ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

からくさんのブログ

 からくさんのブログ(https://blog.goo.ne.jp/tutomu1105)をよく、読ませていただくというか聴かせていただく。
 彼は、いろいろなジャンルの楽曲をUPしているのだけれど、ええぇ〜と思うぐらい、好みの音楽が似ているのだ。


 からくさんがupしたアンジェラ・アキさんの「津軽海峡冬景色」は、チョーウケた。


 そうそう、ウチの息子が幼児期、積み木かなんかで遊んでいるときに、初めて歌らしい歌を歌ったのが百恵ちゃんだった。
 家庭環境というものは、恐ろしいほどの影響力だと、感心したものだった。


 その息子も今年の夏で33歳になる。
 息子曰く、運と人との出会いのお陰で、自分が望む以上の日々を過ごしているという。
 ありがたいことだと思う。


 
 今日のからくさんのブログを、読んで思い出した。

 ウチの息子、なにがなんでも行きたい大学があり浪人をしていた。
 私は、なぜ、息子が受かりもしない大学を受けるのか、北大なら受かるのに、という気持ちが心の中にあった。

 (^_^;) (^_^;) (^_^;)

 「浪人」という単語も、面白い。
 現代のこの時代、「浪人」なんて単語、大学受験以外に使われないにちがいない。
 最近の少子化時代、なにがなんでもこの大学へ行くのだということさえ言わなければ、受験生全員大学生になれるらしい。
 「浪人」という単語も、すでに死語かも知れない。


 基。
 息子の受験の話しである。
 昔とちがって、合格発表は、パソコンで確認できた。
 私はmacの前に座り、時計をじっと見つめていた。


 あれは、午前の何時だったろう。
 その時刻がきて、
 デスクトップに数字が羅列した画面が現れた。


 あった…。
 何度も、確認する。
 間違いない…。
 ある。


 私は泣いた。
 涙がハラハラとこぼれ落ちた。

 しかし、なんと、その時、息子は、なぜかトイレにいた。

 関東に単身赴任の夫から電話が鳴った。
 夫は、「番号、あったよ」と言った。
 私は、受話器を持ったまま、声をあげて泣いた。
 


 トイレから、出てきた息子は、
 私に、静かに言った。

 「おばあちゃん、死んだだね?」

 私は、えっ?と思ったけれど、なんだか、急に可笑しくなって笑ってしまった。

 そう、確かに私の母は、医師から命の期限を告げられたいた。


 「おばあちゃんじゃない!! ほら、受かったよ」と、デスクトップの数字を指さすと、
 「えええっー!、病院からの連絡じゃないの! おかあさんが泣いているから、おばあちゃんが、てっきり死んだんだって思った」と息子が言った。


 息子は、受験の感触から間違いなく不合格だと思っていたという。
 
 私は、落ちたときのことを慮り、息子に、受験のことは触れないように、まして合格発表日については、一切話題にもしなかった。

 


 それで、だれも受かると思っていなかったので、京都行きの航空券やホテルの手配から、息子の住居を探すのもそれはそれは大変な労力だった。
 
 不動産屋さんが言うには、受験の時、子どもが試験を受けている最中に、親がアパートの仮予約をするのだそうだ。
 ああ、そんなこと、知る由もない。

 
 大学近くの不動産屋さんで、途方に暮れた。
 雨が降っていた。
 関西ってこんなに寒いのって思ったとき、電話が鳴って、一件キャンセルがでたという。
 ソッコー、どんなところでもいいや!と、そこに決めた。
 よくよく、強運の息子である。
 
 


 息子が京都へ向かう夕方。
 母は、病室のベットから、息子に笑顔をで手を振って、その翌朝、早朝に亡くなった。

 
 


 


 


 



 

 

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