東京無能社員日記

日々上司からダメ出しを受け同僚からは呆れられながら、悶々とそしてしぶとく生きる無能社員の日記です。

最後の日

2024-09-15 11:27:37 | 日記
金曜日、現在のチームスタッフとして最後の出社をした。私はなんとなく朝から機嫌が悪かった。1週間の疲れが溜まっていたのと、通常業務と並行して異動の引き継ぎや挨拶に忙殺されていたからだ。

朝の進捗ミーティングでは「今使ってるパソコンとスマホはどうすんすか?」「私の後任は決まってんすか?」などなど不機嫌な声で周囲を威圧するかのような物言いをしていた。
ミーティング後も誰とも口を聞くことなく午前のタスクをこなした。
いつもなら「なんだその態度は!」と注意が飛んでくるところだが、何もなかった。

そして午後、クライアントとミーティングがあったのだが、そこでもやってしまった。
私が口頭で説明していたところ、例の上司が「それは違うんじゃない?」と飛ばしてきた。
いつもよりも穏やかな口調だったが、イライラしていた私は「は?どこが違うんだよ!?」と暴言を吐いてしまった。

周りの空気が少し凍った。上司が気づいていないはずはない。
だが、上司は気づかないふり(多分)をして「いやここは…」と続けた。
その後ミーティングは何事もなかったように終わった。

夜になり、引き継ぎ資料もある程度できたので帰ろうとした時だ。
上司から「ちょっと待って」と声をかけられた。
あ、説教かな?と身構えた。

すると足元から紙袋を出して私に渡した。
中身は寄せ書きだった。しかも私の似顔絵入り。

腰が抜けたような感じになった。
そこにはささやかだが私に対する感謝の気持ちや励ましの言葉が載っていた。

ようやく思い出した。私は愛されていた、とまでは言わないが大事にされていたのだ。
異動初日、色んな人から声をかけられて励ましの言葉をもらったこと、わからないことを聞きに行って嫌な顔しないで快く対応してくれたこと、どうしたら良いかわからなくて質問をしても怒らないで教えてくれたこと。
走馬灯のように様々な記憶が頭の中を逡巡した。

私はまだまだ未熟だ。ビジネスマンとしても、そして人としても。
新しい部署で成長出来るだろうか。
悲しみとありがたみと不安が入り混じる複雑すぎる感情を抱きながら、会社を後にした。


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