個人事業はじめちゃいました!

悩める賃貸オーナーの呟きとちょっとだけ機械設計のブログ!

技術のお話し タイヤ編(18)

2022-03-13 12:04:03 | 暮らし
今回はExcelのデータ分析(フーリエ解析)機能を使いタイヤ編(17)で解析したフーリエ係数、振幅、位相を確認します。

初めてExcelでデータ分析を使用する場合は、予め【ファイル】タブの【オプション】→【アドイン】→【設定】をクリックすると、
【有効なアドイン】画面が表示されますので、【分析ツール】にチェックを入れてOKボタンを押してからご使用下さい。

今回のお話しではExcel-VBAは用いませんが、FFT解析等のプログラム制作に挑戦すると言う方は、
【分析ツール・VBA】にもチェックを入れて下さい。
  (注記:Excelバージョンにより異なる場合が有りますのでマイクロソフトのサポート等でご確認下さい)

今回も新しいExcelシートを用意して説明します。
前回と同様にシートの追加は見出し横の⊕マークをクリックするとSheet3が用意されます。

参考にExcelシートを添付します

  (注記:一部の行はグループ化後、非表示となっています)

A10セルにデータ数を入力します。
A10セルに式 =Sheet1!$A4 と入力し、  (注記 :合成波形データを作成したExcelシートに名称を付けていない場合)
A10セル右下のポイントをクリックしながらA265セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。

B10セルに角度を入力します。
B10セルに式 =Sheet1!$B4と入力し、
B10セル右下のポイントをクリックしながらB265セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。

C10セルに合成波形データを入力します。
C10セルに式 =Sheet1!$BA4と入力し、
C10セル右下のポイントをクリックしながらC265セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。
ここまでは前回と同じ手順で合成波形データを貼り付ける事が出来ました。

ここからはExcelのデータ分析機能(フーリエ解析)を使って解析を行います。
【データ】タブをクリック、リボンの中の【分析】→【データ分析】ボタンをクリックします。
データ分析画面が表示されるので【分析ツール(A)】内の【フーリエ解析】をクリックしてOKボタンを押すとフーリエ解析画面が表示されます。
次に解析データの範囲を指定します。
C10セルをクリックしてC265セルまでマウスを移動すると【入力範囲(I)】に選択したセル範囲が自動入力されます。
次に【出力オプション】の【出力先(O)】をクリックして解析結果を表示させたいセル範囲を決定します。
ここではE10セルをクリックしてOKボタンを押すとE10セル~E265セルに解析結果が表示されます。

解析結果を見ると、
何じゃこりゃ~! と思うでしょ!  (注記:ここは松田優作さんになり切って言って見ましょう! )
何やら数式の様な結果に i と言う文字があ~りませんか? (注記:ここはチャーリー浜さんになり切って言って見ましょう! )
なんでやねん! (注記:孤独のグルメSeason6 第1話 大阪出張編で池乃めだかさんがこれ言っとけば大体OKらしい! )
ほんまかいな! 兄ちゃん!
もうええわ!
お後が宜しい様で! ♬ チャカチャカ~ ドどん ♬

そうなのです。
i が入っている数式と言えば複素数です。
a、bを実数とするとき、a+bi の形の数を複素数と言って、aを実部、bを虚部、iを虚数単位と言い i ² = -1であると定義します。
高校の数学Ⅰ、数学ⅡB、数学Ⅲの何れかで習いましたよね! (注記 : コロコロと履修学年が替わるので判りません)
凡人の私には二乗して答えが -1 になるなんて良く判りませんが、
ここでは複素数を取り入れたフーリエ級数で考えるとcos nxやsin nxを用いた展開式では無く、
複素指数関数eⁱⁿを使った式で展開(高速FFT解析)できるので解析結果を早く導き出せると言う一般的な内容でお茶を濁します。
詳しく知りたい方は、複素数、オイラーの公式、ド・モアブルの定理、複素フーリエ級数を大学基礎教養サイトや受験サイト等で確認して下さいネ!

i、うん?「愛」と書いて「めぐみ」と読む! (注記:ここは田村正和さんになり切って言ってみましょう! ちょっと鼻が詰まった感じでネ!)
歳が知れるわ!!
もうええちゅうに!
ごめんチャイ!

