独立して思うこと
【しがらみがなくなったこと】
【心が軽くなったこと】
有機野菜の宅配会社 大地を守る会（現オイシックス・ラ・大地）はとてもよい会社でしたが、振り返ると心に制限がかなり働いていたことに気づかされます。
現会長の藤田さんの存在はとても大きく、私だけでなく社員の心のよりどころだったように思います。藤田さんの存在自体がとても心強く、私が退職を余儀なくされたときには頭を下げてくれたことがとても印象に残っています。
大地は居心地もよく、比較的自由に仕事をさせていただいておりました。
このようにとても素敵な会社でしたが、振り返ってみますと、
【上司や同僚との対ひとの課題】
これはどこの職場でもあると思います。
私の上司は自分が一番偉い！自分が一番正しいと思っている方のように私は感じておりました。
※上司よりも年上で経験も豊富な工務店さんや建築士のみなさんよりも、お客様を紹介している自分が偉いと考えていたのか、工務店さんや建築士の方への言葉遣いや態度がとても横柄でした。
その上司がいることで提携を離れるという工務店さんもいらっしゃいました。
またお客様のことを考えず、自分の個人的な恋愛感情からいきなりお客様宅に訪問してくる同僚の存在もなかなかインパクトがありました。
優柔不断で最後まで方向性を決められずに中途半端な行動しか起こせなかった上司もいま考えれば可哀そうな状況だったように思います。
対ひとの課題はどこの職場でも同じようなことがあると思います。
しかし自分が一番偉いと思っている上司とは、工務店さんや建築士などたくさんの方が協力してくれることにより自然住宅チームという事業が成り立っているのではないでしょうか？と何度も話をしましたがなかなか受け入れてはいただけませんでした。
自分の恋愛感情で動いてしまう同僚には私からはなにも言うことはありませんでしたが、最後の最後に上司を交えて話をしました。公私混同はどうかと思うこと、お客様のことを一番に考えることをお話ししましたが、私の言うことに対しては残念ながら聞く耳を持ってはもらえませんでした。
優柔不断な上司は優しすぎたのかもしれません。丁寧に順をおって話し合いを繰り返しましたが、こちらと話をしているときにはこちらの、あちらの話を聞いてしまうとあちらの考えに左右されてどっちつかずな対応になってしまいました。こういう上司の下にいるとどうしたらよいか？なかなか難しかったです。
また上司として部下をまとめることも上司の役目と思いますが、「部下も大人なのだから言わなくてもわかるだろう」という考えの方でしたので、先の恋愛感情で動いてしまう同僚は自由奔放に動いてしまっていたように思います。
【利益相反】
特に電磁波については伝えることができませんでした。
大地にしましても健康住宅では草分け的な存在の設計事務所にしましても電磁波についてはお伝え出来ないことがありました。
健康住宅の草分け的な存在の設計事務所には長らくつとめさせていただきましたが、お客様のためにはならないのではないかな？と思うことでも設計事務所の所長のいうことを実行しなければならなかったことは、社会人としては当たり前なのかもしれませんが、私にとりましてはとてもつらいことでした。
お家に使われている様々な化学物質について、電磁波について、納まりについて、プランについて、素材について。
ことあるごとに夜中まで話し合いを持ちましたが、最終的にはお金の課題もあり、また一度決めたら自説を曲げないところのある所長でしたので所長の決めた方向に進めることが多くありました。
この所長は業界では結構有名な方で、もちろん私にとりましては恩師であり足を向けては眠ることはできないほど恩義を感じておりますが、いろいろありました。
独立してこれらの制限がなくなったことは「心」にも「身体」にもとても心地よいです。
この３年半はとても心が楽ですしとても楽しく仕事をさせていただいております。
しかし過去に関わったお客様からしましたら利益相反なんて知ったことではありませんね。
私は私なりに制限のある中で、そのときの最善を尽くしてきたつもりですが、いまの状況からしますともっと違う方法があることもあります。特に電磁波の課題がそうです。
しかし電磁波に関しましては、現状でも改善できる内容が多いことが唯一救われるところでしょうか。
これらは過去の話でしたが、
もうひとつ独立して思うこととしましては
【ひとに頼るな、ひとに頼れ！】
ということです。
相反する内容ですが、ひとに期待するな、と言い換えた方が分かりやすいと思います。
独立して結構な数の親和性の高い施設の方へ手紙を書いたり、アポイントをとりお話しさせていただきました。
しかし最初の２年はほとんどうまくは行きませんでした。
その原因は「ひとに期待しすぎていた」ように思います。
しかしひとはひとりでは生きていけません。自分にできないことはたくさんあります。
そのようなことを自分一人ですべて解決しようとするのではなく、ひとに頼ることもとても大切です。
その際にはそのひとに依存することはなく、あくまで自分の課題としてうまくいかないことは自分で対処していくという気持ち、準備がとても大切と思います。
健康住宅を建てたにもかかわらず、化学物質や電磁波にお困りの方のお話も耳にします。私の建築の考え方などに興味のある方は以下のblogも参照ください。
【自然（しぜん）な食べ物】、【自然（しぜん）な暮らし】 - 建築士だからわかる〇〇教えます
お家の中の化学物質や電磁波の影響につきましては疫学的調査が不十分な現状もありますし、影響が確率的でありますことから、必ずこうしなければならないという課題でもないのかもしれません。
ですので私はあくまで気になる方のみへの対応と考えております。
お家に使われている人工的な化学物質や電磁波の影響につきましてはご興味のある方はお気軽にお声掛けください。私の知り得る情報はお伝えさせていただきます。ただしまだまだわからないことが多い分野です。
〇〇が身体に悪い、という視点ではなく、自然な家づくりに興味のある方はぜひお声掛けください。
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ひと・すまい・くらし 一級建築設計事務所 新井 伸宏
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