~遡ること2ヶ月~
11/13
森本さんが以前梨を差し入れで下さり、部員みんなで美味しく頂いたことがあった。森本さん、ありがとうございました。部員は練習後の梨のみずみずしさに感動を覚えた。
毎練習後にこれが食えたら幸せであろう。
我々は種だけになった梨を見てそう思ったのだ。
そうだこの梨の種を育て、いつか大きな梨の木にして、いつでも梨を食べれるようにしよう、と真剣に決めたのであった。
しかし大学の中で何かを埋めて育てると学務が黙っちゃいないそうだ。
ええいそんな事で梨を諦められるか。
まずは小さなカップで育て、部室である程度の大きさの木にする。それから裏庭に移植することで学務に勘づかれることなく梨の木を育てることができる。撤去される前におおきな木にしてしまえば良いのだ。
そうと決まったのなら、善は急げ。移植予定地である裏庭の土を、なんか部室に転がっていたカップに詰めて種を埋めよう。裏庭の土は栄養は豊富である。練習後に裏庭へ行き、土を詰めると、なんか変な幼虫も入っていたが気にする事はない。これも梨の栄養となるのだ。
数粒の梨の種を植え、給水器の水を少しだけあげた。ラップをして部室に置いておこう。楽しみ。
ちなみに少し横にある白いあみあみは、梨を包んでいたプラスチックの梱包材。これはいつか梨ができた時に包むように取っておいている。
11/20
土に混ざっていた幼虫は死んでおり、カビ?が生えていた。カビなのかも分からない。ちょっと美しい。我々柔道部員の為に、未来の後輩たちの為に、梨の木の栄養となってくれ。
11/25
なんと芽が出てきた。本当に生えるんだ(笑)
この芽を、このチャンスを逃す訳にはいかない。
すくすく育って大きな実をつけてほしい。我々は梨パーティーに向けて準備を進める。
11/30
生えていた芽は真っ黒になっていた。水やりもきちんとしていたし、ラップして穴も開けて、できることはしていたはず。部員は激しく落胆した。練習後の梨という我々の大きな夢はここでついえてしまうのか。
12/7
東北戦が終わり、仙台から帰ってきた我々は大きな衝撃を受けることとなる。放置していたカップには、なんと立派な芽が生えていたのだ。
目前の青々とした芽を見て、我々は歓喜した。
1/11
子葉から茎が伸びてきて、本葉が見えてきた。我々の夢は近い。大きな一歩であった。
受験生のみんな、北大柔道部に入ったら、梨が食べ放題だぜ!梨の木の木陰で待ってるぜ!
文責:小島