ここまで来たら後はセルに関数式を入力して行きます。
フーリエ係数an(実数部)を求めます。
F10セルに =IMREAL($E10) / 128と入力します。 (注記:関数 IMREALは x+yiの形式で指定された複素数の実数係数を返します)
セル右下のポイントをクリックしてE265セルまでマウスを移動させると自動計算されます。
E10セル~E20セルには高調波1次から10次成分までのフーリエ係数anが計算されました。

フーリエ係数bn(虚数部)を求めます。
F10セルに =-IMAGINARY($E10) / 128と入力します。 (注記:関数 IMAGINARYは x+yiの形式で指定された複素数の虚数係数を返します)
セル右下のポイントをクリックしてF265セルまでマウスを移動させると自動計算されます。
F10セル~F20セルには高調波1次から10次成分フーリエ係数bnが計算されました。

振幅(振幅スペクトル)を求めます。
H10セルに =SQRT(POWER($F10,2) + POWER($G10,2))と入力します。 (注記:関数 SQRTは正の平方根を返し、関数 POWERは数値のべき乗を返します)
セル右下のポイントをクリックしてH265セルまでマウスを移動させると自動計算されます。
H10セル~H20セルには高調波1次から10次成分までの振幅(N)が計算されました。

位相(位相スペクトル)を求めます。
I11セルに =ATAN($G11 / $F11と入力します。 (注記:関数 ATANは数値のアークタンジェント (逆正接) を返します)
セル右下のポイントをクリックしてI265セルまでマウスを移動させると自動計算されます。
I11セル~I20セルには高調波1次から10次成分までの位相(rad)が計算されました。 
単位がラジアン(rad)なので度(deg)に変換します。
J11セルに =DEGREES($I11)と入力します。 (注記:関数 DEGREESはラジアン(rad)を度(deg)に変換します)
セル右下のポイントをクリックしてJ265セルまでマウスを移動させると自動計算されます。

以上でデータ分析機能を使ったフーリエ解析は終わりです。
DFT解析で計算した数値と比較して下さい。
同じ数値になっていると思います。
違う場合は入力した式と数値を確認して下さい。

ここで振幅の数値を見るとデータ数の1~10までと、データ数255~246までの数値が同じになっていると気づくでしょ!
参考にデータ数と振幅のグラフを添付します。


今回は周波数(Hz)で計算していないので判り辛いと思いますが、ちょうどデータ数128の位置を境に対称となっています。
この位置が周波数で言うナイキスト周波数に相当するポイントです。
今回のケースで言うと高調波128次(高調波256次の半分)以下では、離散フーリエの解析結果に信頼性が認められますが、
解析前のデータにそれ以上の高い高調波が含まれたデータの場合、解析結果の信頼性は低下すると考えます。
よって、解析前にフィルター等で高い周波数成分を小さくするか、サンプリング周波数をその高調波より2倍以上高く設定しなければなりません。
詳しく知りたい方は、ナイキスト周波数、サンプリング周波数に付いて大学基礎教養サイトで確認して下さい。

タイヤ編(15)から今回までフーリエ解析に付いての概略お話ししました。
ユニフォーミティ装置で測定される1次、2次、3次成分等の振幅、位相はこの様にして解析されています。
  (注記:実際の測定では高速フーリエ解析が主流です)
尚、位相に関してはタイヤ+ホイールAssyを取付ける回転軸の末端等に取付けられている回転センサーの原点を利用したり、
プログラム上で原点を設定してエアバルブの位置やホイール取付穴等を0基準と定めて測定します。

最後に今回作成した高調波1次~10次までの波形グラフと、それらを合成した波形グラフを参考に添付します。
高調波1次~10次成分波形

高調波1次~10次成分合成波形


最後に私は信号処理の専門家では有りませんので不適内容、誤記等ございましたらお知らせ下さい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

技術のお話し タイヤ編(17)

2022-03-01 16:39:13 | 暮らし
ハイ、今日もやって来ました! 技術のお話し タイヤ編(17)
♬ DFT解析 DFT解析のお話し~ ♬
 今日はチョイむず!

今回はタイヤ編(16)で作成した合成波形データを基にフーリエ係数を再確認して振幅と位相を計算します。
Excelシートは前回使用したものでも良いのですが、データ作成と解析を分けるため新たにシートを用意して説明します。
シートの追加は見出し横の⊕マークをクリックするとSheet2が用意されます。

参考にExcelシートを添付します。

 *Excelシートは一部の行でグループ化後非表示にしています。

初めに、
C1セルに周期と入力と入力、D1セルに数値 0を入力します。
次に、D1セル右下のポイントをクリック+【Ctrl】を押しながらN1セルまでマウスを移動すると、
周期0~10次まで+1づづ増加した数値が入力されます。

