「発電施設の建設は始まっているんです。事業は後戻りできないんですよ」「あまりに唐突過ぎる。現場の混乱を考えたことがあるのか!」
10月1日午後、九州電力が福岡市中央区の電気ビル共創館で、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に関する説明会を開いた。「受け入れを一時中断する」という九電側の説明に対し、約500人の参加者の表情には、怒りと困惑が入り交じっていた。
FITは太陽光や風力など再生可能エネルギーで起こした電気を、電力会社に高値で買い取らせる制度だ。誰でも発電事業に参入することができる。
ところが、九電は9月24日、この制度に基づく申請の受け入れを一時、中断すると発表した。
九電が開いた説明会に出席したのは、高値買い取りを前提に発電事業参入を目指した事業者だ。九電の受け入れ保留によって、将来の収入が大きく左右される。
九電が保留に踏み切った要因は、申請のラッシュだった。
九電は当初、FITに基づく接続申し込みを、平成32年度末までに出力700万キロワット分と見込んでいた。ところが今年7月末までに1787万キロワットが経済産業省の認定を受けた。全国の25%に相当し、九電管内のピーク時の電力需要1500万~1700万キロワットを超える数値となった。
だが、FITを活用する発電施設は、太陽光に代表される「お天気任せ」の電源がほとんどすべてを占める。発電量が制御できないこうした電気を受け入れると、供給と需要が天気次第で大きく乖離(かいり)する事態になる。電気の特性から、需給バランスが崩れると、周波数が乱高下し、連鎖的な停電(ブラックアウト)を引き起こしかねない。
このため九電に続き、北海道、東北、四国、沖縄の4電力会社も受け入れを保留し
制度がはらむ欠陥
福岡県内のある太陽光事業者は「FITによる再生可能エネルギーの盛り上がりはバブルです。九電側の(受け入れ)打ち切りも想定済みで、夏までに大口の受け付けは済ませました。業界の人間ならば、FITの制度が持つ欠陥は分かっていたはずです」と語る。
再生可能エネルギー特別措置法案は、東京電力福島第1原発事故後の平成23年8月に成立した。
「菅の顔が見たくないというなら、早くこの法案を通せ」
「脱原発依存」を打ち出した当時の首相、菅直人が退陣と引き換えに、詳細な制度設計もできないまま法案成立をごり押しし、24年7月に始まった。
初年度の買い取り価格は太陽光発電が1キロワット時あたり税込み42円(26年度は34・56円)となった。原発の発電コスト8・9円、石炭火力9・5円などと比べると異様に高い。
買い取り価格決定にあたっては、経済産業省の有識者会議「調達価格等算定委員会」で「最低でも税抜き40円」と主張したソフトバンクの孫正義ら、新規参入者の意見が色濃く反映された。
書類を整え、経産省の認定さえ受ければ、いつ発電を始めたかにかかわらず、高値が20年間にわたって保証される。
リスクは、まるでゼロのように見えた。日照量の多い九州では太陽光発電施設の認定ラッシュが始まった。特に太陽光の買い取り価格引き下げ議論が始まった今年1月以降に急増した。認定を受けた時点の価格が反映されることから、「安くなる前に」と駆け込みが相次いだ。
この結果、九電は受け入れ中断に追い込まれた。
「九州電力は再生可能エネルギーの普及に消極的だ」。九電に対し、非難の声が高まった。
「制度の目的は、太陽光の爆発的な普及だ。いまの申請状況は仕方がない。問題は電力網の整備を怠った電力会社側にある」
京都大大学院教授で、調達価格等算定委員会委員長の植田和弘は今月、ネット番組「ビデオニュース・ドットコム」でこう答えた。
「悪いのは電力会社だ」。東電の原発事故後を彷彿(ほうふつ)とさせる九電バッシングが起きた。
送電網整備に24兆円
だが、FITのリスクは、以前から経産省も認識していた。電力会社を叩けばよいというのは、ごまかしだろう。
