八戸の煎餅の挽歌のつもり

昔の新聞のスクラップブックを取り出して感想を書いたり書かなかったり。

市が胡麻栽培を奨励たことがあったのだが。

2020-08-11 | 日記
新宿中村屋主人のうまい話 
       XY生

<略>奥州八戸に麦煎餅と云ふのがありますが御存じか(――と来た)あの煎餅は胡麻で風味を持たしたものです。胡麻は寒国の産が皮が薄く脂肪が多くて風味がよいが<皮が薄く脂肪が多くて風味がよいが―まで傍点>暖国や又地味の変つた地方のは駄目です。十数年前から支那胡麻の廉いのが来たら其の辺一向御構ひなしの東北の人が是は廉くて結構と云ふので支那胡麻を使っつた、あの枯葉みた様な麦煎餅に濃脂の胡麻が附いて始めて味をなす、その補味の役目をする胡麻が、皮が厚くて脂肪が少いと来ては麦煎餅愈凋落です、食品には補味が肝心です。<略>
( 子安農園内家畜研究会編「家畜」16巻2号50ページ、昭和7年2月、子安農園内家畜研究会)