C2セルにcos項 an、C3セルにsin項 bn、C4セルに振幅(N)、C4セルに位相(deg)と入力します。
これで周波数毎のcos項 an、sin項 bn、振幅、位相の式と数値が入力できるセルを用意しました。
式の入力は後にして、先にcos項とsin項を計算して行きます。

先ずはcos項から、
データ数、角度、合成波形データをSheet1から呼び出して入力して行きます。
A10セルにデータ数を入力します。
A10セルに式 =Sheet1!$A4 と入力し、  (注記) 合成波形データを作成したExcelシートに名称を付けていない場合
A10セル右下のポイントをクリックしながらA265セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。

B10セルに角度を入力します。
B10セルに式 =Sheet1!$B4と入力し、
B10セル右下のポイントをクリックしながらB265セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。

C10セルに合成波形データを入力します。
C10セルに式 =Sheet1!$BA4と入力し、
C10セル右下のポイントをクリックしながらC265セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。
C266セルに合成波形データの合計を求めます。
C266セルに =SUM($C10:$C265)と入力します。

次にcos項の各周期を角度毎に計算して行きます。
E10セルに式 =$C10*COS(E$1*RADIANS($B10))と入力し、 (注記) * 印は掛け算の*を示します。

E10セルの右下のポイントをクリックしながらN10セルまで移動すると式と数値が入力されます。
E10セルからN10セルまでが選択状態になっているならN10セルの右下のポイントをクリックし、
265行までマウスを移動させると式と数値が入力されます。

次に各周波数毎に合計を求めます。
E266セルに式 =SUM(E10:E265)を入力し、
E266セル右下のポイントをクリックしたままN266セルまでマウスを移動させると式と数値が入力されます。
これでcos項の計算は終わりです。

次はsin項を計算します。
入力方法はcos項と同じ方法です。
A270セルにデータ数を入力します。
A270セルに式 =Sheet1!$A4 と入力し、  (注記) 合成波形データを作成したExcelシートに名称を付けていない場合
A270セル右下のポイントをクリックしながらA525セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。

B270セルに角度を入力します。
B270セルに式 =Sheet1!$B4と入力し、
B270セル右下のポイントをクリックしながらB525セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。

C270セルに合成波形データを入力します。
C270セルに式 =Sheet1!$BA4と入力し、
C270セル右下のポイントをクリックしながらC525セルまでマウスを移動すると自動で式と数値が入力されます。
C526セルに合成波形データの合計を求めます。
C526セルに =SUM($C270:$C525)と入力します。

次にsin項の各周期を角度毎に計算して行きます。
E270セルに式 =$C270*SIN(E$1*RADIANS($B270))と入力し、
E270セルの右下のポイントをクリックしながらN270セルまで移動すると式と数値が入力されます。
E270セルからN270セルまでが選択状態になっているならN270セルの右下のポイントをクリックし、
525行までマウスを移動させると式と数値が入力されます。

次に各周波数毎に合計を求めます。
E526セルに式 =SUM(E270:E525)を入力し、
E526セル右下のポイントをクリックしたままN526セルまでマウスを移動させると式と数値が入力されます。
これでsin項の計算は終わりです。

最後にcos項 an、sin項 bn、振幅、位相を計算します。
E2セルに式 =(2/256) * E$266を入力し、
E2セル右下のポイントをクリックしたままN2セルまで移動するとcos項 anが自動計算されます。
E3セルに式 =(2/256) * E$526を入力し、
E3セル右下のポイントをクリックしたままN3セルまで移動するとsin項 bnが自動計算されます。
E4セルに式 =SQRT(POWER(E$2,2)+POWER(E$3,2))を入力し、
E4セル右下のポイントをクリックしたままN4セルまで移動すると振幅(N)が自動計算されます。
E5セルに式 =ATAN(E$3/E$2)*(180/PI())を入力し、
E5セル右下のポイントをクリックしたままN5セルまで移動すると位相(deg)が自動計算されます。
 (注記) 振幅は√(an² + bn²)、位相はtan⁻¹ ( bn/an) と言う式になります。
    Excelセル内の角度は度→ラジアンに換算して計算しています。

先に合成波形データを作成する時に各周波数で設定したan値、bn値と比較して下さい。
同じ数値になっていると思います。
違う場合は入力した式と数値を確認して下さい。

今回はExcelのデータ分析機能(フーリエ解析)を使いフーリエ係数を確認するため、
測定ポイント数を2の8乗=256個=Nとして計算しました。
フーリエ係数an、bnは2/NをΣcos、Σsinに掛けて計算しています。
詳しくは大学等の研究室サイトに詳しく説明されていますので参考にして下さい。

