本郷山村留学センターの紹介

山口県岩国市の山奥にある、本郷山村留学センターを保護者目線で紹介するブログです。

山村留学にまつわる心配

2020-06-06 17:23:29 | その他
子どもを山村留学させるというと、心配されます。同じ留学の名がついても、海外留学とはまた別の意味合いで受け取られるように思います。

子どもがさみしい思いをするのではないかとか、いじめられたりするのではないかとか、なんでわざわざ田舎に行かせる必要があるのかとか、否定的な見方をされることがあると思います。

また、山村留学に関する論文によると、北海道の事例ですが、地元の側にも心配はあるようです。
「とりわけ、若い20代から40代の地域住民に、山村留学制度に比較的消極的な者が多い。若い年代層は、学齢児童生徒を持つ世代であり、自分の子どもへの影響を中心として、不安を抱えるのも当然である。」
「すなわち、留学生の素行が地元生にどのように影響するかによって、地域住民の意識も変わるのである。」
「最も問題視されているのが、山村留学制度導入時に比して、留学生の質の変化を指摘する人が多いことである。留学生の目的意識の欠如やこの制度の不理解による影響が大きいとしている。」

もしかして、本郷の地元の方達にも、いろんな心配があるのかもしれません。どんな親子がくるのか分からないというのは、受け入れ側にある心配だと思います。
山村留学生を受け入れるより、学校の統廃合をしたほうがいいという意見も、一方では、あると思います。

山村留学は、子どもの教育に関する面もあれば、地域対策に関する面もあり、行政が関与していれば予算に関する面もあると思います。
本郷山村留学センターでも、新聞投書やネット上で男女差別のキャンペーンを行う保護者が現れたとき、わたしは瞬間的に「岩国市は山村留学をやめるのではないか」と心配になりました。
岩国市全体をみれば、現在、人口は13万人を超えており、山村留学をして人を増やす必要のある自治体ではありません。

山村留学をさせる側からすると、行政の関与があるというのは、大きな安心材料であり、経済的な支援も大変ありがたいことです。
そういうことに、すんなり感謝をする人ばかりとは限りません。

親元から離れている分、留学センターの環境が安心、安全であってほしい。
大人達にはいろんな心配があっても、子ども達は楽しく過ごしてほしい。
そう願わずにいられません。


中学生のこと

2020-05-26 21:03:50 | その他
現在、本郷山村留学センターで受け入れている中学生は、小学生のときから継続の男子のみです。
女子が中学も継続したい場合は、本郷中学校区内に受入れ世帯(里親)を見つける必要がありますが、高齢者の多い本郷では、事実上、不可能になっています。

もともと小学生用の施設だった本郷山村留学センターで、中学生の受け入れを始めたのは、2002年度に、中学生になっても本郷に残りたいという男子が現れたことがきっかけだと聞いています。

小学生用の施設だから駄目だと、お役所的に断ることもできたのだろうと思います。それをしなかったのは、本郷の親切さではないでしょうか。

男子中学生を受け入れるようになった後年、中学生になっても本郷に残りたいという女子が現れ、受け入れることになります。

ここで問題になったのは、中学生の男女を仕切りのない小学生用の施設で一緒に預かることの是非です。

また、本郷山村留学センターでは、地元の本郷小中の先生がたが舎監団をつくって、順番に舎監をしてくれています。男性の先生ばかりです。
若い男性教員と女子中学生が、一つ屋根の下って、どうなの?あり?いや、ダメでしょ!ってことになったようです。

そこで、女子中学生は、所長先生の自宅でホームステイということになりました。センターで預かるというのではなく、個人的に自宅で預かるというのは、また違う大変さがあるのではないでしょうか。

ただ、現在にいたるまで、中学になっても本郷に残りたいという女子はそんなに多くはいなかったようです。
今年度も、小学生から継続の男子中学生が数名(片手で足りるほど)、入所していますが、女子中学生の入所希望者はいませんでした。

可能な限り、可能な形での中学生の受け入れは、本郷山村留学センターのプラスアルファの親切だと思います。入所人数が少なすぎても困るということもあるでしょうが、何とかしてあげたいという思いでもあると思います。

もし、娘が中学生になっても本郷に残りたい場合、本郷に移住を考える人と、本郷山村留学センターに女子のための寮を造らせようとする人と、保護者もいろいろです。本郷は人口減少の続く田舎ですが、ここにも世の中の縮図はあるみたいです。


本郷山村留学センターの所長さんって?

2020-05-25 20:00:07 | その他
”田舎”体験と子どもの精神的自立 : 山口県岩国市本郷における山村留学の20年を通して』という論文があります。
本郷山村留学センター所長も作成者の一人です。

もう10年以上前の論文ですが、ここから読み解けるのは、本郷山村留学センターの先生がたは、子ども達に対して、実はかなり意図的に接しているということです。
子ども達の個別の成長を図りながら、全体をまとめていくことを意識的にやっています。

この論文の最後では、以下のように述べられています。

「・・・本郷に来て生活のリズムが整ったにもかかわらず、山村留学を終えて地元に戻ると元の不規則な生活に戻ってしまうという事例がしばしば生じる点である。

本郷で規則的な生活を経験することが子どもに好ましくない影響を与える可能性は少ないであろうが、
本郷と地元との生活の間に、子どもの適応力だけでは対応しきれない極端な差異があるとすれば、
その差異を緩和するようなカウンセリング機能やサポート機能を備えることが、山村留学体験を地元でより効果的に生かしてもらうために必要である。

以上のように、本郷の山村留学は、単に”都市”の子どもに”田舎”体験を提供するだけではなく、
”田舎”に集った子ども達の”自ら成長する力”や”相互関係”を効果的に活用して、サポートすることによって、
”都市”が急速に失いつつある体験・教育機能を、質の高いレベルで提供することを可能にしている。

このような機能を備えている点において、本郷の山村留学は、現代の子供たちが精神的自立を果たすための”根っこ”ともいえる体験ができる場として、
重要な役割を果たしていると評価することができる。」

本郷山村留学センターにいる間は、きちんと生活ができても、自宅に帰ると元の木阿弥ということもあるようです。

子どもが山村留学に行くからといって、親の役割がなくなるわけではありません。親と先生がたとで、協力して、子どもを育てるという観点が必要だと思います。


「本郷山村留学センター」を検索すると

2020-05-25 19:06:40 | その他
本郷に山村留学を考えている方がネットで本郷山村留学センターのことを調べると、以下のサイトに不安を覚えるかもしれません。

【メール、署名のお願い】日本にある男女差別:山村留学女子中学生不可
ほんごう山村留学センターの男女差別をなくそう Girl's education rights

一人の方が、朝日新聞だけでなく、中国新聞にも投書して男女差別を訴えていました。
ネット上でのメール依頼、署名依頼、それにニュース記事作成依頼等々。いつまで続くのか分かりません。理解不能です。

他にも不安を抱くであろう内容が、検索すると出てくるかもしれません。これは、男女差別を主張している人と同一人物による主張です。

一人の人によって、本郷山村留学センターが悪く誤解されることがあれば、本当に残念なことだと思っています。

追記
この件に関しては、このブログ内のこの記事もご参照ください。
メディアを使ったりする人の声のほうが、より多くの人に届きやすいということはあると思います。
ただ、立場が違えば、視点が違います。わたし個人の視点もあります。読んでくださったかたがたも、それぞれの視点でご判断いただけたらと思います。