雨の記号(rain symbol)

私小説型スター女優のソルリ(2017年3月)








私小説型スター女優のソルリ(2017年3月)
Autobiographical star actress Sulli (March 2017)









 ソルリ(さん)が亡くなった日は2019年の10月14日だ。

  だからここから2年半後に彼女は帰らぬ人になる。
 享年25歳(韓国での年齢)―あまりに若い死だった。
 
 KARA(ガールズグループ)で活躍したハラがソルリを追うように自死したのは、翌月の11月24日だった。

 ソルリの自死から40日後のことである。

 ソルリが自死を遂げた時、ハラは日本で活動中だった。

 帰国して墓前の前に立ったハラの第一声は「来るのが遅れてごめんね」だった。

 その時の胸中を的確に表現したもののようだ。

 ハラはソルリが姉のように慕い、心を許していた友だった。

 親や家族から生活費や小遣いを頼られる家庭的事情。

 境遇の似ていることが2人の間を親密なものにしていったのだろう。

 ただ、2人の関係が親密度を増したのは、ハラがKARAでの目まぐるしい活動を終えて休養に入っていた頃と思われる。

 ガールズグループf(x))の人気メンバー、ソルリの 脱退が公になったのは2015年の8月(7日)だった。

 奔放な行動が多くのアンチを生み、アンチの嫌味や侮蔑が軋轢やストレスとなって、f(x))での活動のモチベーションをソルリから奪っていったと見られる。

 SMを去ることなくソロ活動のできる身となりはしたが、奔放な気性のソルリにすぐさま仕事が飛び込んでくるほど芸能界は甘くないだろう。

 f(x))で一番の人気メンバーだったし、美人だし、演技もそう下手ではないから、ドラマ畑ではすぐにもオファーを出したいところだったに違いない。

 実際、その話はいくつも降って沸いていたようだった。

 しかし、それらがいつしか消えていたところを見ると、当人が嫌がったか、話の詰めの段階で折り合いがつかなかったのがけっこうあったかもしれない。

 つまるところ、ソルリのわがままが問題だったところに落ち着きそうである。

 ドラマはスタッフのチームワークによって、出来不出来、現場の良好状態を保っていける。

 ソルリの役どころは当然主役サイドとなるから、突然、いなくなるかもしれないソルリは現場にとって、いつ爆発するかわからぬ時限爆弾となりかねない。

 SMが必死に仕事をあてがおうとしても、それはなかなか実らなかったと見られる。

 結局、自虐ネタのようなところでしか仕事を得られなかったのは、彼女のたどる運命の道筋を生前から照らし出していたとも言えるかもしれない。

 そんな中、ハラの多忙を極めるKARAでの活動も最終章にかかっていたのである。


 何というか…ほんと、この娘からはすっかり目が離せなくなってきた。

 次は現実の彼女にどんなドラマが待ち受けているのか、と気になりっぱなしなのである。

 今回もまた災禍に巻き込まれたものの、写真を見る限り、当人は至ってけろりとしている。

 ともあれよかった、よかった。
 
 しかし、いろいろとストレスや騒ぎは発生し続けるが、その苦労料(ギャラ)はどこから得られるのであろうか…。何もないんじゃスター女優として報われない気もする…もっとも、いつも明るい姿から不満は微塵も感じ取れないわけだが…。

 いささか意味不明の切り出しとなってしまったかな…?

 日常生活がシークレットに包まれ、虚構の世界(映画、ドラマ)で、人々の織り成す人生模様におけるヒロインを演じてスターは輝く…。

 ひと昔、いや、ふた昔、いやいや、み昔以前まで、往年のスター(俳優・女優)たちは、虚構世界と実生活を切り離したところで威厳を保っていた。
 ファンの入ってこれない安息を保っていた。

 しかし、茶の間にテレビが入ってきてから、時代の移ろいでそれらは少しずつそぎ落とされていってた印象は拭えない。

 テレビを置いた茶の間はスイッチひとつで華やかな虚構世界を覗かせてくれる場所となってくれたから。
 
 20世紀の終わり頃まではテレビに出てこないスターが、存在感を大きくしていたが、21世紀に入るとそんなスターはいつしかいなくなってしまった。

 ある意味、テレビスターたちにその座を奪われたとも言える。

 テレビで人気を得ていった俳優(女優)やタレントがスターっぽくなり、映画館に客を呼んで威厳を保っていたスターたちは年老いながら静かに姿を消していった。

 テレビは映画俳優(女優)をテレビタレントにし、いろんな業界で働く人たちを集めてきて職業タレントを作り出した。

 テレビタレントも弁護士も医者もスポーツマンも並んで座り、一緒に番組のクイズを解くようになった。
 
 茶の間のテレビは今、いろんな職種で成功した人たちを寄せ集めてやるバラエティ番組などが主となっている。

 何かに打ち込む、あるいは何かを収集する趣味人たちはそんな番組を好まない。

 茶の間のテレビは暇つぶしの人たちの相手をするだけになり、多様の趣味人は共通項を持つ映像を求めてケーブルテレビやインターネットに流れるようになった。

 そんな中、インターネットの普及とともに成長してきたK-POPは、新世代スターの活躍を映し出す虚構世界の構築に成功したといえる。

 ソルリは遠い世界から舞い降りてきた奇妙なアイドルスターだ。

 彼女はK-POPを牽引した事務所(SMエンター)の送り出したガールズグループ”f(x)”のビジュアルセンターを務めたメンバーである。

 彼女の存在によってこのグループは華やかさと気品を保った。

 その傍ら私小説的な破天荒さを発生させたのも彼女だった。
 
 彼女の言動は常に刺激的で挑発的で周囲の関心を集めた。

 同時に大きな話題と人気を呼び、当然ながら多くのアンチも生んだ。

 結果的にそれが自分の首を絞める格好となり、グループを離れることにもつながった。

 今の彼女を見る限り、自分の取ってきた行動の数々を後悔している様子は見られない。

 常に前向きで楽天的な娘のようである。

 グループを離れた彼女は一応、元の女優業に戻った形となっている。

 しかし、圧倒的な知名度と人気を誇りながら、彼女がどんな仕事をしているのかを自分は知らない。

 長いドラマのヒロインを一本こなしてほしいと願っているが、それがいつ実現するかは分からない。
 
 ただ、実生活を通じて彼女はいろんな話題を撒き散らしている。

 自分からあえてそうして顰蹙を買っているようなものもあれば、今回のように知らない間に何かを起こしている場合もある。

 つまり、彼女はスターなのだ。

 少女時代よりは地味なガールズに属していた彼女だが、彼女の知名度、存在感は少女時代のテヨンやユナにそう劣らない。

 少女時代ユナが映画やドラマを通したスターとするなら、ソルリは実生活を巧みに切り張りして自分を演じているスターだ。

 相応の収益につながっているかどうかは知らない。
 だが、彼女はK-POPの虚構世界が送り出してきた私小説型のスター女優と言ってよいだろう。



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