次回はExcel 分析ツール機能(フーリエ解析)を使い、フーリエ係数、振幅、位相を確認します。

(参考番組)
ピタゴラスイッチはNHKで放送中の番組で、暮らしの中の不思議な構造や面白い考え方、法則などを、
じゃんけん装置をはじめ百科おじさん、ペンギンのピタとゴラ、ネズミのスー、箱のすけなどが色々教えてくれます。
その番組のジングルが例の♬ ピタゴラスイッチ ♬です。
タイヤ編(16)、(1)7ではこのフレーズを参考にさせて頂きました。

無断登用はいけません。
ハイ!

そう言えば、
東京中日新聞だったか,東京中日スポーツだったかの記者がサンケイスポーツのニュースから記事の一部を盗用して、
1ヶ月間の停職処分になった記事を2日前に読んだ気がするな?
一般の社会人はこの様に責任を取るのですよ!
特権階級の方は指摘を受けても「ご指摘頂き感謝します」で終わりなんですね?
作文コンテストで佳作を受賞されているのであれば受賞を返還されるのが良いのでは無いでしょうか?
何か特別のレールを敷いたりしなくても、周りも諂うことなくダメなものはダメと言えば良い!
「Noと言える日本人」になるべきだと思います。
石原慎太郎凄いな!
問題発言も有って余り良いイメージは無いが、発言力と行動力は政治家として人一倍有ったと思います。
以上
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

技術のお話し タイヤ編(16)

2022-02-15 15:25:26 | 暮らし
前回は( いつ投稿したっけ! )、フーリエ級数やフーリエ係数に付いて基礎的な内容を掻い摘んでお話ししました。
今回は離散フーリエ解析(DFT)をExcelを使って体験出来る様にまとめて見ました。
興味が沸いたら挑戦して見てネ!

♬ DFT解析に挑戦! ピタゴラスイッチ ♬    ん? ♬ 100gに挑戦 ♬ だっけ?

ここで取り上げるDFT解析の流れは、Excelのセルに解析に必要な計算式を入力し、
高調波1次(基本波)~10次までの各波形データとその合成波形データを作成します。
次に作成した合成波形データを基に高調波毎のフーリエ係数を再計算して振幅、位相を求めます。
最後にExcelのデータ分析(フーリエ解析)機能を使いフーリエ係数、振幅、位相を確認します。
DFT解析ではデータ数が多いと計算時間が長くなることや、確認にExcelのデータ分析機能を使うことを考慮して、
測定ポイント数を2⁸ = 256点として計算します。
この測定ポイント数は、例えばタイヤ+ホイールAssyの1回転(360度)分と考えてもよいでしょう。

ではExcel計算の説明に移ります。
初めにフーリエ級数の公式を使い高調波1次~10次までの波形データを作ります。
波形データは高調波毎のフーリエ係数an、bnに適当な数値を設定し計算出来るようにします。
今回は周期成分のみを扱うため直流成分である高調波0次は除きます。

DFT解析用のExcelシート(一部)を参考に添付します。

*表の一部は列、行ともにグループ化後非表示処理をしています。

A列に測定ポイントを設定します。
A4セルに0と入力し、セル右下のポイントをクリック+【Ctrl】キーを押しながらA259セルまで
マウスを走らせると自動で1行毎に1づつ増加した数値で入力されます。
A259セルの数値は255となります。

B列は角度(deg)を設定します。
タイヤ+ホイールAssyが1回転した場合、測定ポイント数は256点なので360÷256を計算して
測定ポイント毎に角度を割り付けます。
B4セルに =$A4*(360/256) と入力すると数値は0と入力されます。
B4セルをクリックしセル右下のポイントをクリックしながらA259セルまでマウスを走らせると自動計算されます。
B259セルの数値は358.5938となります。

C列以降は高調波毎の波形データを計算するセル群となります。
参考に添付したExcelシートでは、高調波1次はC~G列、高調波2次はH~L列・・・
高調波10次はAV~AZ列、最後に合成波形データをBA列を使って計算しています。

高調波1次を例に取り説明します。
C2セルにフーリエ係数の記号a₁、D2セルは係数a₁の数値 10と入力、
E2セルにフーリエ係数の記号b₁、F2セルは係数b₁の数値 -4と入力します。
G2セルは合成値と入力します。

