第2部(3)「民主党の無責任さに腹が立つ」 鋳物メーカー、月電気代40万円アップ
数十の中小製造業者が集結する福岡県須恵町の新(しん)原(ばる)工業団地。その一角にある鋳物メーカー「楠原製作所」の工場では、従業員たちが汗をぬぐいながら黙々と作業を続けた。
1600度に熱せられた「るつぼ型」の電気炉の中に鉄スクラップを放り込むと、どろどろに溶けてオレンジ色の光を放ち出す。それを型に流し込んでゆっくりと冷やした後、グラインダーで丁寧に削り、精緻な波形模様のマンホールに仕上げていく-。
昭和39年創業。従業員22人の小所帯だが、その技術力は高く、主力のマンホール以外にも、安川電機(北九州市)に供給する産業用ロボット部品も生産する。まさに九州のモノ作りを代表する町工場だといえる。
だが、楠原康徳社長(54)の表情はさえない。政府のエネルギー政策の混迷により、原発再稼働の目処が立たず、年間4000億円もの赤字を垂れ流す九州電力は来春から10%の電気料金値上げに踏み切るからだ。
「今でもぎりぎりのコストでやっているんだ。値上げなんてされたらとても持ちこたえられん。でも電気は九電から買うしかない。結局、最後は受け入れるしかないんよね…」
鋳物メーカーにとって欠かせないのは、放電熱で金属を溶かす電気炉だ。当然、大量の電力が必要となる。容量1トンのるつぼ型電気炉2基を所有する楠原製作所の電気料金は、月350~400万円にのぼり、製造コストの10~12%を占める。単純計算では10%の値上げで月40万円の負担増になる。楠原氏は苦渋の表情を浮かべた。
「従業員は何とか守りたい。いや守らなくてはいかん。でも10%値上げされたら1~2人に辞めてもらわないと立ちゆかなくなるかもしれない…」
原発動かさねば…
楠原氏が父の跡を継いで社長に就いたのは12年前。そのころから上下水道工事が年々減少し、マンホールの売り上げは半減した。ロボット部品も平成20年9月のリーマンショック後、注文が激減している。
そんな苦境を何とか乗り越えようと楠原氏は必死の経営努力を続けてきた。新卒採用を抑制し、単純なパーツは韓国に製造委託。10年前から夏場の休みを火・水曜に振り替え、代わりに電気料金を安く契約できる土日に操業してきた。
だが、電気料金が10%に値上げされれば、そんな経営努力は水の泡となる。
しかも値上げの理由が納得できない。東京電力福島第1原発事故は確かに大きな災禍を招いたが、九電の玄海、川内の両原発は立地条件も違えば、原子炉の仕組みも違う。トラブルを起こしたわけでもない。単に政府の無策により再稼働のゴーサインが出ず、高コストの火力発電を続けざるを得ないのだ。再生可能エネルギーを高値で電力会社に買い取らせる制度も結局は一般の電気利用者に負担を押しつけることになる。楠原氏はこう断じる。
「法人税減免などの救済策もないならば俺らの業界はもたない。少なくとも安全な原発は動かさんとどうにもならんって…」
15%値上げで利益消失
実際、4月に平均15%値上げに踏み切った東京電力管内で鋳物メーカーは軒並み苦境に立たされている。日本鋳造協会によると、ほぼすべてが中小零細企業なので収益率は2%と低く、15%の値上げにより経常利益の大半は失われる計算になるという。
「キューポラのある街」で有名な埼玉県川口市では、値上げ前、川口商工会議所を中心に反対運動を展開したが、最後は泣く泣く値上げを受け入れた。同商議所関係者は「価格競争が激しい中で価格転嫁はできない。あちこちの鋳物メーカーが人員削減を始めています」と明かす。
九電の10%値上げは原発3基の稼働を前提にしたものだ。このまま全6基が動かなければさらなる値上げは避けられない。川口市の悲劇は九州に確実に飛び火しつつある。
楠原氏は、生産量の半分を韓国に移すことも検討し始めた。その場合、従業員の半数は仕事がなくなる。楠原氏はやり場のない憤りをぶちまけた。
「正常な競争で製品が売れなくなり解雇せざるを得なくなったり、会社が倒産するならば、それは俺の力不足だ。あきらめもつく。でも民主党政権の無責任でバカなやり方のしわ寄せを受けてそんなことにならないといけないのか? 本当に腹が立つ!」
http://matome.naver.jp/odai/2130128025860814901
14,5年前から、ヘッジ(保険)のために先物相場を利用した、急場しのぎの経営を薦めようと勉強していたのですが、100%利益を得る手法は確立できないでいます。
ピタゴラス教団を思わせるロゴを考え、サイトを立ち上げることも考えていたのですが、遠い世界のようになってしまいました。
官僚の都合だと思いますが、会計処理が大変になるらしいのですが、パッケージとして提案できたら最高かなと。
海中で溺れてる状態の企業には、一息つける機会になればいいかなと、考えてましたね。
まぁ、依存されたら困りますけど^^;
二人くらい辞めてもらわんとやってけない金額だね。
100%利益を得る手法だって?
そりゃあ、無理ってもんでしょ。(笑)