黒猫チャペルのつぶやき

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南国紀行①

2007年04月12日 | みのりのつぶやき-旅行
 3月27日、早朝より家を出、長時間汽車の旅をする。今回は日本の南の果て、鹿児島への旅行である。母殿の春休みにあわせ、父殿も1週間の休暇を取っての、たっぷりと南国の自然と温泉を味わう旅行となった。

 東京駅から新幹線のぞみ号に乗り込むや、父殿母殿の駅弁の中から肉や、海老や、卵や、うまそうなところを存分に奪って賞味し、食い足りると、父殿の手を引っ張って車内を端から端まで、ものめずらしく歩いて見て回る。もともと電車は大好きなところを、普段は絵本で見るばかりの新幹線であるから、全く浮かれ放題で、少しも眠くもならない。寝不足気味の父殿、ややうんざりの態ながら、ろくに席に落ち着く間もなく私の徘徊におつきあいいただく。

 5時間で博多駅到着、ここでも新たにお弁当を買い足し、これも絵本でのみよく知るところのリレーつばめ号に乗り継ぐ。ゆったりした高級感のある車内で、私の興奮ぶりは少しも治まらず、お昼を早々にいただくと、例によって父殿をせかすようにして車内を隅々まで見学。窓外に広がる九州の野は、東京に比べ色も鮮やかで、南国にきたことを実感させてくれる。さらに九州新幹線つばめ号に乗り換え、新鹿児島からは特急きりしまに乗り換え、都合10数時間に及ぶ列車での移動の末、ようやく疲れがさして少しばかり眠った。

 霧島神宮駅前で「足湯」なるものを体験し、大いに満足。心地よい熱さに眠気もきれいに吹き飛ぶ。ほどなくバスが来て、山ふところの霧島神宮の地にたどり着いたらもう夕刻であった。宿となるのはバス停ほど近くに霧島神宮前ユースホステル、かけ流しの24時間いつでも入れる温泉が自慢の宿である。いかにも九州男児然とした立派な顔つきのご主人に迎えられ、2階の和室に招じられた。この地で3泊を過ごすことになる。顔をあわせた神奈川から来られているという泊り客の70才のO氏、(幼稚園園長との由)「ここは、温泉もいいですけど、食事もおいしいですよ!」と顔をほころばせて教えてくださる。程も無くO氏及びもうひとかたの相客と囲んだ夕食は、実際ボリュームも味も大いに満足させていただく内容であった。

 食後は父殿に連れられ温泉を堪能。とりわけ露天風呂からは神宮の大鳥居が夜空に黒々と映え、湯はまろやかでこんこんと体を温め、一日の締めくくりとして申し分なし。長旅の疲れも出て、たちまちぐっすりと眠った。

 翌日は朝食を済ませると、かねてより楽しみにしていた霧島登山に出発である。宿で大きなおにぎりと玉子焼き、お漬物のお弁当をこしらえていただく。ちょうどO氏が宿のご主人に車で登山口まで送っていただく手はずを整えられていたので、ご好意に甘え便乗させていただくこととなった。お天気も上々、車はたちまち山道をのぼり、林田高原の韓国岳登山口に到着、既にして周囲は火山噴火による溶岩流の跡をとどめる奇奇怪怪たる景色である。私は父殿におぶわれ、母殿、O氏とともに登山道を登る。少し登っただけで、眼下には火山湖や硫黄の煙の立ち上る火口やらがそこここに散らばる風景が広がり、景観の妙としてはこの上ない山である。小一時間で山頂に到着。父殿、快晴の空の下腕まくりをして大汗かいての登頂。

 シンプルにして味は絶品のお弁当をいただき、引き続き縦走路を進む。前日の雨のため道がぬかるんでいるところが多く、父殿幾度も足を滑らせ、私を下に敷いて転んだりするので、下りでは母殿におぶさることとなった。なだらかな山稜は樹林がないためどこまでも眺望は見事で、これが花の頃になると一段見事だとの由。約3時間の行程で至った新燃岳の眺めは、エメラルドグリーンの湖面の輝きとそこここから立ち上る硫黄の煙がとりわけ印象的であった。

 ゆるやかな下り道を下り、高千穂河原に到着。素晴らしくうまい水をたっぷりと飲み、宿のご主人に車で迎えにきていただき帰館。お風呂で心地よく汗を流す。


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