アルザス地方の複雑さを、改めて認識する。
私がアルザス地方に、興味を抱いたのは、30年以上前に息子に読んだこの絵本がきっかけである。
毎年、夏には、パリから家族で、おかあさんの故郷であるアルザスへ出掛け過ごす日々を
描いた物語である。
おばあちゃんを、ドイツ語でオマOmaと呼び、おばあちゃんはドイツ語でぼく(ピーター)を
ペーターと呼ぶと書かれていた。
この絵本の文と絵を描いたブーパ・モントフィエは、おばあちゃんがが亡くなり、
それでおばんちゃんとの思い出を描いたと絵本だという。
1950年代のアルザスである。
アルザスはライン川の河畔のエリアでドイツとの国境ではあるが、描かれている家屋も
ドイツ風の木組みの家々で、フランスだけど、ドイツの文化圏なのかと、妙に
心に惹かれるというか、気に掛かった。
それから、何度もアルザス地方へも旅をしてみたり、多くの関連書物を読むようになったのだけれど、
知ると知るほど、なかなか、難しいエリアであることが分かった。
一冊の絵本から、私はとても深い世界を識ることになった。
* * *
それにしても、異常な暑さの中、頭がまったく動かない。
脳が泥になったような気がする。