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【#コラム】新型コロナに関連して、インフルエンザについて知っておきたい基礎知識

2020-09-16 19:11:00 | コラム
 今年のインフルエンザの定点観測が始まりましたが、昨年対比で劇的に患者が減っている(僅か3人)ニュースが昨日以来流れていますが、このニュースのコメント欄を読んでいると、インフルエンザとそのワクチンの基礎知識の一部について殆どの方が理解していない模様なので解説させていただきます。
 一応自分、某大病院で9年間インフルエンザワクチンの契約・購入並びにそれに伴うトラブル対応やっておりましたので、ある程度の知識は心得ておりますので。
 まずは大半の方が知っている基本的なことから、徐々にディープなことについて簡潔に解説。

①インフルエンザは季節性のある疾患である。
 これについてはどなたでも知っていると思います。
 日本においては主に秋から春にかけて流行することから、日本のマスコミ界隈では秋に向けて「新型コロナとインフルエンザの同時流行の恐れがあり、医療崩壊の心配が~」と報道しているわけですが、この点について何故か医者まで「ある前提」を完全に失念しています。
 そもそも春から秋にかけてインフルエンザは日本国内からはほぼ姿を消しますが、地球上からインフルエンザが消滅しているわけではありません。
 これについても多くの方が知っていると思いますが、この間インフルエンザは何処で流行しているかと云えば季節の逆な南半球です。
 時折日本でも真夏に一部地域で大流行することがありますが、これは夏の観光シーズンに南半球に旅行に行った人が持ち帰ってきたものが地域限定で流行したものです。
 ニュースではこのような大流行だけ目立ちますが実際には南半球の国々から日本にインフルエンザは絶えず流入しているわけで、それが感染しやすい気候となる秋以降になると継続的に日本国内で感染し続け、本格的な日本国内でのインフルエンザ流行となるわけです。
 というサイクルを経ているので、インフルエンザワクチンの中身についてはこのように決定されます。

②日本でその年に生産されるワクチンは、南半球で流行したインフルエンザ株を基本として生産される。
 数年に一度「今年はワクチンを打った人も大量にインフルエンザに罹り、一部は重病化しているている」という報道がありますが、これは日本で主に流行するインフルエンザを読み違えたことにあります。自分が担当していた9年のうち2年ほどはこんな年がありました。
 これ以外にもインフルエンザワクチン豆知識を紹介。上述の通りインフルエンザワクチンの中身は毎年変わるわけですが、ある年に実際あった事例としては、選定したワクチン株が予定通りに増殖せずに生産が途中でストップ。改めて株を選びなおしたので一か月ほど生産が遅れた年があったり、変わった年だとワクチン生産のために必要な卵の供給が滞って生産が遅れた年がありました。
 閑話休題。
 というわけで日本でも来月からインフルエンザワクチンの接種が始まるわけで、例年ならその中身はブラジルだの、オーストラリアだの、南アフリカだの南半球で流行したインフルエンザを基準として生産されている筈・・・なのですが、今年はオーストラリアでは例年のようなインフルエンザの流行がなかったそうなのです。
 理由は明白。オーストラリアでも春先から新型コロナ対応のため原則鎖国していたため、例年なら当然存在する北半球からのインフルエンザの流入が極端に制限されたからに他なりません。
 ということは同じく原則鎖国していたニュージーランドや南アフリカでも恐らくインフルエンザは例年のように流行しなかった筈で、そうすると「・・・あれ? 今年のワクチンの中身は何処の国の流行株使ったの?」という疑問が湧くわけで、昔ならメーカー担当者に直接聞けたわけですが、今は担当部署が違うので聞けないのが残念。・・・多分、大統領がコロナ対策にアレだったブラジルあたりのなのかなあとは想像しますが。

 ここまで読んで頂ければ自分が何を主張したいのか察していただけると思いますので結論。
 いまなお原則として鎖国のようなことをしている以上、例年のようなインフルエンザの大流行が起こる確率は極めて低い。
 しかも国民の殆どがマスクをし、消毒で手洗いを念入りにし、人との接触も極力減らし、ましてや熱のある人が出歩くことなんてもってのほか! という現状で例年のようにインフルエンザが流行する筈がないわけです。
 これほど自明の論理をマスコミはまだしも、医療関係者でさえ殆ど指摘しないのは・・・下手な楽観論を流して後で責任を取らされるのが怖いのでしょうね。
 まあ、今なお医療機関にいる自分としても理解できない心情ではありませんが、せめてインフルエンザが毎年世界で流行するメカニズムくらい国民にちゃんと説明する人がいてもいいとは思うわけで。

 というわけで、改めて結論ですが、マスゴミが喧伝する「新型コロナとインフルエンザの同時流行による医療崩壊」という事態を必要以上に恐れる必要はありません。
 もっとも日本に限らず世界各国同様ですが、その国に在留資格がある人間や特段の理由のあるビジネス客に関しては海外から入国許可を出し始めているので、南半球からインフルエンザが持ち込まれ一定程度は流行する可能性はあるでしょう。
 しかし上述の通り、そもそも南半球でインフルエンザが大流行していないとあれば当然のことながら北半球に持ち込まれるインフルエンザの絶対量が少なくなる筈なので、日本に限らず他国でも例年のようなインフルエンザの大流行になるとは思えません。
 もっとも新型コロナに関して基本ノーガード戦法を取ったブラジルは報道されていないだけでインフルエンザも同時流行していた可能性が高いので・・・ブラジル便だけは十分に検疫すべきかもですが。
 ただ新型インフルエンザ発生時のことを思い出すと、あの年は確かに新型インフルエンザが大流行しました。が、同時期に従来型のインフルエンザに罹患した患者は極端に減ったのです(ついでに云うとインフルでの総死亡者数も減った)。
 この傾向は今に至るも変わっておらず、昨今「インフルエンザに感染した」ということになると少なく見積もっても6~7割方は新型の方です。
 このように「感染症は一つの種類が大流行すると別の感染症が極端に減る傾向がある」というのは以前から云われていることなわけで、勿論コロナとインフルエンザは元々メカニズムが違う病気なので必ずしも一緒にはできませんが、一部の研究者が主張しているような「コロナ+インフルの悪魔合体による凶悪化」なんてものは極度に考えづらいかと。
 ・・・この点に関しては、ブラジルで徹底調査すれば白黒つく筈ですが、ブラジルからのその手の研究報告を一切見たことないんですよねぇ。。。


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