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【#中央日報】【コラム】ハノイ米朝会談「仲立ち」に不満…金与正氏、青瓦台に「裏切り者」

2020-06-25 19:46:11 | 海外の反応
金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が自ら「言葉爆弾」と表現するほど激しく刺激的だ。A4用紙7枚分の長文には願望・誹謗を越えて呪いのような言葉までが登場する。「虫ずが走る振るまいをし、そのぶざまな姿は一人で見るのが惜しい」と文在寅(ムン・ジェイン)大統領を嘲弄する。脱北者が「兄妹の恨みが込められているようだ」と話すほどだ。17日の金与正第1副部長の談話のことだ。北朝鮮問題に対しては極限の忍耐を見せてきた青瓦台(チョンワデ、韓国大統領)も直ちに反応し、「無礼で非常識な行為」(尹道漢国民疎通首席秘書官)と返した。2年前に平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)特使として訪韓し、兄・金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「平和使節」と見なされた金与正は影も形もない。彼女が表面的な理由として出した対北朝鮮ビラ問題は昨日今日のイシューではないという点で、さらに深い背景と内部事情があると考えるしかない。いったいどこからこじれたのだろうか。

「ハノイへ向かう専用列車内から金正恩委員長はソウルで3回も電話をかけた。「『寧辺(ヨンビョン)さえ出せば間違いないのか』と、米朝首脳会談に臨むワシントンの戦略と雰囲気を文在寅大統領と青瓦台に問いただした」。

当時の事情に詳しいある対北朝鮮専門家はこのように述べ、南北関係がきしみ始めた時点を昨年2月と見なした。2018年6月のシンガポールの最初の米朝首脳会談でトランプ大統領から予想外の勝機をつかんだ金正恩委員長は、ハノイでの2度目の会談に期待を膨らませていた。3度の南北首脳会談で近づいた文大統領が「仲裁者」の役割を自負し、韓米チャンネルで把握された米国側の雰囲気を伝えた。

しかし交渉テーブルの状況は全く違った。トランプ大統領は「寧辺プラスアルファ」を要求し、「金正恩委員長は交渉に臨む準備ができていないようだ」と言ってワシントンに戻った。平壌(ピョンヤン)まで3800キロの距離を列車で60時間以上も走る帰還の道は、金正恩委員長にとってまさに屈辱の時間だった。

◆「兄が2度も恥をかかされた」

2カ月後に平壌最高人民会議に出てきた金委員長は、文大統領に「差し出がましい仲裁者」という非難を浴びせた。6月末の板門店(パンムンジョム)韓米朝会談に出てきた金正恩委員長の表情は何度も変わった。トランプ大統領と会ったことを喜びながらも、文大統領には不満な表情で「信頼できない」というシグナルを送り続けた。時々ぎこちない笑みを見せた。そして文大統領の8・15祝辞に北朝鮮は爆発した。「2032年ソウル・平壌共同五輪」「2045年統一」に言及して平和経済を強調した文大統領に対し、北朝鮮は「ゆでた牛の頭も笑う」と激しく誹謗した。ソウル-平壌ホットラインが遮断され、北側から「南朝鮮当局と向き合って座る考えはない」という言葉が聞こえ始めたのもこの頃だ。

特異なのは、北朝鮮が昨年の対南非難過程で「犯した過ちに対する反省と謝罪」を繰り返し要求した点だ。表面上に表れた明確な摩擦要素がないという点で、内幕を知らない人には「犯した過ち」が何であるのか明らかでない。これに関連し複数の対北朝鮮情報関係者と経済協力事業家は「ハノイノーディールに対する責任が文在寅大統領と参謀にあるというのが北当局の認識」と伝えている。ある関係者は「海外で会った北側関係者は『我々の最高尊厳が文大統領を信頼して大きな恥をかいた』と言っていた」と伝えた。別の関係者は「北京にいる北の統一戦線部関係者から『タク・ヒョンミン(現青瓦台儀典秘書官)に会えば放っておかない』という話を聞いた」と明らかにした。ハノイ交渉の妥結を信じて南側当局とタク氏の助言でイベントまで準備していたが、破綻したということだ。

注目されるのは、金与正第1副部長が文在寅大統領と青瓦台、当局を「裏切り者」と呼ぶ点だ。金与正副部長は「裏切り者とクズどもが犯した罰の代価をまるごと負うべき」(6月13日の談話)とし「クズ」(対北朝鮮ビラを飛ばした脱北者)よりもこれを傍観した「裏切り者」を前に出している。「悪いことをする奴より、知らないふりをしたり煽ったりする奴がもっと憎い」(6月4日の談話)で主張した延長線だ。ハノイでの不満が蓄積したうえ、5月末に対北朝鮮ビラまで発生すると、「兄を2度も侮辱した」という考えで前面に出てきたというのが、対北朝鮮情報筋の分析だ。

6月に入って波状攻勢を見せてきた金与正副部長の対南非難は、兄の金正恩委員長によってひとまずブレーキがかかった姿だ。23日に労働党中央軍事委員会を開いた金正恩委員長が「対南軍事行動計画を保留すべき」と指示したからだ。北朝鮮は挑発に向かいながら緻密に段階的装置を作った。金与正副部長が前に出て軍事行動は総参謀部に任せた。総参謀部は中央軍事委員会の承認を受ける手続きを踏むようにした。金正恩委員長は中央軍事委本会議でなく「予備会議」というものを開いた。いざという時には本会議で保留措置を解除したり立場を変えたりする余地を残したのだ。

当初から開城(ケソン)南北連絡事務所の爆破を脅威と挑発の最高水位に設定した可能性もあり、対南ビラ散布や前方拡声器放送再開の準備過程で難関に直面した可能性もある。対北朝鮮制裁で教科書を作る紙もないという北朝鮮が1200万枚のカラービラを作るのは相当な苦役であるはずだ。

◆教科書用紙ないと言いながらビラ1200万枚印刷

可聴距離わずか3キロほどの古いスピーカーで、23キロ先までよく聞こえる韓国軍の対北朝鮮放送に対抗するのは無理があるという判断もあったとみられる。南風が吹く夏に対南ビラ散布を公言したのも敗着だ。韓国国民の対北朝鮮世論も悪化している。何よりも新型コロナウイルス防疫に北朝鮮もまた緊張している雰囲気だ。金正恩委員長が中央軍事委を史上初めてテレビ会議方式で開いた点は目を引く。

重要なのはこれからだ。金正恩委員長の「軍事行動留保」は遅くなったが幸いだ。しかしうやむやに済ませることはできない。国民の税金170億ウォンが投入された南北交流の象徴の建物を無慈悲に爆破させた金正恩・与正兄妹の盲動主義的路線には厳しい叱責と再発防止措置が必要だ。父の金正日(キム・ジョンイル)総書記が金剛山(クムガンサン)面会所などを没収・凍結したこのとは意味が違う。不満があっても対話テーブルで解くべきであり、卑劣な言葉と建物爆破に向かうのは外交でも対南でもなく野蛮だ。

軍事合意や連絡事務所の破棄を持ち出す金与正副部長の談話に対し、「対話をしようという意味」という楽観的な解釈で国民の怒りを招き、北朝鮮からも「言葉を理解できない」と非難を浴びる政界関係者はもう口を閉じるべきだろう。平壌に向けた片思いは有効期限が過ぎて久しい。北朝鮮は統一戦線事業の「敵対事業」転換を公式化した。また金正恩委員長の報道官でありナンバー2の金与正副部長は文在寅政権に向かって「敵は敵にすぎない」という言葉を投げつけ、南北関係の速記録に残された。

◆北朝鮮も「運転手論は無意味に」主張

いわゆる対北朝鮮専門家も心機一転すべきだろう。文在寅政権がハノイ米朝首脳会談に合わせて「北が寧辺を譲歩するのは思い切った非核化措置」と雰囲気を高めると、一部の学者は「寧辺は北核の80-90%、もしくは全部」として相づちを打った。現在、文在寅政権の長官・安保室長・国家情報院長と主要国大使をはじめとする要職をつかめば2年間ほど権力を享受できるという点で、教授・博士・研究員などのコード合わせ競争が激しいという。自分の利益に関心が向かい、正確な分析や展望・対策はほとんど見られない。

文在寅政権の残りの任期2年は、韓半島の運命を決める決定的な時期になる可能性がある。冷静な対北朝鮮認識とロードマップを持って金正恩体制の非核化と改革・開放のための戦略を立てる必要がある。北朝鮮の望みに合わせたり従ったりする方式の会談と交流は砂上の楼閣ということが今回の事態の教訓だ。2018年9月の訪問当時、文大統領が15万人の平壌市民大衆演説をしたことをめぐり、北朝鮮がなぜ不満を表すのか、玉流館(オクリュクァン)の料理長までが出てきて大統領を非難するのか、国民は知る必要がある。首脳会談の水面下の責任を負う鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長と徐薫(ソ・フン)国家情報院長は南北および米朝首脳会談をめぐる雑音に答えなければいけない。北朝鮮の因縁に対して堂々と問いただす対国民サービスをするのが公僕の道理だ。

最悪な状況は、北朝鮮最高指導者の兄妹が大韓民国の大統領と政府を操れるという考えを抱かせることだ。6回の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の挑発にもかかわらず、2018年新年の融和的な「新年の辞」と平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック特使派遣に幻惑された前轍を踏んではいけない。北朝鮮に唯一の最高尊厳があるのなら、大韓民国には5178万人の国民の尊厳があるという決然とした姿勢が必要だ。北朝鮮との華麗で目まぐるしいファンダンゴ(スペインのダンス)はもう十分だ。

イ・ヨンジョン/統一北朝鮮専門記者/統一文化研究所長


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