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【質を考える】「古びる」と「朽ちる」

 

古くなったものにたいしての言葉に

「古びる」 と 「朽ちる(くちる)」 と

いうのがあります。

 

 

 

ふたつの言葉を比べると、

「古びる」 は 「古美る」 と書く人もいますが

どこか”よい感じ” を持ち

「朽ちる」 には、もう「再生不可能」「終わり」・・・

もっと言えば、「きたなさ」みたいな、”あまりよくない感じ”

を持つかもしれません。

 

ただ、言葉のイメージは、ひとそれぞれの感性や価値によるところがありますから

断定できるものではありません。

 

「朽ちる」にも ”遺跡” のようなイメージもあり

そこには、”美しさ” も存在しています。

 

割り切った言い方をすれば、どちらも

物質が時間の経過により劣化(れっか)した状態(程度)

を表しています。

 

 

 

物が古くなった姿には

『時間』 と 『状態』 という2つの要素があります。

 

”築50年”

”ビンテージ”

”30年もの”

 

など、時間を表す言葉が付くと、人は感情を動かされます。

そして、その「状態」が

「感情」を受け入れられるかどうかで

古くなった「そのもの」に ”好意” や ”共感” や ”愛情”

を持たれ、”価値を感じる”ものと思われます。

 

では、それがどんな状態なら そう思われるか というと

 

時間に対してゆっくりと劣化する

 

のだと思います。

数年というスパンではなくて

少なくても10年を1単位として 20年30年を超えるものです。

 

なぜか・・・・

 

急激に劣化するものは、

そもそも時間に耐えるものじゃないという事だからです。

 

最初の見栄えだけよくするものと言っていいかもしれません。

 

物にたいする『人の感情』=『時間』x『状態』

 

それに当てはめれば、時間に耐えないものには

特に好意も愛情も持たれないという事になります。

 

それを『質』のないものと言えると思います。

逆に

『質』のあるもの  とは

時間に耐えられるもの である必要があります。

 

 

写真は、葉山:森山神社 境内にある 倉庫のような建物です。

トタン張の外壁は、かなり『劣化』していますが

 

なつかしさ とか おだやか とか おもしろさ とか

 

好意的な気持ちが湧いてきます。

 

実際、祭事の時には使われているようで、

『朽ちてる』 というものとは違います。

 

なんというか、芯の強さ みたいのを

私は感じるのです。

 

 


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