ある日、庭先でアルミ板を金鋸でギコギコと切っていると、近くの草むらの中から、呼応するかのように、カエルの声がゲコゲコと聞こえてきた。
手を休めると、カエルの声も止んだ。
再び、ギコギコと切り始めると、再び、ゲコゲコと鳴き始める。
ギコギコ、ゲコゲコ、ギコギコ、ゲコゲコ・・・・・・・・・・。
ギコギコ、ゲコゲコ、カエルとの共同作業である。時々手を休めては、「よし、続けるぞ」とカエルに話しかけながら、楽しい時間を過ごせたのであった。
金鋸が発てる音とカエルの鳴き声の波長がピッタリ合ったのであろう。犬の中には消防車のサイレンの音に反応する犬がいるが、あれと同じなのだと思う。
なんだか得した気分になったのである。