユン・ジュサン)は、深刻な顔をしてアイリスのアジトで録画された動画を見せる。そこに映し出されている映像に、ヒョンジュンはショックを受け混乱する。ペク・サンと一緒にスンヒが映っていたのだ!ヒョンジュンはスンヒを食事に誘い、アイリスとスンヒの関係を聞き出すと…。

サウらアイリスが再び動き出した!大型ショッピングモールを占拠し、化学兵器を持って人質を囲ったサウらは、大統領に南北首脳会談の取り止めを発表するよう要求する。ヒョンジュンは、交渉人として大型ショッピングモールに入り、サウと再び対峙する。サウは北朝鮮に拘束されているアイリスの関係者を釈放することも追加要求してきた。そして、その後ヒョンジュンとサウにとって思いもよらない展開が起こり…。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 現場に居合わせ、チョン大統領室長を暗殺して立ち去るビックをヒョンジュンとソンファは追跡する。隠れ家を突き止めて不意打ちをくらわせ、脱走したペク・サンの居所を吐くよう迫るが、ビックは自分のスタイルを貫き通して口を割らずに死んでいった(チン・サウもそうだが、ビックの存在感はその死と同時に急激に萎んでしまった。彼の誇りの集積群を台無しにするような死のあっけなさがそうさせるのだろう)。
 ペク・サンの追跡は振り出しに戻った。
 ホン・スジンはチョン室長の死の報告を大統領に行った。チョリョンとチョン室長の極秘会見について、彼女は会見に同席しなかったことを理由に、アイリスに関し北は詳細な調査を要求してきています、と大統領に対し都合のいいところだけ切り取って説明を行った。
 ペク・サンの後を受けたNSS新任局長も、大統領室長暗殺への対応を生ぬるいと部下たちを一喝した。室長暗殺の報を耳にした時点で指示を出せたはずだろうに、自ら陣頭で手を打たず、後で責任を部下たちに押し付ける無能さはペク・サン以下のようにも映る。身を挺して核テロから市民を守ったヒョンジュンを信じない、という人間的感覚もおそろしくずれている。こういう硬直人物(ドラマを面白くするためのガス抜き役回りだろうが)がトップに上りつめている世の中はまだまだの感があり、こういう輩を相手に上層部をとりしきる大統領も大変そうである。

 一方、護送車から脱走したペク・サンとチン・サウは山のアジトに身を潜めていた。アイリス次の作戦行動は中枢指導部から傭兵らの手にたくされて進行しつつあった。
 チン・サウは傭兵を含めた小隊の現場指揮権をペク・サンからたくされていた。作戦の概要を彼らから耳にした彼は人質を殺すことを厭わぬそのやり方に疑問を呈する。傭兵らに自分の考え方を徹底させる。
 傭兵らは、チン・サウのやり方は生ぬるい、恐怖心をあおるテロ行動の本質をつかんでいない、とペク・サンに抗議するが、私は指揮権のすべてをチン・サウにたくした、それに反旗をひるがえすはすなわち私に楯突くのと同じだ、チン・サウの命令が私の命令だ、と傭兵らの抗議を一蹴する。
 チン・サウを呼び出したペク・サンは、作戦計画を訊ねた後、
「お前は金のためだけの彼ら消耗品とはわけが違う。今、自分の立場はもどかしく不安だろうが、焦ることはない。この世界は力のある者だけが動かしている。すぐにその威力はお前自身感じてくるはずだ」
 ペク・サンは彼を見た。
「チン・サウ」
「はい」
「ひとことだけ言っておく。今、お前は一世一代、最大の岐路に立っている。この仕事が人生や命を賭けるだけの価値があることを私は保証する。お前は私の行けなかったところまでたどり着くことができるだろう」

 ヒョンジュンはスンヒを見つめながらソンファの言葉を思い出していた。
「彼女にいったい何が起きている・・・」
 ヒョンジュンが訊ねてもスンヒはただ言葉を濁すだけだった。

