―ブログとは、自分だけで楽しんでよいものではない。読者のことを考えろ―
誰に言われたわけでもないが、うるせー!って感じ。なんでもいいから書けって言われたら、自分の好きなことしか思いつかないっしょ。第一、聖書にもこう書かれてる。
「僕はあなたの好きなものを否定しないから、あなたも僕の好きなものを否定しないでくれ。」
(臣ちゃんによる福音書:12章13節)
要は、大きなお世話だってこと。僕はプロテスタント系の学校に通ってたから、この辺の知識はバッチリ。さて、聖書のお墨付きもいただいたところで、今日からまた別の趣味の垂れ流しをする。
アマプラ鑑賞記に続く第二の連載候補、題材は落語。僕自身落語鑑賞歴は1年とちょっとしかないので大した紹介はできないと思われるが、聖書に従って優しく見守っていただきたい。
落語と聞くと堅苦しくて、長くて眠くなっちゃうという方が多いように思う。第一、僕もハマる以前はそういった印象しか抱いていなかった。今日は、そんな僕が「落語ってこんなオモロイものだったんか!」と思うきっかけとなった話とそれを演じた落語家をpick upし、落語にハマった僕の経緯を追体験していただけるよう努める。落語トーク仲間が増えると嬉しい。
さて、今日紹介する「くっしゃみ講釈」という話は随所に笑いどころがちりばめられており、落語を遠ざけてしまっている人もとっかかりやすい内容。
あらすじ:講釈師にデートをぶち壊された町人が仕返しに、講釈の最前席で火鉢に胡椒をくべてくしゃみを出させて恥をかかせようとする
これだけ!これだけの内容で本当に面白いの?と思うかもしれない。それを面白くするのが落語家の腕の見せ所。落語とは、ときに演じ手によって大きく印象が変わるという性質をもっている。同じ話を同じ師匠に習っていたとしても、大きく違うのである。ギャグ(落語界では一般にくすぐりという)をたくさん織り交ぜて爆笑を誘う芸風の噺家もいれば、くすぐりは最小限にして言葉選びや間の取り方の美しさで魅了する噺家もいるのだ。そしてこの話で26分間、爆笑をかっさらうことができる落語家が実在した。
2代目桂枝雀。youtubeで「桂枝雀 くっしゃみ講釈」と検索すれば観られる。違法だけど。まだそんなに興味ないって人がいきなり寄席やビデオにお金使う気は起きないはずで、無料で観られるyoutubeの違法アップロード作品は、落語ファンを増やすのに一役買うと思う。寄席にしかない魅力は多いから、ずっと無料で観てますって人もあまりいないと思うし。
桂枝雀は惜しくもすでにこの世を去ったが、くすぐりの多さとその天才的な面白さから、「昭和の爆笑王」の異名をとるほど。松本人志も枝雀が大好きで「枝雀寄席」のDVDも全部買ったそうな。僕が大好きな落語家の一人である。枝雀の魅力は、彼自身のすべてとでもいうべきであろうか。笑いについて必死で追及した人らしい(考えすぎて精神を病むほどに)。登場してきた時点で誰が見ても「あ、おもろいおっちゃん出てきた」と思うであろう佇まいにその生きざまが垣間見える。枝雀の前では悩み事などすべて忘れて笑いに没頭していいんだ、という安心感すらある。加えて、動きや表情で笑いを誘うことも多いため、音声だけじゃなく見る、という落語の正しい楽しみ方のよい教師でもある、といったところか。
とにかくオモロイ落語教えて!と聞かれたらこれ以外ないという組み合わせ。落語といえば、現代語とは異なる古い言葉遣いがたびたび用いられ、それも現代人に距離を置かれる一因となっているとは思うが、枝雀は笑いのためにそこも改良している。聞きやすい。
また長くなってしまった。締めに要点をまとめると、枝雀のくっしゃみ講釈は話自体の面白さと枝雀の圧倒的笑いとの相乗効果で、落語の堅苦しさを敬遠してる人でも間違いなく楽しめるから超おすすめってこと。26分、あっという間に感じることを保証する。
次回があれば、初心者向けから徐々にレベルを上げて、落語の沼にたくさんの人を引きずり込みたい。それにしても、聖書の引用って便利だなー。それではまた。Stay Tuned!
~北大柔道部~
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