C3セルにcosX、E3セルにsinX、G3にf(X)と入力します。

次に高調波1次(基本波)を計算するための式をセルに入力し計算します。
C4セルに =COS(1*RADIANS($B4)) と入力し、   (注記) 式中の記号 * は掛け算を表します。
C4セルをクリックしセル右下のポイントをクリックしながらC259セルまでマウスを走らせるとcosXが自動計算されます。
E4セルに =SIN(1*RADIANS($B4)) と入力し、
E4セルをクリックしセル右下のポイントをクリックしながらE259セルまでマウスを走らせるとsinXが自動計算されます。
G4セルに =$D$2*$C4+$F$2*$E4と入力し、
G4セルをクリックしセル右下のポイントをクリックしながらG259セルまでマウスを走らせるとf(X)=a₁cosX+b₁sinXが自動計算されます。

高調波2次以降は1次を参考にセルに数値や式を入力して計算します。

高調波2次のフーリエ係数anをI2セルに数値 -2、K2セルに数値 9を入力
高調波3次のフーリエ係数anをN2セルに数値 7、P2セルに数値 -4を入力
高調波4次のフーリエ係数anをS2セルに数値 6、U2セルに数値 2を入力
高調波5次のフーリエ係数anをX2セルに数値 -6、Z2セルに数値 4を入力
高調波6次のフーリエ係数anをAC2セルに数値 5、AE2セルに数値 -3を入力
高調波7次のフーリエ係数anをAH2セルに数値 -4、AJ2セルに数値 4を入力
高調波8次のフーリエ係数anをAM2セルに数値 -1、AO2セルに数値 3を入力
高調波9次のフーリエ係数anをAR2セルに数値 -3、AT2セルに数値 -2を入力
高調波10次のフーリエ係数anをAW2セルに数値 -2、AY2セルに数値 1を入力

高調波2次の波形データ式をH4セルに式 =COS(2*RADIANS($B4))、J4セルに式 =SIN(2*RADIANS($B4))、L4セルに式 =I$2*$H4+K$2*$J4を入力
高調波3次の波形データ式をM4セルに式 =COS(3*RADIANS($B4))、O4セルに式 =SIN(3*RADIANS($B4))、Q4セルに式 =$N$2*$M4+$P$2*$O4を入力
高調波4次の波形データ式をR4セルに式 =COS(4*RADIANS($B4))、T4セルに式 =SIN(4*RADIANS($B4))、V4セルに式 =$S$2*$R4+$U$2*$T4を入力
高調波5次の波形データ式をW4セルに式 =COS(5*RADIANS($B4))、Y4セルに式 =SIN(5*RADIANS($B4))、AA4セルに式 =$X$2*$W4+$Z$2*$Y4を入力
高調波6次の波形データ式をAB4セルに式 =COS(6*RADIANS($B4))、AD4セルに式 =SIN(6*RADIANS($B4))、AF4セルに式 =$AC$2*$AB4+$AE$2*$AD4を入力
高調波7次の波形データ式をAG4セルに式 =COS(7*RADIANS($B4))、AI4セルに式 =SIN(7*RADIANS($B4))、AK4セルに式 =$AH$2*$AG4+$AJ$2*$AI4を入力
高調波8次の波形データ式をAL4セルに式 =COS(8*RADIANS($B4))、AN4セルに式 =SIN(8*RADIANS($B4))、AP4セルに式 =$AM$2*$AL4+$AO$2*$AN4を入力
高調波9次の波形データ式をAQ4セルに式 =COS(9*RADIANS($B4))、AS4セルに式 =SIN(9*RADIANS($B4))、AU4セルに式 =$AR$2*$AQ4+$AT$2*$AS4を入力
高調波10次の波形データ式をAV4セルに式 =COS(10*RADIANS($B4))、AX4セルに式 =SIN(10*RADIANS($B4))、AZ4セルに式 =$AW$2*$AV4+$AY$2*$AX4を入力

最後に合成波形データを計算します。
合成波形データの式をBA4セルに式 =SUM($G4,$L4,$Q4,$V4,$AA4,$AF4,$AK4,$AP4,$AU4,$AZ4)を入力

各列の5行から259行までの計算は高調波1次(基本波)で説明した通りです。
各高調波データ、合成波形データをY軸、角度をX軸に取りグラフ化すると波形が良く判ります。
挑戦して見て下さい。
又、セルの書式設定はお任せしますので見やすく設定して下さい。

