ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◇『オンネリとアンネリのおうち』  マリヤッタ・クレンニエミ 作 マイヤ・カルマ 絵 渡辺翠 訳 福音館&大日本図書

右の福音館本が、そもそも私の本棚にあった児童書です。

実は、フィランド語で書かれたフィンランドの児童文学が、で翻訳されたのは、この『オンネリとアンネリのおうち』あたりからだという。

左の大日本図書本の初版は1972年で、その解説を高橋静男が書いているので、その文章を読みたくて、ネット古書で探し出して、買い求めた。(ちょっと高かったけど😅

私たち日本人に馴染みが深く、大体の人が大好きな『ムーミン』は、著者のトーベ・ヤンソンはフィンランド人であることは、自明なほど、だれしもが知っていることだけど、実はトーベ・ヤンソンの『ムーミン』は、スェーデン語で書かれたものであることは、案外知られていない。

なぜトーベ・ヤンソンは、スェーデン語で書いたのだろう。

フィンランドでは、フィンランド語とスェーデン語を公用語としている。

フィンランドには、フィンランド・スェーディシュといわれるスェーデン語を母語とする人たちが6%近くいる。
トーヤ・ベンソンは、このフィンランド・スェーディシュである。
つまり、トーヤ・ベンソンの母語はスェーデン語というわけである。

フィンランドは中世から長い間スェーデン王国の領地だったこと。
このことも起因のひとつではないかと思われるが、実は、多くの文学作品はスェーデン語で書かれていた。

フィンランド語が、他の北欧のようにゲルマン語系ではなく、ウラル語系である。
私も、ドイツから北上し、デンマーク、ノールウェイ、スェーデンと旅し、フィンランドに着いたとき、耳に聞こえる言葉に「あれ? 言語が違う!!」と思った。

近年、日本でもフィンランド語を学ぶ人が増えて、児童書も翻訳本が増えてきたというが、まだまだ少数派である。






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