ダニとカビはシックハウスの原因とも言われていますね。
今日はダニとカビのお話し(笑)。
ダニは地球上の至る所に生息しています。土の中や水中、動物や植物に寄生しているもの、お家の中や食料品にもいろいろなところに生息しています。
ダニは世界中で1万種類以上もの種がいると言われており、日本のお家の中にいるダニはチリダニの仲間のダニが一番多いと言われています。
その他、オオサシダニの仲間やツメダニの仲間などがみられます。
ダニは湿気を好みますので湿度の高い夏場に多く発生しておりましたが、最近の高断熱で高気密のお家で空調などで快適な温度を保つお家が多いので一年を通してダニが生息しやすい環境になっていると言われます。
ダニの好む条件は、、、
【酸素】があり、【相対湿度60%以上】で、【温度は25~30℃程度】、そして【餌】となるフケや垢、剥がれた皮膚、食品くずや植物の繊維、ハウスダストやかびの胞子、虫の死骸などがある場所と言われます。
ダニは雑食性ですがダニを捕食するダニもおりますので、ある種類のダニが増加することによりその他のダニを誘発させることにもつながります。
日本のお家の中にいるダニはチリダニの仲間が一番多いと書きましたが、コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニは人を刺すことはありませんが、糞や死骸がアレルギーの原因物質となると言われています。
もちろんダニに刺されることで感染症になる危険性もありますし、刺さない種類のダニであっても糞や死骸がアレルゲンになるなど好ましくはありませんが、ダニのすべてがひとの健康に影響を及ぼすものではありませんので、ダニの好む湿度や温度を避け、餌となるものを極力なくすように掃除をするなどで対策をしましょう。
ダニを防ぐために薬剤を使用する方もおられると思いますが、ダニを防ぐための薬剤はハエや蚊などよりも強力な濃度の高い薬剤が必要とされておりますので、成分や量、残留具合などを十分に気をつけましょう。
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次にカビのお話しです。
実はカビって学問的に定義された言葉ではないのです。
菌類の中で形や特性が似ているものにつけられた一般名称なのですね。
学問的にはカビは真菌類に属します。
ちなみにきのこや酵母、木材腐朽菌も真菌類に含まれます。
真菌類もさまざまな種類にわかれますがここでは割愛します。
カビの好む条件は、、、
【湿度60%を超えると発生しやすくなり80%を超えると大発生するものが多く】、【温度は20~35℃程度を好み】、【酸素】があり、【栄養源】があることと言われています。
あれ??同じことを見たような気がしますね。
そうなんです。カビもダニも好む条件はほとんど同じなのです。
【酸素】は地球上で生活している我々にはなくてはならないものですので、なくすことはできませんね。
【温度】は日本には四季がありますので、ダニやカビが好む温度帯に必然的になってしまいます。
【栄養源】これはあらゆるものが栄養源になりますのでこちらを減らすことはなかなか難しいですね。
そう、我々が唯一コントロールできるのは【湿度】(水分)なんです。
家を長持ちさせるためにも、カビやダニを予防するにも水分を調整することが大切と私は思います。
ちなみに、お家の中でカビが発生しやすい場所としましては
キッチン:水を使用しますし料理で蒸気も発生します。また栄養源も多いですのでカビの発生は多くなることが想像できますね。
水気をふき取る、窓を開けて換気をする、栄養源をきれいにふき取るようにしましょう。
浴室や洗面・脱衣室:こちらも想像しやすい場所ですね。
水気をふき取る、窓を開けて換気をする、栄養源となる垢なども多くなりますのでこまめに掃除しましょう。
場合によりましては扇風機などで風の流れをつくることも一案です。
トイレ:意外と見落としがちなのですが、便器には常時水が張ってありますので湿度は高くなります。
トイレだけでなく浴室や洗面も言えますが北側に配置されることが多く、室温が低くなりやすいことから結露も発生しやすい環境です。
窓を開けたり、換気扇を回すなどしましょう。
家具の裏側:空気の流れが起こりにくいことに加え、特に北側の外壁側は結露が起こりやすいためカビが発生しやすいくなります。
壁から少し離して扇風機で風を流すことも一案です。
押入・収納:空気の流れが起こりにくいことに加え、布団の湿気、また北側外壁側に設置されている押入や収納は結露によりカビが発生しやすくなります。
靴収納:空気が流れにくいことに加え、濡れたままの靴や傘、汗を含んだ靴などを仕舞ってしまいますと湿度が高くなります。
リフォームが可能であれば、押入れや収納、靴収納などは、吸湿性の高い杉の板で内壁をつくったり、押入れの中段はスノコ状にする。
押入れや収納の扉は上下にスリットを入れて空気が流れる工夫をする。
北側の外壁に面した押入れや収納は結露が起こりにくいように断熱計画をきちんと考える、なども一案でしょう。
カビはお酒やみそ、しょうゆなどをつくるためにとても大切な役目を果たします。
また仁というドラマでも出てきましたが、薬のペニシリンもカビがとても重要です。
しかしカビは口から肺に入り気管支系へ影響を及ぼしたり、皮膚にも影響を及ぼすものもあります。もっと深刻な脳や神経へ影響を及ぼす場合もあります。
ただカビにもいろいろな種類があり、空気の中にも土の中にも至る所にカビの胞子は存在します。
胞子が付着しても、それらを増やさない工夫をすることが大切です。
そのためには繰り返しとなりますが、【酸素】、【温度】、【湿度】、【栄養素】の4つのバランスが重要であり、その中で我々がコントロールできる部分は【湿度】もしくは掃除などで【栄養素】を減らすという点を覚えておきましょう。
ひと・すまい・くらし一級建築士事務所