私の七不思議 ③

人生の中で、どうしても説明できない不思議な体験がいくつかあります。
第一弾、第二弾ときて、久々にその第三弾です。

 

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それは、私が離婚後一人暮らしを始めた家でおこりました。

その部屋に住み始めて２年半くらい経った頃のある日のことです。

朝起きてトイレに入ると、便座のフタにつけたカバーがぐっしょりと濡れていました。

満遍なく、隅の方までびっしょりです。

 

私が真っ先に思ったことは、

「ヤダな～、もう！ 汚しやがった！ 」　でした。

 

当時、今の彼が我が家に来るようになったばかりの頃でした。

彼が酔っ払って、フタをしたまま、しちゃったんだと思ったのです。

私はすぐに、彼に文句を言いました。

「もうっ！トイレ汚したでしょ！カバーびしょびしょじゃん！！  」

 

すると彼は、「俺じゃないよ！ 明け方俺がトイレに言った時は、もう濡れてたんだ！！」 と一生懸命に訴えました。

言えば間違いなく自分のせいにされると思い、黙っていたんだそうです。

散々疑いましたが、絶対に違うと言い張るので、とりあえず休戦。

 

私はもう一度トイレに行き、カバーをはずそうとしました。

その時はまだ彼を疑っていましたから、素手で触りたくありません。

ビニール袋を手にかぶせ、カバーをはずしました。

 

・・・・。　白いカバーを見て、ふと思いました。

 

色が・・・。　全然黄色くない。

 

おそるおそる、臭いをかいでみました。 これはすごい賭けです。

何の臭いもしない。　これは・・・　水だ。

 

カバーは、裏側に回った部分まで、全体がムラなく濡れていました。

そして濡れていたのはフタのカバーだけではなかったのです。

便座カバーも、下に敷いたマットも、同じように全体がムラなくびっしょりでした。

持っただけでボトボト垂れる  ほどではなく、ちょうど垂れる寸前までたっぷり水を含んでいるといった感じです。

それでも、周囲の床などには１滴の水も落ちていませんでした。

カバーとマットだけが、端までたっぷり水を吸っていたのです。

 

ふーむ、これは・・・？　何？　なんだろう？？　

 

悩んでいると彼が来たので、私は状況を説明しました。

私 「 ね、不思議だと思わない？ この水、なんだろう？ 」

彼 「 それより、俺の容疑は晴れたわけ？ 」

私 「 え？　あぁ、晴れた晴れた。 そんなことよりさ、この水・・・。」

彼 「 ・・・。　ヒドイ話もあったもんだ・・・。 」

 

またもや、不思議に思っていつまでも悩むのは私だけ。　

何でこの状況で、不思議に思わないんだろう  

そっちも不思議に思いつつ、私はいろいろ可能性を考えました。

 

便座の真上に通気口がありました。

上の部屋で水もれがあって、ここから垂れてきたのかも・・・。

フタのカバーはそれも有り得る気がしました。でも下のマットは？？

カバーに含み切れなくなって、水が下にも伝っていったのか？

だとしたら、便器や周りの床も少しくらい濡れててもよさそうなもんだが・・・。

それにカバーとマットの濡れ加減は、全く同じだし。

 

便器から水があふれて、それを吸ったのか・・・？

それなら床や便器が濡れているはずだから、これは違うな・・・。

 

いろいろ考えた結果、通気口が一番怪しいと結論を出し、その日からしばらく便座のフタの上に洗面器を置いてみることにしました。

でも洗面器に水がたまる事もなく、カバーが濡れることもありませんでした。

 

そんな出来事を忘れる頃、その部屋を引っ越すまでに、全く同じ出来事がもう一度ありました。

二度目の時は、さすがに彼も不思議がり、

「 心霊現象に水はつきもの  　怖っ  」 という考えも頭をよぎりました。

 

その後あの世の方々にお目にかかることもなく、一昨年の１０月に今の部屋に引越しをしました。

そして昨年の６月頃。

今の部屋でもまた、全く同じことが起こったのです。

 

もしかしてこれは、一般的にはよくある出来事なのか

そう思って聞いてみても、私の周りでは誰もそんな経験はないようです。

この、計３回の出来事のもうひとつの共通点は、その時使っていたカバーとマットが同じものだったと言うことです。

その白いカバーのセットともう１セットを洗い替えにして交互に使っているのですが、３回とも同じ白い方のセットを使っていたときでした。

このカバーが原因なのか・・・？

 

 

これもまた、納得できる答えは今も見つかっていません。

彼は既に忘れてしまっているようです。

この出来事と同じくらい、他人との反応のズレが気になる私でした。