市川斉の働き方を考える

市川斉が次世代の働き方を考えるブログです

リモートワークとテレワークの違い

2020-08-19 09:43:30 | ビジネス
近年耳にすることが多くなったリモートワークとテレワークは、理解が曖昧だったり混同して使用されることがある言葉です。
リモートワークとは文字通り、会社から離れて遠隔地で仕事をする意味ですが、IT企業やフリーランスで働く人に適用される傾向が強いといえます。
実は日本における歴史が短く、定義に曖昧な部分があるので、これから言葉のイメージが形成されていくものと思われます。
しかし、単独ではなく遠隔地からそれぞれプロジェクトに参加する形で、チームで仕事をする場合にリモートワークということが少なくないです。
対するテレワークは、主に大企業や省庁で用いられることが多く、オフィス機能を自宅に分散するイメージが強いです。
出社の回数を減らして社員の負担を減らす、そういう意味合いでテレワークの言葉が使われます。

リモートワークのテレワークとの違いは、同じ企業に勤める社員に限らず、１つのプロジェクトに参加するという意味を感じさせるところにあります。
リモートワークは働く形式が４種あって、ハイブリッドとフルタイム、アウトソースとテンポラリーに分けられます。
ハイブリッドリモートワークは、１週間の内に出社してオフィスで働く日と、それ以外の遠隔地で働く日が混在している形式です。
一方、フルタイムリモートワークは名前のように、勤務時間の全てをオフィス外の遠隔地で働くことを指します。
リモートアウトソースは企業に正規雇用されていない外部契約者が、オフィス以外の場所で１００%の業務をこなす働き方です。
フリーランスが家で仕事をしたり、受注や納品をメール、あるいはWebなどで完結するイメージです。
テンポラリーリモートワークは、一時的に短時間のみ、オフィスの外で仕事をするスタイルです。
家族の事情や急用で出社できない場合に、オンラインでミーティングなどに参加するというものです。
テレワークと共通の４つの目的は、必要最小限に労力を絞ることによる社員の生産性向上、交通費や通勤時間の削減、健康な働き方と仕事の両立やペーパーレス化が挙げられます。
ペーパーレス化は手間と労力を減らせますし、経費も削減できるので一石二鳥です。
リモートワークの３つの目的は、ITを活用してチームワークの強化を図ること、世界規模で優秀な人材を採用したり、年俸制や完全成果主義の採用で結果を求めることです。
ITによるチームワークの強化には、社員がより繋がりやすくなることで共通意識を強く持ったり、無駄を減らし効率化を図り意識改革を促すなどが当てはまります。
Webミーティングを始めとした情報通信ツールの活用により、会議室で行われるような会議の無駄が省けます。
資料を人数分印刷する必要がなく、いつでもすぐにオンラインでミーティングが開けることから、チームワークの強化が促進できるわけです。
世界の優秀な人材を確保することも、リモートワークの目的の１つです。
テレワークだと、育児や介護で出社できずに働けない人を減らす、優秀な人材の離職回避に留まりますが、リモートワークではより積極的に人材確保も含みます。
情報通信ツール、ICTで知られる情報通信技術の活用を進めると、場所や距離を問わずに仕事をすることができます。
つまり、海外在住で一緒に仕事をするのが難しかった人とも、リモートワークでは共に仕事ができるようになります。
それには勿論、優秀な人材も含まれていますから、世界の各地を対象に優れた人材を募ることが実現します。
年俸制の採用は、成果主義とセットで語られることが多く、月給制や時給制が主流の時代には導入のハードルが高いです。
ところが、リモートワークで社員の自主性が重視される時代になれば、社員1人1人の働きとその成果が明確になります。
こういった流れが加速すれば、やがて成果が給与と強く結びつき始めて、成果を出さなければ給与が下がるという時代へと変わるでしょう。
テレワークとの違いは、テレワークが成果を重視しながらも旧来の月給や時給制に留まるのに対し、リモートワークは成果主義の意識がより強いことです。
リモートワークは働き方を大きく変えるチャンスですから、既に採用しているのは成果主義を重視した企業が多いですが、このような企業を中心に導入が進みつつあります。
結局のところ、リモートワークはテレワークの延長線上にあって、後発で誕生している言葉です。
リモートワーク時代に大切なのは、情報通信ツールのスキルやチームワークの強化を意識した主体的な働き方、情報通信技術ICTを使用するコミュニケーションです。
テレワークはオフィスの業務を自宅で代替するイメージでしたが、リモートワークは能動的に、成果が求められる側面が強くなっています。
まさに新しい時代を感じさせる言葉や概念ですし、今後も変化や進化をする発展性に注目が集まるでしょう。
新時代に適応して生き残るには、リモートワークの理解と必要なスキルの習得、そして実践が不可欠となるはずです。