新宿御苑
全国の恋をしている皆さま、ご覧頂きありがとうございます。
前回の続きです。
私 「隣の部署の課長の話なんだけど。
本社に転勤になる時、職場で送別会を開いてもらって
送別の記念品と一緒に部下の女性から直筆の手紙をもらったの
美人で仕事ができて上司の評判も良くて筆まめな女性の部下で〜」
友人 「それで?」
私 「その手紙を奥さんが見つけて」
友人 「なんて書いてあったの?」
私 「手紙にはね、
『一緒に行った名古屋が懐かしい想い出です』
って書いてあったんだって」
友人 「そんな手紙奥さんに見られたらまずいじゃん
修羅場になっちゃった?」
私 「ところがその奥さん奥床しい方で、
ご主人を追及せずにいたらしい」
友人 「 えっ追及しないの?」
私 「奥さんもよく知っている女性だったから、
どうしても浮気しているとは信じられなくて、
様子を見ていた」
友人 「器が大きいね〜」
私 「それから何週間か経って、
ご主人に、『いい店あるから食べに行こう』 って誘われて‥」
友人 「それで?」
私 「 連れていかれたのが、
名古屋っていう、うどん屋だった」
友人 「うどん屋の名前だったのか!
まぎらわしい‥」
私 「しかも奥さんよく思い出してみたら、
手紙には 『名護屋』 って書いてあったなあと‥」
友人 「〈名古屋〉なら地名だけど、〈名護屋〉なら店名だろーが!
奥さんもっと早く気付けよ!」
私 「ご主人〈名護屋〉がお気に入りでみんなを誘ってよく行ってたんだってさー 」
話は私達の同級生の、ワカコの思い出ばなしになりました。
ワカコは小柄で口数の多くない美少女です。
いつもニコニコみんなの話を聞いています。
私 「ワカコが一人暮らししていたアパートに空き巣が入っちゃって」
友人 「怖いねえ、オートロックじゃなかったの?」
私 「昭和のアパートはそういうの標準装備じゃないから」
友人 「アパート評論家!」
私 「鑑識の指紋採取後の粉だらけの部屋で震えていたら、
当時の彼氏が飛んできて、
一晩中ついててくれたんだって」
友人 「優しい」
私 「その彼当時はフリーターだったんだけど、
俺がワカコを守るって言って、
一念発起して警察官になっちゃった」
友人 「すごい愛」
私 「ワカコって意外にガッツがあって、
私達の中で一番最初に自動車免許を取った」
友人 「そうだったね」
私 「だけどすぐにぶつけて、車大破」
友人 「わかった!
彼氏が警察官だから、揉み消してもらった⁈」
私 「イヤまだ警察学校の学生だったからね
でももしかしたらその後交通課に配属希望出したかもしれない。
俺がワカコを守るって」
友人 「それはあくまで想像ね」
私 「事故ったから親から車の運転を禁止されちゃって、
次にチャレンジしたのがハングライダー」
友人 「なんでそんなものにチャレンジするかなあ
もうその先が読めちゃうよ‥」
私 「ハングライダーの最中に腕を骨折しちゃった
それで彼氏が心配して飛んでこようとしたんだけど無理で」
友人 「仕事で来れなかったとか」
私 「そうなの。船に乗っていたから次の寄港地まで見舞いに来れなくって」
友人 「警察で船に乗る仕事あるんだ?」
私 「イヤ警察とは別人」
友人 「もしかしたらその後?」
私 「 船乗りだけど、 陸上勤務を希望したかもしれない
俺がワカコを守るって
あくまで想像だけど」
私 「ワカコは男友達も多くてねえ」
友 「モテる女はそういうもんよ
ワカコがフリーになればその中の一人が恋人に昇格」
私 「誘われて京都に一緒に旅行に行ったら、
ワカコの男友達が車で一日中案内してくれた」
友人 「地方にも男友達がいるの?
どこで知り合ったの?」
私 「幼稚園の同級生だって。卒業アルバム見せてもらった」
友人 「さすがワカコ。取りこぼしがないわ〜」
私 「ワカコに突然
新宿の花園神社でお神輿かつがないかって誘われて」
友人 「お祭り?」
私 「ついていったら、
男友達の実家が花園神社の氏子みたいで、
お母さんが全部お神輿装束用意してくれていて」
友人 「家族ぐるみで友達づきあい!」
私 「あれってサラシ巻いたりパッチはいたりするから
お母さんに全部脱げって言われて恥ずかしかったなあ
あのお宅で生まれてはじめて
スーパーマリオやってハマった」
友人 「花園神社の祭りの思い出がそれなんだ‥」