高調波1~10次までの合成波形データを参考に下記に示します。

BA4セルの数値から、
10.00000
11.52205
13.30729
15.29613
17.41568
19.58287
21.70826
23.70011
25.46871
26.93054
28.01232
28.65451
28.81419
28.46722
27.60948
26.25716
24.44620
22.23068
19.68046
16.87815
13.91537
10.88880
7.89596
5.03098
2.38068
0.02097
-1.98614
-3.59483
-4.77702
-5.52302
-5.84139
-5.75787
-5.31371
-4.56319
-3.57076
-2.40772
-1.14874
0.13163
1.36231
2.47883
3.42591
4.15961
4.64889
4.87637
4.83865
4.54579
4.02028
3.29556
2.41401
1.42469
0.38090
-0.66233
-1.65072
-2.53300
-3.26306
-3.80159
-4.11749
-4.18884
-4.00341
-3.55884
-2.86236
-1.93029
-0.78712
0.53550
2.00000
3.56423
5.18279
6.80841
8.39319
9.88988
11.25294
12.43954
13.41040
14.13052
14.56986
14.70375
14.51339
13.98610
13.11561
11.90216
10.35257
8.48025
6.30497
3.85271
1.15520
-1.75055
-4.82290
-8.01638
-11.28262
-14.57135
-17.83155
-21.01266
-24.06575
-26.94475
-29.60757
-32.01711
-34.14214
-35.95793
-37.44673
-38.59790
-39.40790
-39.87988
-40.02317
-39.85250
-39.38701
-38.64925
-37.66408
-36.45753
-35.05587
-33.48466
-31.76812
-29.92863
-27.98654
-25.96019
-23.86622
-21.72003
-19.53651
-17.33077
-15.11896
-12.91911
-10.75176
-8.64046
-6.61200
-4.69633
-2.92620
-1.33631
0.03771
1.16079
2.00000
2.52646
2.71721
2.55709
2.04045
1.17265
-0.02890
-1.53411
-3.30016
-5.27202
-7.38361
-9.55955
-11.71752
-13.77104
-15.63266
-17.21738
-18.44620
-19.24955
-19.57047
-19.36745
-18.61663
-17.31341
-15.47318
-13.13126
-10.34201
-7.17701
-3.72252
-0.07624
3.65649
7.36682
10.94677
14.29355
17.31371
19.92682
22.06863
23.69350
24.77591
25.31114
25.31498
24.82250
23.88600
22.57217
20.95871
19.13045
17.17532
15.18017
13.22693
11.38897
9.72812
8.29230
7.11394
6.20924
5.57834
5.20622
5.06441
5.11331
5.30508
5.58672
5.90345
6.20190
6.43320
6.55563
6.53674
6.35488
6.00000
5.47377
4.78896
3.96818
3.04211
2.04723
1.02335
0.01092
-0.95152
-1.82973
-2.59584
-3.22990
-3.72091
-4.06721
-4.27626
-4.36383
-4.35257
-4.27025
-4.14754
-4.01568
-3.90415
-3.83835
-3.83763
-3.91375
-4.06975
-4.29950
-4.58779
-4.91113
-5.23908
-5.53607
-5.76366
-5.88310
-5.85786
-5.65632
-5.25403
-4.63576
-3.79700
-2.74482
-1.49814
-0.08717
1.44769
3.05773
4.68833
6.28173
7.78017
9.12907
10.28018
11.19443
11.84440
12.21619
12.31059
12.14347
11.74540
11.16034
10.44372
9.65968
8.87788
8.16989
7.60538
7.24829
7.15330
7.36254
7.90308
8.78491
BA259セルの数値までです。

本来は実際に測定したデータをノイズ処理や窓関数を与えて測定ポイント間が滑らかに繋がる様に処理をしますが、
その様なデータが無いので疑似的に波形データを作成しました。

これを基にExcelシートが完成したならフーリエ係数を変えたりして見て下さい。
次回はこの合成波形データを使ってフーリエ係数の再確認と振幅、位相を計算します。

式など間違っていたら教えてネ!

♬ じゃあ また! ピタゴラスイッチ ♬
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

技術のお話し タイヤ編(15)

2021-09-24 15:17:18 | 暮らし
今回はフーリエ解析に付いて少しお話しします。
判った様な口ぶりで書いていますが、実は余り詳しくありません。
いや、余りじゃ無くて全く解っていません。
でも雑学程度なら・・・・

フーリエ(Fourier)はフランス生まれの数学者、物理学者で男爵の称号をお持ち、
ナポレオンのエジプト遠征に科学顧問として同行するなどしました。
彼は幼少期に事故で父親を亡くし修道院で初等教育を受けた後、
陸軍学校を経て国立教員養成校の一期生となりました。
成績優秀で有った彼は養成校で教鞭を取る傍ら研究にも力を注ぎ、
パリの科学アカデミーが出した「熱伝導に関する法則」に付いての懸賞問題に応募した論文の中に、
フーリエ変換の基本的な概念が述べられています。

