後藤竜二の歴史小説。
後藤竜二自身は、活劇物と称したが。
奈良時代を舞台とした、蝦夷と大和朝廷の闘いの物語。
中学生の頃、日本史で習った記憶があるはず。
征夷大将軍、坂上田村麻呂が東北の蝦夷を討伏させたというくだり。
征夷って、なんだろうねっ! て思ったものだったが。(北海道人としてはね)
蝦夷とは、なんぞや。
征夷とは、なんぞや。
蝦夷とは、征討されるべく存在だというのか。
蝦夷とは、東北とその以北に存在し独自の文化をもち生活していた先住民のことである。
征夷大将軍、坂上田村麻呂について、教科書では、たった1行か2行程度の記述である。
その坂上田村麻呂の征夷は、平安時代のことなのだが、後藤竜二の物語では、そのずっと前の奈良時代のことを綴る。
『野心あらためず』は、おおよそ100年にわたって、大和朝廷と闘い抜いた、蝦夷の、その物語でなのある。
『野心あらためず』の書名は、
未改野心
浮遊如雲
(「類聚三代格」巻十七より)
不服従の心、改めず、という意味。
そして、それにつづく詩句、浮遊如雲は、全国津々浦々に雲の如く存在しつづけますよ、という意味だ。
まさに、時代を超え、現代にも通じる普遍的なセンテンスである。
改めて再読し、後藤竜二だなぁと、つくづく思う。
2009年には、新日本出版社から出版された。
それにつけても、秘密保護法、集団自衛権に続けて、共謀罪など、馬鹿げた法案を次々通過させる日本政府与党、就中、一連の悪徳スキャンダルについて、安倍と菅には、もろ不快を感じる!
未改野心 !!!
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