震災2年前、経産省の有識者会議のメンバーが、FIT先進地の欧州を訪問した。21年4月に公表した調査報告にはこんな記述がある。
「ドイツやスペインをはじめとする欧州諸国では、再生可能エネルギーが大量に導入されており、系統運用面での課題が既に顕在化している」「風力発電の増大などに伴いドイツ周辺では、大規模停電が引き起こされる可能性が増大している」「(欧州も)送電系統の増強が必要であるが、今後の見通しは不透明である」
不安定な電力の供給量急増に伴い、送電網や変電所、蓄電池、そしてバックアップの発電所が欠かせなくなっていたのだ。実際、2022年までの「原発ゼロ」を打ち出したドイツは、その分、少なくとも1千万キロワット分の火力発電所を増設するという。
FIT導入後に日本で浮上した懸念材料は、すでに欧州では表面化していたといえる。
ところが経産省は、FIT受け入れの責任を、すべて電力会社に押しつけ、導入に舵を切った。
経産省の次世代送配電ネットワーク研究会が22年3月に公表した試算によると、再生エネルギー導入で急増する不安定な電力を受け入れるには、全国で最大24兆円の設備投資が必要となる。
原発停止が続き、赤字に陥った九電をはじめ、現在の電力会社に、これだけの設備投資に踏み切る資金の余裕はない。
太陽光バブル崩壊は必然であり、時期が遅いか早いかだけの問題だったのだ。
実際、九電内部では今年7月には、「受け入れを一時、保留せざるを得ない」との結論が出て、経産省側に相談した。だが、経産省側はFITの制度欠陥を認めたくなかったのか、公表を待つよう九電側に働きかけたという。
全国の電力会社でつくる電気事業連合会の関係者は、こう解説する。
「電力会社の監督官庁である経産省には、『発送電分離をはじめ、電力改革を進めなければならない』という勢力がいる。こうした勢力が、原発停止で電力会社の体力が弱っているうちに、さらに力を削ごうとしている。FITも民主党政権と経産省の意向で、電力会社にすべての負担を押しつけるような制度設計になってしまった」
とはいえ、FITはすでに走り出し、2年半が経過した。
経産省は、認定後も長期に渡って発電を始めない事業者の排除や、太陽光などによる発電量の制限枠拡充といった制度見直しに着手した。九電など電力会社側も、発電制限を条件に、来月にも受け入れを再開するよう検討している。(敬称略)
高浜原発の「新規制基準に適合する」と結論付けた審査書案を了承。
しかし、「安全か安全でないかは申しあげない」とはなんと無責任な発言である。
規制委員会の根幹はどうなのか?
厳しく規制基準を設けて「後はどうなっても知りませんよ」と逃げ腰の態度。
数年前の政府の要請を受け、お上の顔色を伺い、徹底した反稼働への足固めをして、
原発稼働待望論が強くなると更迭されるのが困るのか、審査合格をチョロ出しで延命を図る。
こんな組織こそ「仕分け」でバッサリ解散させるべきメンバーである。
国家予算を使うのはもったいない。
お手当もアルバイト並みの給料で充分だ。
高浜原発でも地震と津波対策に1030億円の費用が掛かるとされる新基準を設定するのならば、発令する政府は防護壁のインフラ整備費を援助して電力料金の値上げ防止対策に充てるのが国民の為にもなるということを真剣に考えてほしい。
許認可制の政策を施行するのならばそれが筋道である。
要するに、新しい厳しい基準に会ってるかどうかは判断するが、それで、原発が、安全とは言ってない。
この規制庁は、菅政権のお土産です。
したがって、この原発規制委を廃止しないとだめです。
さらに、この田中は、こんなことも発言しています。
「コストの事など考えない」
よく解釈すれば、安全対策に意図目をつけないともとれますが、
裏を読めば、
「規制を強めて、安全対策に金を使わせて、原発を潰す」
とも、とれます。
前半の発言と合わせれて考えれば、
どうも、原発に金を使わせるつもりだったのは明白ですね。