一つぐらいはそっぽを向いているひねくれ者がいるんじゃないかと、探してみたけれど、いなかった。全員同じ方を向いていた。淋しいじゃないか、私の仲間がいないなんて。ひねくれ者は嫌われ者でもあるけれど、時と場合によってはヒーローになる事だってあるんだぜぇ。ひねくれてみるのも偶には悪くないと思うのである。 8月も終盤に入り、ツクツクボウシの鳴き声がクマゼミの鳴き声を完全に凌駕して来た。草むらではコオロギの鳴き声が増えてきている。遅々としてはいるが、なんとか秋には向かっているようだ。