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技術のお話し タイヤ編(12)

2021-04-15 15:22:01 | 暮らし
今回はユニフォーミティ測定機で使用する力センサに付いてです。
タイヤ生産やホイールAssyを行う工場で使用されるユニフォーミティ測定機は、
速度が7km/h (60rpm)の低速タイプと7~200km/hの高速タイプに大別されます。

高速ユニフォーミティ測定機に使用される力センサは、
高速な衝撃力を計測するために高応答で固有振動数が高い事が必要になります。
又、力センサを取付ける筐体も高速になるに従い大きな力が作用するため高い剛性が必要になります。

高速ユニフォーミティ測定機でタイヤサイズ215/45R17を使い筐体の固有振動数を求めてみます。

加圧ローラで規定荷重、又は空気圧に対応する負荷能力の85%を試験荷重としたときの動的負荷半径を約304mm、
測定速度は100km/h、ユニフォーミティは10次成分まで解析するとします。

<計算条件>
タイヤサイズ:215/45R17
動的負荷半径:r = 304 (mm) → 0.304 (m)に換算
速度: v = 100 (km/h) → 100000 (m/h)に換算

タイヤが1秒間に何回転するか = タイヤの回転周波数: fs (Hz)を求めます。

タイヤ周波数: fs (Hz) =100000 / ( 3600 x 2π x 0.304 ) = 14.5 (Hz)
注:1 / 3600は時間(h)を秒(sec)に換算

次に解析次数が10次成分までですから、
 fh10 (Hz) = 14.5 (Hz) x 10 = 145 (Hz) となります。

文献などから共振を避け精度良く測定するには、2.5~3倍ほど高い固有振動数が必要と言われていますから、
 145 (Hz) x 2.5 = 360 (Hz) ~ 145 (Hz) x 3.0 = 435 (Hz) となります。

低速ユニフォーミティ測定機の場合も同様に計算します。
タイヤ周波数: fs (Hz) =7000 / ( 3600 x 2π x 0.304 ) = 1 (Hz)

解析次数が10次成分までですから、
 fr10 (Hz) = 1 (Hz) x 10 = 10 (Hz) となります。

共振を考慮すると、10 (Hz) x 2.5 = 25 (Hz) ~ 10 (Hz) x 3 =30 (Hz) となります。

これはタイヤの回転周波数から計算したものであって、筐体はタイヤに加える荷重による撓み、
回転によるねじれ等から強度を検討し、上記で計算した共振領域を避ける必要があります。

次に力センサ(フォースセンサ)に付いてです。
力センサに使用される圧電素子は水晶やセラミックスなどが有ります。
この圧電素子は負荷が掛かったときに比例した電荷を発生します。
力センサはこの性質を応用しチャージアンプを介して電圧を力に換算して測定します。

電荷の単位はクーロン(C)ですが、力センサではピコクーロン(pC)を使います。
ピコ(Pico)は国際単位系(SI)では接頭辞と言われる基礎となる単位の 10^−12倍を表し、
1( pC )=10^-12( C ) の電荷量となります。

水晶素子の場合、水晶を切り出す方向を変える事で圧縮、せん断と電荷を発生させることができ、
高剛性で測定偏差が低いと言う特性があり力センサに適した素子だと思います。・・・私はセンサ屋ではありません!! 使ってそう思った感想です。
圧電効果は作用している力に対する水晶の極性の軸の位置により、
縦効果、せん断効果、横効果に区別されます。

今回はここまで、次回も力センサに付いてのお話しが続きます。
決して回し者ではありません!!

上記内容で間違いなどございましたらご教示ください。


コメント
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