雨の記号(rain symbol)

雌伏三番手のフィギュアスケーター(キムヨナ)

 
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 ミュージカル監督・俳優も認めるキム・ヨナの感情演技

映画・ミュージカルよりも深い感動が週末のソウル木洞アイスリンクで生まれる。
復帰した“フィギュア女王”キム・ヨナ(23、高麗大)が第67回全国男女総合フィギュア選手権大会に出場し、5日にショートプログラム、6日にフリーの演技を行う。キム・ヨナが女子シングルで1位になる場合、3月にカナダ・ロンドンで開催される世界選手権大会の出場権を獲得する。

キム・ヨナの国内大会に対する期待感はいつよりも大きい。魅惑的な演技を見せたカムバック舞台のためだ。キム・ヨナは昨年12月初め、ドイツNRW杯で20カ月ぶりに復帰し、今季の女子シングルの最高点(201.61点)で優勝した。

“名品ジャンプ”だけでない。ヴァンパイアに吸血された女性(ショートプログラム)、レ・ミゼラブルの純粋な少女コゼット(フリー)に変身したキム・ヨナの演技は、芸術性が高い作品を待ち焦がれていたフィギュアファンの心を潤わせた。

文化・芸術家はキム・ヨナの演技をどう見たのか。

ミュージカル「グリース」などを演出したチョン・テヨン監督は「キム・ヨナのような俳優がいればすぐにキャスティングする」と“フィギュア女王”の演技を絶賛した。チョン監督は「レ・ミゼラブルは印象的だった。刹那の感情を表わすことをミュージカルでは“感情を刻む”というが、キム・ヨナの演技は瞬間瞬間が生きている」と話した。

ミュージカル「レ・ミゼラブル」は「オペラ座の怪人」「キャッツ」「ミス・サイゴン」とともに世界4大ミュージカルと呼ばれる。キム・ヨナの表現力にはミュージカル「レ・ミゼラブル」の魅力が不足なく込められているという評価だ。

「A work」の旋律に合わせて線の太い演技を始めたキム・ヨナは、エポニーヌの主題曲「On my own」に入ると切ない表情と動きを見せた。エポニーヌはコゼットの恋人マリウスを片思いした女性だ。チョン監督は「内心を抑え込むような切実さが見える。キム・ヨナのレ・ミゼラブルは10点満点で10点」と評価した。

現在、大邱で公演中のミュージカル「レ・ミゼラブル」でコゼット役を演じるイ・ジスさん(20)は「これまでキム・ヨナ選手の演技をすべて見てきた。キム選手のコゼットは非常に繊細で美しく、私も大きなインスピレーションを受けた」と語った。

文学界の称賛も続いた。イ・ソンホ漢陽大英文学名誉教授はあるコラムで、キム・ヨナの作品理解力を高く評価した。イ教授は「苦悩と絶望がレ・ミゼラブルの一つの軸をであるなら、希望と期待など肯定的な感情が作品のもう一つの軸をなしている。キム・ヨナは2つの相反するテーマを調和させる表現をした」と説明した。

キム・ヨナはこの夏、「レ・ミゼラブル」のミュージカル映像を見て作品に没頭したという。キム・ヨナの所属事務所オールザットスポーツの関係者は「振付師デービッド・ウィルソンがキム・ヨナに『レ・ミゼラブルは繊細だが、その一方でパワフルな作品』と紹介した。キム・ヨナはこれを消化するために感情の演技に多くの力を注いだ」と伝えた。
(フィギュアスケートニュースより)

 NRW杯(ドイツ)でキムヨナの行ったFS演技に韓国の文化・芸術の仕事に携わる人たちから賞賛の声が相次いでいる。

 当然ながら技術的視点というより、感情表現の面での評価なのだが、手放しの誉めようなので、「そんなにすごかったのかな?」と思ってユーチューブに出向いた。
 ISUの管理下にあるサイトが国際的な試合に出場した選手の演技映像を試合ごとにまとめて置いてくれているが、そこではSPの演技しか置いてなかった。
 今日、それがわかりやすいコーナーに出てきたのでさっそく視聴した。
 2、3回しかその演技は見ていなかったので新鮮な気分で演技内容を検証できた。
 感情表現を主にして見てみると、彼女の演技は確かに映えていると感じられる。
 技術面でいうなら、3連続ジャンプのあたりからキムヨナの演技は足腰のバネがまるで利かなくなってくるが(ライブ同様の状態で見ていた時、この辺りから演技のスピードや切れは落ちた)、ストーリー的流れを気にしながら彼女の演技を追っていくと確かに表現面での一貫性は感じられる。別の世界が続いてその辺の技術的落差はそれほど気にならない。
 細かな感情の揺れや陰影がしっかり刻まれながらラストに向かってつながっていってるのを感じるのである。
 試合としての流れの中でこういう表現力を身につけた彼女を何と呼べばいいのだろうか。邪と言えない価値が潜んでいるのは確かだ。
 技術面を取り除いた評価がこうして成立するのは、スコアはこっちが出したわけじゃないので横において、キムヨナがフィギュアスケート界に現れた異才であるのは明らかである。ジャンプの出来が悪かったらさしたる印象も残さない選手が多い中、キムヨナのような選手はフィギュアスケートの今後の道筋を照らす存在として貴重であろう。
 カタリナ・ビットを始祖とするなら、二番手のこれといった継承者はいないまま、長い雌伏期間の後、三番手で登場したフィギュアスケーターがキムヨナということになるだろうか・・・。
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