今年の1月~3月にNHK-BSで放映された時代劇「小吉の女房」、地上波で昨日より。拝見。
幕末の英雄、勝海舟こと勝麟太郎を育てた、型破りな両親の人生を描いている。
先年亡くなった江波杏子の遺作であるからして、大映映画マニアのあたしとしては見逃すわけにはいかない。日本映画黄金期(というても末期だが)、彼女は大映の金看板であり、「女賭博師」シリ-ズの主人公「昇り竜のお銀」は生涯一の当たり役。
今時の人は、一癖ある口うるさいお祖母さん役(今作でも古田新太演じる婿養子をネチネチいびる役どころ)しかご存じない向きも多いだろうが、若い時分は日本を代表するセックスシンボルの一人で、フルヌ-ドも多数披露しているのよ。
「女賭博師」シリ-ズの何作目かは忘れたが、スリで生計を立てていた折、島田正吾演じる壷振り師からスカウトされる場面があってね。「スリなんてやっていちゃダメだ」と壷振りの島田正吾はのたまうのだが、いやいや、壷振りなんてもっとダメなんじゃねえのかとツッコまざるを得なかったのを記憶している。
かの雄姿に想いを馳せつつ、改めて江波杏子の冥福を祈る。
合掌。