 ヒョンジュンはチョリョンと会った。アイリスの情報を取り交わしながら、個人的な思いも吐露しあえる。友情が芽生え出しているようである。

 ペク・サンの行方を追うヒョンジュンはついに彼らのアジトを発見する。科学捜査室長のよこしてくれた傭兵らのデーターがその手がかりになった。ヒョンジュンはNSSに連絡を入れ、単身、アジトに潜入する。アイリスメンバーとの銃撃戦を展開しながらヒョンジュンはアジト(クラブハウス)の奥に突き進む。
 しかし、アジトはすでに作戦行動の主力部隊をそこから送り出していた。ペク・サンは作戦に加わらずそこに残っていた。自身の潮時というのを感じていたのか。
 警護隊を片付けたヒョンジュンはペク・サンに向かって銃を構えた。
「あなたの加わっているアイリスは金と力に頼った醜い集団だ。言え、アイリスとは何だ!」
「言っただろう。お前は禁断の果実を食べた。両親やユン・ジョンフンのようにやがて死んでいく運命にあるのだ」
 ペク・サンと平行線の問答を繰り返した後、ヒョンジュンはペク・サンに向けて銃を構える。しかし、駆けつけたNSSパク室長にいさめられ、銃をおろす(いさめられたから撃てなかったのではないようだが)。

 ヒョンジュンは科学室捜査室に呼ばれて、科学捜査室に向かった。室長はペク・サンらの陣取っていたアジト(クラブハウス)から出たデーターのうち、ペク・サンとチェ・スンヒのやりとりする映像をヒョンジュンに見せる。
「お前にまっさき見せようと思って呼んだ。この映像だが、俺にはさっぱりわからない」
「・・・」
 ペク・サンから指揮権をたくされたチン・サウはホン・スジンと会った。二度目だ。彼女の仲介でチン・サウは女神像を飾りつけた屋敷(教会?)でアイリス黒幕の一人と会った。
 彼は「お前の救える人間、ブラック」と名乗った。
「本部ではペク・サンの権限をお前に与えることにした。お前がペク・サンの代わりになるということだ」

 ヒョンジュンは思案に沈んでいるスンヒを食事に誘った。
 スンヒは彼の誘いが自分に訊きたいことがあってのものだとわかっていた。
 食事が終わり、カフェオーレが運ばれてきた時、スンヒは「私が済州島で・・・」と語りはじめようとするが。それを制してヒョンジュンが先に語りだす。ヒョンジュンは自分に置かれていた運命を話し、それと同じような状況がお前にも発生しているのではないか、と問う。

 「アイリス」との関係について、ヒョンジュンがスンヒに問いかけている頃、ソンファは一人静かにバターコーヒーを飲んでいた。
 そこへ北の防衛司令部から電話が入る。第12区の保管庫から何者かによってソマンガスが持ち出されているという報告だ。

 その頃、スンヒは自分の心の奥をヒョンジュンに向けて吐露し始めていた。
 父は大統領暗殺に加担した者として処刑された。残された母と子に対して世間の風は冷たかった。そんな私たちを助けてくれたのがペク・サンだった。ペク・サンのおかげで私は何不自由なく育った。大学教育まで受けられた。だけど、その彼がアイリスの仲間だった。父に対する尊敬の念だけで私たちの面倒を見てくれたと思っていたのに、彼はアイリスの仲間だった。済州島のあの場所にはアイリスの責任者もいた。彼に、自分にもそこに入れ、と要求された時はショックでならなかった。私は彼がアイリスだったことは本当に知らなかった、と。
「どうしてもっと早く話してくれなかった」
「話せるわけなどないじゃない。私にとって彼は父親のような人だったの」
 泣きじゃくるスンヒをヒョンジュンは抱きしめた。

 ヒョンジュンはチョリョンに呼ばれた。化学兵器として殺傷力の高いソマンガスがアイリスの手に渡ったことが伝えられた。
 話がすんだ後、ソンファはスンヒのことを訊ねる。
 ヒョンジュンは答えた。
「もう、大丈夫だ」

 ショッピングモールを襲撃してチン・サウ率いるテロ隊の作戦が開始された。
 特殊部隊が突入を開始するが、出入り口で地雷原に触れて爆発が起こる。

 ☆ドラマの流れを忠実に追って書くと、チェ・スンヒ女王説はだいぶ色あせてきてしまう。しかし、アイリス中枢部は才能ある者がもぐりこめば、それも夢じゃないというのを感じさせる。如何なる組織も最初はガラガラポンで発生し複数の帯をもって膨張していくから、やとわれでかかわらない限り、誰しもが最高ポストに位置するようになるかもしれない可能性も孕んでいるからだ。チェ・スンヒがアイリス入れを決めれば、すぐれた頭脳(テロ隊がソマンガスを空調システムにセットしたはずといちはやく解析したのは確かスンヒでなかったか。スンヒへのライバル心でソンファだったか?)からして、女王への道をたどることはあながち妄想とも言えないだろう。
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