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2020年 ”銀河戦”決勝から

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2020年 ”銀河戦”決勝から


 藤井聡太二冠 vs 糸谷哲郎八段


 将棋の”銀河戦”は”NHK杯戦”みたいに持ち時間の短い将棋だ。
 持ち時間の短い将棋は普通の将棋ファンにとって親しみやすさがある。普通の将棋ファンは別の仕事を持ち、長い持ち時間で将棋を指す機会はほとんどないからだ。自分もたまに昼休みなど、一局20~30分くらいで将棋を楽しんでいる。
 ”銀河戦”も”NHK杯戦”もトーナメント方式を取っている。”NHK杯戦”はNHKのテレビで毎週見れるので一般の将棋ファンには比較的お馴染みだ。
 ”銀河戦”はテレビ東京でやってたこともあるが、視聴率を稼げなかったせいかいつの間にか地上波から姿を消してしまった。
 ケーブルTVの”囲碁・将棋チャンネル”が登場して見たいファンは見れるようになって一般将棋ファンの間でも知られるようになってきた(今はabemaTVで楽しめるようになっている)
 
 トーナメント戦(タイトル保持者・前年度決勝トーナメント進出者・順位戦上位者・前年度ブロック戦成績優秀者は予選免除)なので、一度負ければ敗退してしまう。よって勝ち上がって優勝するのは容易じゃない。
 ★調べたら優勝回数の多いのは羽生九段の7回だった。
 今回、予選、決勝ラウンドを通じて決勝に勝ち上がって来たのは藤井二冠と糸谷八段だった。
 藤井二冠の先手で対局は始まった。横歩取り模様の将棋となった。
糸谷八段は趣向を変えてあわよくば飛車を捕獲する作戦に出てきた。
藤井二冠は角2枚、糸谷八段は飛車2枚の保有で、双方の読みどおりに戦いは進んだ。
 しかし、流れ的には藤井二冠の思惑が優ったようだ。歩頭に打ち据えた藤井二冠の角は攻防に利きだしたが、糸谷八段の飛車は藤井陣への侵入がならず、持ち駒の飛車も生飛車で使うしかない展開となり、目標の駒にされてしまった。
 するうち飛車を奪われ、上部からは角に睨まれ、下部からは竜の活躍を許し、守りに忙殺され、肝心の守りごまをはがされ、敵陣に侵入するチャンスも得られないまま投了に追い込まれてしまった。
 この一局は藤井二冠の攻めが冴えに冴えた。糸谷八段は藤井二冠の鉄壁の守りと広い視野の攻めに翻弄されてしまった。
 準決勝でも後手持ちの藤井二冠は木村九段相手に硬軟自在の攻めで木村陣を翻弄してしまった。
 持ち時間の短い将棋は比較的苦手とされている藤井二冠だが、今回の”銀河戦”では手堅い読みに瞬発力が加わったように感じた。
 ”銀河戦”決勝を見終えて来年も決勝に上がって来るんじゃないかと思った。
 なお、10代で”銀河戦”を制したのは藤井二冠が最初だそうである。今までは渡辺明名人の21歳だとか…。
 その21歳まで藤井二冠が”銀河戦”を連破するのも夢ではなさそうである。

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