・・・・

な~んだ! お決まりのお話しねと思った方、
この程度の雑学を知っておくのも良いかと思いますよ~ だ!
雑学でも「365日分の差は大きい !」
・・・・某経済紙電子版のCMで聞いたような?
詳しくは科学史の書籍や大学の基礎教養研究室がアップするサイトを参考にして下さいネ。

フーリエ解析とユニフォーミティ測定にはどの様な関係があるのでしょうか?
タイヤ編(2)でもユニフォーミティに付いて少し触れていますが、
タイヤ・ホイールAssyは質量アンバランスの他にタイヤが持つ剛性のバラツキが有ります。
その剛性のバラツキを数値で明らかにするのに必要な基礎的解析方法がフーリエ解析なのです。
*振動や音波等の測定では高速フーリエ変換(FFT)が使われます。

フーリエ問題では、フーリエ級数、フーリエ級数展開、フーリエ変換、逆フーリエ変換、フーリエ解析等の単語が出てきます。
色々有りすぎて何だか良く判らないと仰る方、多いと思います。
私もその一人ですが、簡単に説明するとこの様になります。

フーリエ級数とは、様々な関数f (x) は三角関数のcos (x)とsin (x)との和によって近似関数として表す事ができる数式です。
但し、関数f (x)は連続な周期、例えば 0 ≦ x ≦ 2π や -π ≦ x ≦ π 等でなければなりません。

フーリエ級数を式で表すと下記の様になります。


式を簡単に表現するため数学記号Σ(シグマ)を使ってまとめた式が①となります。
 * 数学記号Σ(シグマ)は全ての足し算をひとまとめにした総和を表します。

フーリエ級数の式で、⅟₂aₒ は周期的な波形の直流成分を表します。
ユニフォーミティ測定では、概念的にタイヤ・ホイールAssyに加圧する荷重に相当し、
高速回転の場合は、タイヤ内圧上昇に伴う荷重増加も含まれます。
よって、数分間の高速回転を維持しタイヤ内圧が安定してから測定を開始しするのが一般的です。

⅟₂aₒより後ろの数式は交流成分を表します。
概念的にはタイヤ・ホイールAssyが回転する事で発生する力の変動を表します。
波形は山波形と谷波形が連続し回転数が上昇するに連れて力の変動も大きくなります。

nは整数( 1,2,3・・・∞ ) で、nxは周期0→2πの範囲内での周波数を表します。
例えば n = 1 の場合、a₁ cos x + b₁ sin x の数式は基本波成分(1次成分)を表し、
n = 2 の場合、a₂ cos2 x + b₂ sin2 x の数式は2次高調波成分(2次成分)を、
    n = 3 の場合、a₃ cos3 x + b₃ sin3 x の数式は3次高調波成分(3次成分)を、
      ・
      ・
   n = 10 の場合、a₁₀ cos10 x + b₁₀ sin10 x の数式は10次高調波成分(10次成分)を表します。
      ・
      ・
   n=∞

式の中で、a₀、an、bnと有るのがフーリエ係数と呼ばれるものです。
係数a₀は波形全体の上下位置を、係数anとbnは振幅を決めるものです。

フーリエ係数を式で表すと下記の様になります。


フーリエ係数を求めるには「関数の直交性」や「三角関数の積和の公式」等を基にして求めなければなりません。
参考程度ですが「関数の直交性」に付いての確認計算を下記に示します。


次にフーリエ係数を求めます。
フーリエ係数anは、式①の両辺にcos(mx)を掛けて0→2πで積分して求めます。


フーリエ係数a₀を求めます。
この場合は、式①の両辺を単純に0→2πで積分して求めます。


フーリエ係数bnを求めます。
フーリエ係数bnは、式①の両辺にsin(mx)を掛けて0→2πで積分して求めます。


最後にフーリエ級数とは、様々な関数f (x) は三角関数のcos (x)とsin (x)との和によって近似関数として表す事ができると言うものでした。
式は周波数成分毎にまとめられ無限和で表される事から、逆に言えば周波数成分毎に分けて(展開して)考えて行くこと事が出来ます。
これをフーリエ級数展開と言います。

