こんにちは南仙台の父です。
ホンダ・日産・三菱自動車の経営統合は年末の日本経済にも大きな影響を
与えました。
株価でもホンダが下がり、日産・三菱は上がるなどの影響があっただけで
なく、取引先などを含めて悲喜こもごもといった感じでしょう。
そんな中でホンダにはメリットがないといった声も多く、企業風土の違い
もあってうまく進まないとの指摘もあります。
果たしてホンダにとっては今回の連携はメリットが得られるのでしょうか。
写真は鑑定の結果となります。
左側が結果、右側が環境条件となります。
まず結果ですが、節制のカードの逆位置が出ています。
節制のカードの逆位置は浪費や消耗、流出や無神経、バランスを欠くや思
慮不足といった意味があります。
今回の統合の目的の一つは開発力、特にEXやハイブリッドに関する技術の
統合化にあったと言われています。
そういう中でホンダからのハイブリッド技術の日産・三菱への提供は大き
な意味を持つとされています。
ホンダも脱内燃機関を宣言して、EVへの取り組みのためにソニーとの協業
も行っていますが、この点でホンダは出遅れ感もありました。
こうした点から考えるとかなりメリットもあるはずですが、カードの示す
ところはまったくの正反対になります。
残念ながら統合に対する結果はホンダだけでなく、日産・三菱にとっても
暗い見通しだけが見えています。
生産台数の世界第3位は量的な背景からのメリットもありますが、市場が
完全に重複する中でお互いに得意な市場が共に今後も見通しが暗いという
事情もあります。
特に北米に関しては今までよりも更に厳しい形になり、中国市場でも国内
優先の政治判断などもあって、ホンダ・日産はかなり苦戦を強いられるこ
とになります。
そういう意味ではトヨタ連合が地域ごとに強みを分散していて、そうした
中で緩い統合メリットを持った関係性を築いているのと対照的でしょう。
また、日産にはルノーとの関係性もあります。
資金力という点で大方の予想通りにホンダが中心を担う形とはなりました
が、お家騒動続きの日産が足枷となることも間違いありません。
意思決定に時間が更にかかって、本来やるべき事に集中できないといった
弊害も多く出てきます。
最終的にはホンダの体力を奪う形で更に深刻な結果になるといっても差し
支えありません。
次に環境条件ですが、塔のカードの正位置が出ています。
塔のカードの正位置は崩壊や悲劇、惨劇やトラウマ、破壊や破綻といった
意味があります。
このカードが出ている以上は救いようがないというのが実態でしょう。
まず日産・三菱も含めて、市場開発のバランスを改善することが大事にな
りますが、すでに多くのグループがこうした方向に舵を切っており、更に
東南アジアも含めて地場企業の力もどんどん上がっています。
価格面で無理は多少できたとしても、その後にボディーブローとなってじ
わじわ効いていき、体力を削がれることになります。
結論からいえばすでに救い難い状況なのかもしれません。
また、多くのモータージャーナリストが両者の持つ北米市場でのスポーツ
車市場、更にその車種の国内への投入といった視点のずれた意見も多くみ
られるのも特徴的でしょう。
すでにそんな市場だけで勝負はできませんし、もしそうするのであれば今
までの戦略から大きく切り替えて、ブランド重視の戦略を再構築しなけれ
ばならなくなります。
その一方で大衆車に対する不満であったり、そもそも国内には合わない車
種の国内市場への投入などが妄想される状況です。
それはすでにこの両者の関係性が崩壊、破綻をきたしていることを暗示し
ているからに過ぎません。
弱者連合という見方も実際には間違っています。
両者統合のメリットとは何かを見い出し、徹底的な戦略追究に進み、その
中で結果を出すことが求められています。
残念ながらホンダにはあまりメリットというものは感じられず、EVでも
むしろトヨタとの包括的な緩い関係性によるメリットの方が結果を得られ
やすいといった皮肉な状況もあります。
生き残れるのは1社だけでなり、事実上は1ブランドだけが行き乗れるのが
今の環境でしょう。
ホンダがどう日産と三菱を手懐けていけるかが最大のポイントになります。