草津南のねじりまんぽ・狼川トンネルを見てきました。(2022.05.14)
このねじりまんぽは、次の特徴をもつ特異な存在です。
① このトンネル(鉄道用)は狼川(天井川)の下を潜っている
② 中間部は普通の平行積みで、両端だけがねじれている
③ 狼川とトンネルの交差角がかなり斜めなのに、中間部は普通の煉瓦積み
④ 坑口(坑門、ポータル)の装飾が、数少ない本格的で立派なものである
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狼川の対面(南西側)にも坑口が見えるそうですが、民家の裏庭なので
遠慮しました。
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交差角(斜架角)をGoogle Map をもとに計ったら左約51°でした。
斜架角の方向角度は記載なし(「ねじりまんぽ」の諸元 小野田滋他より)
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左トンネルの上は狼川、正面は東海道本線、現在の姿は高さ的に三重構造
のはずですが、トンネル中央部は埋戻されています。
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見えているトンネルは南側下り(京都行き)、上り線は現在の新線下に埋没
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要石と上の帯石、付け柱(ピラスター)も備えて本格的
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土砂に埋まって、かろうじて残っている坑口のアーチ部
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奥は平行、坑口はねじれています。
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坑口に向かって左側、垂直壁の水平線とアーチ末端との起拱角を確認できます。
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向かって右側、ねじりは少なく平行に近いです。
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車道の擁壁に上がって眺めると、ちょうど電車が通過して行きました。
トンネルの上端と鉄道レールとの間隔は、狼川が流れるスペースはなさそう。
複々線化工事の折、狼川を掘り下げトンネルを埋め戻したのでは……
などと想像しながら現場を後にしました。
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