フーリエ級数展開をして、フーリエ係数から振幅と位相を求める事をフーリエ変換と言い、
逆に、振幅と位相から元の波形を求める事を逆フーリエ変換と言います。

また各周波数成分がどのぐらいの強さで構成されてるかを計算したものを周波数スペクトル又は、スペクトルと言い、
フーリエ変換でその違いを調べる事をフーリエ解析と言います。

最後は叩き込む様に書いてしまいましたが、
詳しくは解析学などの書籍や大学の基礎教養室がアップするサイトを参考にして下さい。

長々とお話ししたフーリエ解析ですが、実際の解析ではコンピューターを使う為、
データ容量を無制限に使う事が出来ないので離散的なデータに対する解析手法が取られています。
その一つが離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)、通称DFT変換です。
もう一つがDFT変換を効率良く計算する手法が高速フーリエ変換(Fast Fourier transform)、通称FFT変換です。

今回はここまでとします。
記載した内容に間違い等ございましたらご教示頂けると幸いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

技術のお話し タイヤ編(14)

2021-06-26 16:38:26 | 暮らし
今回はタイヤに荷重を与えx軸、y軸、z軸に作用する力、
x軸及びy軸回りに作用するモーメントに付いて計算式を考えてみます。

計算条件は下図の様にします。

 (注) 図は説明用のため設計検討はしていません

力センサのコネクタ位置を基準に距離L離れたタイヤ中心に加圧力を加えます。
力センサの測定値は説明図の様に加圧位置がL離れた場合、モーメントが作用し入力値 = 出力値となりません。
よって、計測器側でキャリブレーション(校正・調整)を行い入力値 = 出力値とします。
ここで言うキャリブレーション作業は、ドラムの加圧指令に対してドラムの加圧力が補償されている事を確認し、
距離Lにより力センサの測定値に誤差が生じた分を校正します。
但し、この作業ではタイヤに見立てた剛性の有る治具を使い測定します。

実際の測定ではキャリブレーション作業とは別に、ホイールのオフセット量の違いにより距離Lが変わる為、
タイヤ+ホイールAssyの仕様毎に補正係数を割当て測定を行う場合も有ります。

では其々の力とモーメントの式を考えてみます。

注1) 力センサの測定信号(電荷)には(✛)と(-)が有り各軸の符号を揃えて配置します。
注2) 4個の力センサから出力した各軸の測定信号は、サミング(合算)BOXを通りチャージアンプへ入力します。
   カタログでは式 F(x₁+x₂) は、サミングBOX内で力センサ①と②のⅩ軸方向の測定信号を合算した事を意味しますが、
   式を表す便宜上の説明でそれぞれ個別に合算しても結果は同じです。

力の式は下記の通りです。
 x軸 Fx = F(x₁+x₂) + F(x₃+x₄)     ・・・①
 y軸 Fy = F(y₁+y₄) + F(y₂+y₃)     ・・・②
 z軸 Fz = Fz₁ + Fz₂ + Fz₃ + Fz₄  ・・・③

モーメントの式は下記の通りです。
 x軸 Mx = b・( Fz₁ + Fz₂ - Fz₃ - Fz₄ ) ・・・④
y軸 My = a・( Fz₂ + Fz₃ - Fz₁ - Fz₄ )  ・・・⑤

①の式を使い計算をしてみましょう。

【条件】
1.普通乗用車の車両総重量:W = 1700 kg ・・・プリウスクラスを想定
2.タイヤ1本当たりの負荷重量:Wt = 1700 / 4 = 425 kg
3.ドラム加圧力:F = 425 kg x 9.8 = 4165 N
・・・実際はタイヤサイズに対する動的負荷半径や車両特性に合わせて決定される事が多い、
    ここでは単純にタイヤ1本当たりの負荷重量とします。
4.タイヤを加圧した状態でドラムを回転させてタイヤの状態が安定した処で測定します。
 残念ながら測定データを持ち合せていませんので勝手な数値を割り振ります。
 
Fx₁ = 1010 N
Fx₂ = 1150 N
Fx₃ = 1005 N
Fx₄ = 1000 N

Fx = (1010 + 1150 ) + (1005 + 1000 ) = 4165 N
この様に測定値の符号に注意しながら計算をして行きます。

実際の測定では、例えばFxに付いて加圧力【イコール】とはなりません。
ホイールのハブ穴に対するタイヤ外周面の振れが大きい部分は反発力が増加しますし、
 高速回転になればドラムとの摩擦によるタイヤ内圧の上昇に伴い測定値は増加します。

 今回は各軸に作用する力やモーメントの計算式に付いてお話ししました。
 間違い等ございましたらご教示願います。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする