李仁栄氏が提示した南北物々交換構想には「制裁違反」
李仁栄(イ・インヨン)韓国統一部(省に相当)長官候補者が提示した「物々交換方式の南北交易構想」について、外交や安全保障の専門家などから「このままだと韓国は対北制裁違反国になりかねない」とする懸念の声が出始めている。
李候補者は21日、自らの対北朝鮮政策の計画について「金剛山と白頭山の水、大同江の酒を、われわれの米、医薬品と交換する小さな交易を始めれば、より大きな交易に発展するだろう」と語っていた。さらに「バルクキャッシュ(大量の現金)支援問題が制裁と関連して常に制約条件だった」「物々交換方式の新たな想像力で(対北制裁を)乗り越えねばならない」との考えも示していた。
これに対して対北朝鮮制裁専門家のジョシュア・スタントン弁護士はツイッターで「韓国が北朝鮮に金銭を支払えば、この金が核やヨット(ぜいたく品)に使われないことを証明できない限り、それは制裁違反になる」と指摘した。スタントン弁護士は「制裁違反になるかもしれない」ではなく、明らかにそうなる点を明確にするため「it *is* violation(違反)」とisの前後に星印をつけた。さらに「金融資産や経済的資源が、特定の人物や団体の利益にならないことを確実にしなければならない」とする対北制裁決議の一部をツイッターで共有した。
スタントン弁護士はさらに「われわれ(米国)は制裁を非核化(交渉)のためのレバレッジ(てこ)と考えているが、韓国は(制裁を)解きたがっており、北朝鮮に支払うことばかり考えている」「われわれは北朝鮮を脅威と考えているが、韓国は日本を脅威と考えている」と指摘した。スタントン弁護士は「ミサイル防衛(システム)が韓国とわが軍を守ってくれることを望むが、文大統領は中国をなだめるためそれを妨害している」と主張した。
スタントン弁護士は別のツイッターでのメッセージで「彼(文大統領)は今や37度線からも引き下がろうとしている」との見方を示した。海外では南北の境界線となっている休戦ライン(軍事境界線)を呼称する際、6・25戦争前の境界線だった「38度線」という表現が今もよく使われている。スタントン弁護士は文在寅政権の北朝鮮に対する低姿勢を、「38度線後退」よりも深刻な「37度線後退」と皮肉ったのだ。
オーストラリアのローウィ研究所は、韓半島問題専門家の寄稿文を引用し「数々の批判にもかかわらず、文大統領は(北朝鮮非核化交渉において)『スモール・ディール』に焦点を合わせているようだ」「彼がワシントンの考え方や国際社会の制裁とは関係なく、南北プロジェクトを進めないか多くの人たちが懸念している」と指摘した。
李候補者の対北事業については、韓国の外交当局からも懸念の声が出ている。韓国外交部(省に相当)のある当局者は21日、李候補者が南北間の物々交換方式による交易構想に言及したことについて「(安保理の対北朝鮮制裁に)抵触しないよう、しっかりとチェックすべきだ」との考えを示した。
この外交部当局者はこの日午後、ソウル市鍾路区の外交部庁舎で記者団の取材を受けた際、李候補者が物々交換の対象として言及した「白頭山の水」「大同江の酒」について「報道にも出ているが、ぜいたく品は(国連)安保理の(対北)制裁に含まれている」「酒については(ぜいたく品かどうか)わからない」と述べた。
この当局者はさらに「そのような問題を細かくチェックしなければならないので、当局間の疎通も行い、(国連)安保理関連のメカニズム(運営体制と構造)についての疎通もするだろう」と話した。
外交部の一部からも「李候補者の全大協における前歴やこれまでの活動から考えると、彼の今後の対北朝鮮政策は、北朝鮮の核武装化や反人権的行為といった国際社会が懸念する部分よりも、南北交流の方により重点が置かれるかもしれない」と心配する声も出ている。
ノ・ソクチョ記者
李仁栄(イ・インヨン)韓国統一部(省に相当)長官候補者が提示した「物々交換方式の南北交易構想」について、外交や安全保障の専門家などから「このままだと韓国は対北制裁違反国になりかねない」とする懸念の声が出始めている。
李候補者は21日、自らの対北朝鮮政策の計画について「金剛山と白頭山の水、大同江の酒を、われわれの米、医薬品と交換する小さな交易を始めれば、より大きな交易に発展するだろう」と語っていた。さらに「バルクキャッシュ(大量の現金)支援問題が制裁と関連して常に制約条件だった」「物々交換方式の新たな想像力で(対北制裁を)乗り越えねばならない」との考えも示していた。
これに対して対北朝鮮制裁専門家のジョシュア・スタントン弁護士はツイッターで「韓国が北朝鮮に金銭を支払えば、この金が核やヨット(ぜいたく品)に使われないことを証明できない限り、それは制裁違反になる」と指摘した。スタントン弁護士は「制裁違反になるかもしれない」ではなく、明らかにそうなる点を明確にするため「it *is* violation(違反)」とisの前後に星印をつけた。さらに「金融資産や経済的資源が、特定の人物や団体の利益にならないことを確実にしなければならない」とする対北制裁決議の一部をツイッターで共有した。
スタントン弁護士はさらに「われわれ(米国)は制裁を非核化(交渉)のためのレバレッジ(てこ)と考えているが、韓国は(制裁を)解きたがっており、北朝鮮に支払うことばかり考えている」「われわれは北朝鮮を脅威と考えているが、韓国は日本を脅威と考えている」と指摘した。スタントン弁護士は「ミサイル防衛(システム)が韓国とわが軍を守ってくれることを望むが、文大統領は中国をなだめるためそれを妨害している」と主張した。
スタントン弁護士は別のツイッターでのメッセージで「彼(文大統領)は今や37度線からも引き下がろうとしている」との見方を示した。海外では南北の境界線となっている休戦ライン(軍事境界線)を呼称する際、6・25戦争前の境界線だった「38度線」という表現が今もよく使われている。スタントン弁護士は文在寅政権の北朝鮮に対する低姿勢を、「38度線後退」よりも深刻な「37度線後退」と皮肉ったのだ。
オーストラリアのローウィ研究所は、韓半島問題専門家の寄稿文を引用し「数々の批判にもかかわらず、文大統領は(北朝鮮非核化交渉において)『スモール・ディール』に焦点を合わせているようだ」「彼がワシントンの考え方や国際社会の制裁とは関係なく、南北プロジェクトを進めないか多くの人たちが懸念している」と指摘した。
李候補者の対北事業については、韓国の外交当局からも懸念の声が出ている。韓国外交部(省に相当)のある当局者は21日、李候補者が南北間の物々交換方式による交易構想に言及したことについて「(安保理の対北朝鮮制裁に)抵触しないよう、しっかりとチェックすべきだ」との考えを示した。
この外交部当局者はこの日午後、ソウル市鍾路区の外交部庁舎で記者団の取材を受けた際、李候補者が物々交換の対象として言及した「白頭山の水」「大同江の酒」について「報道にも出ているが、ぜいたく品は(国連)安保理の(対北)制裁に含まれている」「酒については(ぜいたく品かどうか)わからない」と述べた。
この当局者はさらに「そのような問題を細かくチェックしなければならないので、当局間の疎通も行い、(国連)安保理関連のメカニズム(運営体制と構造)についての疎通もするだろう」と話した。
外交部の一部からも「李候補者の全大協における前歴やこれまでの活動から考えると、彼の今後の対北朝鮮政策は、北朝鮮の核武装化や反人権的行為といった国際社会が懸念する部分よりも、南北交流の方により重点が置かれるかもしれない」と心配する声も出ている。
ノ・ソクチョ記者
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